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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Tottenham】圧巻マネ!前線からのプレスで2発決めたリヴァプールが、久々の完勝!

年明けのプレミアリーグで未勝利のリヴァプールと、直近9試合を7勝2分と負け知らずのトッテナム。好対照のチームがアンフィールドで激突するシックスポインターは、もちろん両者とも負けられない一戦です。リヴァプールは、デヤン・ロブレンの負傷でルーカス・レイヴァをCBに起用している以外は、ベストメンバー。GKミニョレ、DFナサニエル・クライン、マティプ、ルーカス・レイヴァ、ミルナー、中盤にワイナルドゥム、ヘンダーソン、ララナ、3トップはマネ、フィルミーノ、コウチーニョという布陣は、走って攻めて勝つと宣言しているようです。ポチェッティーノ監督は、3枚の強力なアタッカーに対して最終ラインを1枚余らせたいのでしょう。守護神ウーゴ・ロリスの前には、カイル・ウォーカー、アルデルヴァイレルト、エリック・ダイアー、ベン・デイヴィスの4バック。ワニャマとデンベレが真ん中を締め、エリクセン、デル・アリ、ソン・フンミン、ハリー・ケインはポジションチェンジを繰り返しながら仕掛けてくるはずです。

立ち上がりから、レッズが速攻を仕掛けてスパーズを圧倒しています。5分にマネがドリブルで攻め上がったチャンスは、サイドチェンジを受けたコウチーニョが打ち切れず。直後、ヘンダーソンがナサニエル・クラインに素晴らしいパスを通すも、アーリークロスはフィルミーノに届きません。11分、デンベレが持ち込み、ワニャマを経由してカイル・ウォーカーにつなげたスパーズは、ニアで一瞬空いたエリクセンに巧みな浮き球が通りますが、シュートはクロスバーを越えていきます。ララナが右に展開して始まったカウンターは、フィルミーノとコウチーニョの連打が、いずれもDFのブロックに引っかかってしまいました。

16分、強いレッズが戻ってきました。ララナがハーフライン付近でワニャマからボールを奪うと、フィルミーノの落としを受けたワイナルドゥムが、最前線に飛び出したマネに完璧な縦パス。ベン・デイヴィスを振り切ってロリスと1対1に持ち込んだマネは、冷静にゴール左上に蹴り込みました。さらに19分、今度は敵陣でマネがエリック・ダイアーから奪取。そのまま左から上がった19番が逆サイドに優しいパスを転がすと、ララナとフィルミーノのボレーはロリスが食い止めますが、こぼれ球が足元にきたマネが倒れ込みながらの右足シュートを突き刺します。電光石火の2-0、やはりレッズにはサディオ・マネが必要です。

22分にも、ベン・デイヴィスの不用意なパスをマネがインターセプトしてロリスと1対1。ハットトリックのチャンスは、右隅へのフィニッシュが決まらずお預けとなります。22分のマネの強烈なミドルは、ロリスがかろうじてセーブ。レッズの速攻の切れ味に、攻める時間がもらえないトッテナムは、ポゼッションを大事にして自分たちの戦い方を確認したほうがよさそうです。26分、ベン・デイヴィスの縦パスでラインの裏に抜けたソン・フンミンは、飛び出したミニョレの足にシュートをぶつけてしまいます。エリクセンのハイクロスを叩いたデル・アリのヘッドは力がなく、レッズ守備陣がセーフティにクリアしました。

29分、コウチーニョが右に展開したパスに対して、ベン・デイヴィスがポジションミス。裏を取ったマネがゴール前に突進しますが、エリック・ダイアーが的確なスライディングでクリアし、事なきをえました。激しいブーイングのなか、強めのキックで狙ったエリクセンのFKはわずかに上。直後のレッズは左から速攻を仕掛け、最後はナサニエル・クラインが強烈なシュートを放ちますが、枠に収めることはできません。レッズの速攻とミドルシュートばかりが目立った前半は、2点差のまま終了。次の45分は、ポチェッティーノ監督の打開策に注目です。

