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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Leicester×Liverpool】連休ボケか…ヴァーディを蘇らせたリヴァプールが降格候補に完敗!

やはり、こうしてきたか…「いいときの自分たちを思い出そう」というメッセージでしょう。ラニエリ監督解任後の初戦、レスターの指揮を執るクレイグ・シェイクスピアさんとマイク・ストーウェルさんは、エンディディ以外を昨季プレミアリーグの優勝メンバーで固めてきました。前線には岡崎慎司とヴァーディ、左右はマフレズとオルブライトン、ドリンクウォーターとコンビを組むのはエンディディです。対するリヴァプールにとって、プレミアリーグ26節のアウェイゲームは、快勝したトッテナム戦から2週間ぶりとなる実戦です。最終ラインにはナサニエル・クライン、マティプ、ルーカス・レイヴァ、ミルナー。中盤にはワイナルドゥム、エムレ・ジャン、ララナが入り、マネ、フィルミーノ、コウチーニョの3トップは健在です。ヘンダーソンを欠いたチームは、監督交代でリフレッシュしたチームから勝ち点3を奪うことができるでしょうか。

立ち上がりから押してるのはレスター。負けたら降格ゾーン突入の一戦は、先に点を獲ることが重要です。6分、フクスのロングスローが中央に入ると、こぼれ球をヴァーディが右足でボレー。前にいた岡崎慎司がコースを変えると、ミニョレが左に飛んで先制を許しません。10分、ララナとのワンツーで右から突破したマネは、触れば1点のグラウンダーを中に転がしますが、ウェズ・モーガンがコースに入ってクリア。CKを叩いたマティプのヘッドは、うまく落とせずバーを越えていきます。15分に左でマフレズが粘ってもらったCKは、競り勝ったフートのヘッドが浮いてしまいます。レッズにはいいときの厳しいプレスとスプリントがなく、レスターは崩しのアイデアがありません。

20分、シュマイケルのロングフィードを受けたヴァーディが、トラップでルーカスとマティプをかわしてボレーを放つも、ミニョレが身を挺してブロックし、ピンチを逃れます。28分、昨季プレミアリーグ王者の先制点は、ワイナルドゥムのミスパスをダイレクトで前線に送ったオルブライトンのスルーパスから。完全に裏に抜け出したヴァーディは、ミニョレのポジションをみて冷静にニアを抜きました。30分、今度はレッズに決定機。中央突破からワイナルドゥムのパスを競り合ったルーズボールが左に流れ、フリーだったコウチーニョがシュマイケルの脇を抜こうとしますが、好調の守護神がしっかりコースを塞ぎました

35分、中央に流れていたマフレズが斜めに出した絶妙なパスで、右のヴァーディが抜け出しかけますが、落としたボールをダイレクトで打ったエンディディのシュートはミニョレの正面。どうした、レッズ。昨年末までは最強ともいわれていたチームが、プレミアリーグ暫定18位に押し込まれています。39分、レスターの2点めはスーパーゴールでした。オルブライトンのクロスをミルナーがクリアすると、ワンバウンドしたボールを右足で捉えたのはドリンクウォーター。右のサイドネットに突き刺さった一撃に、ミニョレは動けませんでした。効果的な崩しがないまま、レッズは2-0で前半を終えます。彼らに足りないのは、前で奪うアグレッシブな守備と運動量です。

後半は、レッズがポゼッションを取ってサイドから仕掛け、ホームチームはカウンター狙い。51分に岡崎慎司が左にロングフィードを通すと、ルーカスをかわしたヴァーディの折り返しを打とうとしたのは、50メートルはスプリントした岡崎です。ワイナルドゥムが体を入れ、3点めはならなかったものの、いかにもレスターらしいカウンターでした。54分、中央から左隅を狙ったコウチーニョのミドルはシュマイケルがセーブ。57分に右からドリブルで仕掛けたマネは、ニアへのシュートをフートに当ててしまいます。60分、勝負を決する3点めが入りました。カウンターで右に流れたヴァーディのクロスは逆サイドに転がりますが、マフレズと連携したフクスが右足でクロスを入れると、エムレ・ジャンに競り勝ったヴァーディのヘッドが右のサイドネットに吸い込まれます。