後半も、レッズの攻勢は変わらず。ミルナーやコウチーニョがゴール前に上げるFKにスパーズ守備陣は何とか耐えていますが、出足がいいレッズの前線に劣勢を強いられ、逆襲に転じられません。ダニー・ローズがいれば、マネの自由はもっと制限できていたでしょう。68分、ようやく動いたポチェッティーノ監督の1枚めは、エリクセンをハリー・ウィンクス。しきりにハイボールを前線に入れてくるスパーズに対して、今日のミニョレは落ち着いて対応しています。

71分、ミルナーのFKのコースを変えたマティプのヘッドは、ロリスが正面でキャッチ。74分のレッズの速攻は、右のララナから前線に出たコウチーニョにつながり、アルデルヴァイレルトの股間を狙ったシュートが左に逸れていきます。77分にデンベレがシソコに代わると、クロップ監督はコウチーニョをエムレ・ジャン。足を痛めたルーカスがクラヴァンに後を託すと、ポチェッティーノ監督はソン・フンミンをフィンセント・ヤンセンです。プレミアリーグになじんでいないエールディヴィジ得点王は、明快な結果を出すことができるでしょうか。残り時間は10分もありません。

ハリー・ケインを完全に封じ、後ろからの放り込みにはミニョレがしっかり対応。92分にアーノルドと代わったマネは、勝利を確信したようにクロップ監督と熱い抱擁をかわしています。リヴァプールは、最後までゲームをコントロールしたまま、2017年になって初めてプレミアリーグで勝ち点3をゲットしました。

マネ、ワイナルドゥム、ララナはもちろんですが、今日は殊勲者のリストにミニョレも入れたいと思います。危なっかしかったロリスに対して、レッズの守護神は最終ラインを落ち着かせる堂々としたプレイを披露。ソン・フンミンの決定的なシュートをストップした後は、これといったチャンスはありませんでした。リヴァプールの前線からの速いチェックに自由を奪われたスパーズの中盤は、ついぞ決定機を創れず、12月から9試合続けていたプレミアリーグ無敗記録はストップ。マネに翻弄されたベン・デイヴィスのところにダニー・ローズがいれば、違う結果になっていたかもしれません。ベストメンバーが揃ったレッズは強い!クロップサッカーの速さと美しさをあらためて実感させられた完勝劇でした。

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“【Liverpool×Tottenham】圧巻マネ!前線からのプレスで2発決めたリヴァプールが、久々の完勝!” への10件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    やっと勝てました。しかも相手はスパーズでしっかりクリーンシートです。GKとCBがしっかり安定すると、中盤も引き締まり
    ゲームコントロールが出来ますね。やはりこのチームにはマネが必要で彼が動くことで前線が縦横無尽に動き回り活性化して
    行くという前半戦を思い出しました。あとジニが効いてましたね。地味ながら彼は必要なピースです。
    久々の勝利がこんなに嬉しいとは!(笑)次節のレスター戦もこのテンションでお願いしたいところです。

  2. K より:

    久々の中1週間。予想外の立ち直りで前半はお互いに素晴らしいサッカーでした
    ロヴレンの左足とGKのミスは確かにありますが、加速した相手を膨大なスペース背にして止められるCBなど世界中どこ探しても居ません
    守備は中盤でプレスが連動出来るかが全てですが今はベストメンバーでしか機能しません

    コウチのコンディションも回復し、こういう素晴らしいサッカーしてれば今後は週に1試合以下のペースなので
    下位も圧倒して首位だった時を思い出してCL圏内には入れるでしょう

    しかしレギュラーと控えの力は広がるばかり。ヨーロッパと並行して来季戦うには、今季の失敗を繰り返さないようCBとCF以外の
    全ポジションで選手層の拡充が必須。本格復権は再来年くらいですかね、気長に待つしかありません

  3. レッズ より:

    更新お疲れ様です。
    やっと…ですね笑
    みんな良かったですが、私も(珍しく)ミニョレに賞賛と感謝を贈りたいと思います。2-0となってからソンフンミンの1対1を止めたシーン。あれ入れられてたら最近のリバプールならバタバタしてたと思います。あれだけでMOM級の活躍な感じがしますね。

  4. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    長い悪夢がやっと覚めました。
    2017年PL初勝利がスパーズとなるとは思いませんでしたが、文句なしの完勝で言葉もありせん。
    やはりマネ!マネ!!ですね、レッズにはマネが必要です。
    そしてこれもまた久しぶりのクリーンシートですが、ミニョレのセーブと安定感もよかったですが、私は中盤での競り合いで勝てたことが大きいと思います。
    その貢献者はやはりヘンドとジニ、とりわけ今日のジニは素晴らしかったと思います。
    中盤で早めに対処できたことで多くのチャンスを与えず、DF陣も落ち着けたのではないでしょうか。
    まだ苦手とするドン引きの相手に勝てたわけではありませんが、まず強いレッズが帰ってきたことを喜びたいと思います。
    結局、チェルシーを援護してしまう形となってしまうかもしれませんが、これでCL権争いは混戦です。
    クロップイズムがPLにもう一波乱起こすことを期待します!

  5. sini より:

    完敗でした。レッズは息を吹き返したと言ってもいいのではないでしょうか。
    ガス欠気味で試合の入り方もフワフワで集中力を欠いていた今のスパーズにとって、攻撃陣がベストメンバーで破壊力抜群のリバプールは相手が悪すぎました。
    ワニャマはPLにやって来て以来ワーストのパフォーマンスの一つでしょう。デイビスもマネに終始千切られていました。
    いない人について嘆いても仕方がないです。タイトなスケジュールですが、分析した上でしっかり切り替え立て直して欲しいです。
    それにしてもアンフィールドで勝てないですね…

    —–
    リヴァプールが強かったという以上に、ちょっと今後が不安になる試合でした。
    ヤンさん負傷以来というべきなのか、4バックに戻して以来というべきなのかはわかりませんが、ここ数試合負けてこそいないものの気持ち良く勝てないのをなんとか誤魔化してきたところ、
    ついにリヴァプールにやられてしまったという感じがします。

    個人的には4バックでいくならダイアー<ヴィマー、とくにトビーと組ませられるなら左利きのヴィマーを使わない理由がないと思うのですが、よほど信頼を失っているのかもしれませんね。

    ここで勝てればCL権をより強固なものにできるとこだっただけに、本当に残念です。

  6. makoto より:

    Mackiさん>
    流動性が素晴らしかったですね。マネ、フィルミーノ、コウチーニョ、ララナ、ワイナルドゥムを揃えたというだけで、既にコンセプチュアルです。

    Kさん>
    前半はサッカーとして素晴らしく、後半はレッズがいい時間の使い方をできたと思います。

    レッズさん>
    あのセーブはターニングポイントでしたね。後半の落ち着いたハイボール処理も安心して見ていられました。

    nyonsukeさん>
    「上位からすればエムレ・ジャンよりワイナルドゥムが嫌」と書いたばかりだったので、「これ!このプレイ!」と興奮しながら見ていました。ヘンダーソンもなくてはならないですね。攻めるエリアを決めるパスと、スペースを埋める守備。

    ホタさん>
    マネがよすぎたこと、ハーフライン付近でボールを奪われすぎたことで、厳しくなりましたね。気持ちを切り替えて、ELで勝ってほしいなと思います。

    siniさん>
    ヴィマーは、マン・シティ戦でしんどかったので、入れられなかったのではないでしょうか。調子が戻れば十分戦力として期待できる選手だと思いますが。

  7. グッチ より:

    更新お疲れ様です!ようやく勝てて一息ですがモタモタしてる間に周りが密集して余裕はないですね。ただ見応えのある試合を久々に展開してくれて嬉しい限りです!!
    エムレチャンは今後益々風当たりが強くなってしまうとは思いますが、いっそヘンダーソンを前目に置いてチャンをアンカーにするか、4-2-3-1のように前目のララーナやワイナルドゥム、後ろをチャンとヘンドのようにはっきりした役割の方が良さそうですね。

  8. makoto より:

    グッチさん>
    うまくいく可能性はあると思いますが、今季最大の収穫であるアンカー・ヘンダーソンを動かすのは勇気がいります。どこかいじるなら、私の推しはクラヴァン左SB&ミルナーをインサイドMFで、エムレ・ジャンは勝っているゲームでヘンダーソンのサブからリスタートとかですかね。

  9. たか より:

    リバプール不調だったようですが、絶好調スパーズに勝利したんですね!
    やっぱりリバプールが復活してくれないとプレミアは面白くないです!

  10. makoto より:

    たかさん>
    レッズが持ち直した一方で、直近はスパーズがゴールを決められなくなってます。コンスタントに勝つのは大変ですね。

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