マネ、フィルミーノとつながったボールをボックス右で受け、中に持ち込んで打ったララナの左足シュートはシュマイケルが確実にセーブ。ララナとマネが下がり、オリギとアルベルト・モレノが加わったクロップ監督のチームは、68分にようやく1点を返しました。左からワンツーで上がったエムレ・ジャンが、ボックス手前で脇にいたコウチーニョに流すと、10番の左隅への完璧なシュートにシュマイケルは動けません。岡崎慎司をアマーティに代え、逃げ切りを図るホームチーム。左SBにモレノが入ったレッズは、ミルナーがララナがいたポジションにいます。久しぶりにマフレズらしいプレイを見たのは、79分でした。エムレ・ジャンを軽く抜き去った昨季のプレミアリーグMVPは、ルーカスを引きつけてドリンクウォーターに落としますが、ボレーはミニョレの頭上。サイドからクロスを上げて2点めを狙うアウェイチームに、残された時間は10分しかありません。

シェイクスピア暫定監督がマフレズをデマライ・グレイにスイッチすると、クロップ監督はルーカスに代えて17歳のウッドバーン。アンフィールドなら大歓声が起こるところですが、キングパワーは完全にスルーです。87分、ナサニエル・クラインがラボーナで通したパスをコウチーニョがスライディングで狙うと、虚をつかれたのかシュマイケルがキャッチできず。ボールがポストの外に流れて助かりました。チルウェルに後を譲り、ベンチに下がるオルブライトンをサポーターがスタンディングオベーションで称えます。貪欲にゴールを求めていたのがコウチーニョだけだったリヴァプールは、淡泊なサッカーで5分の追加タイムを遣い切りました。3-1で快勝したレスターが、プレミアリーグ6戦連続ノーゴールの泥沼から抜け出しました

生き返ったレスターと、「連休ボケ」のリヴァプール。動きが重かったマネとフィルミーノが最大の誤算でしたが、後ろについてはクロップ監督がスタメンを間違えたのではないでしょうか。マティプとクラヴァンにヴァーディをケアさせて、その前をルーカスで締めれば、ヴァーディにロングボールを放り込むしかなかったチームに3点も奪われずに済んだのではないかと思います。守備に難があったエムレ・ジャンと、相手のエースを徹底マークする術を持たなかったルーカスがボトルネックとなってしまいました。今までも何度かあった、ヘンダーソンのありがたみをかみしめたゲーム。プレミアリーグ4位以内をめざすなら、ゲーゲンプレッシングの徹底度を上げ、主力不在の際のオプションを機能させなければなりません。片やは優勝を完全に諦め、もう一方は残留への手ごたえをつかんだ泣き笑いのマンデーナイト。レッズはアーセナルとマンチェスター・シティに必勝、レスターは例年の当確ラインの勝ち点40まであと16です。

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“【Leicester×Liverpool】連休ボケか…ヴァーディを蘇らせたリヴァプールが降格候補に完敗!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    またしても降格圏にいるチームを救ってしまいました、、、。長期連休はいいことばかりでは無いですね。ご指摘の通りヘンド存在の大きさを噛みしめる
    展開なのと、レッズが想定していた展開にならずかなり苦戦していましたね。
    CBルーカスはやはり本職では無いので、色々厳しかったですね。クラヴァン使わなかったのは、コンディションが良くなかったのか、、、。うーん勝ち負け連続をしているようでは中位あたりの順位で終わってしまいます。心配ばかりが先行してます(苦笑)

  2. ルニキ より:

    更新お疲れ様です。

    試合までの期間が長くなった1試合目は案外動きが悪いものですよね。まさに連休ボケです。ただ、この連休の効果が実感できるのはこれから先3月4月の試合でしょう。

    この試合に関しては一人一人の出来は置いておくとして、やはり試合中の修正がなさすぎるのが気になりました。そのための戦力が足りないのか、クロップにはそもそもプランがないのか、どちらなのでしょうか。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    特定のストライカーを常にケアするような守備は、CB経験が長い選手のほうが確実にこなせるのではないかと思いました。自分たちのよさを活かして勝とうとしたのだと思いますが、ヴァーディ&岡崎対策は、何らかあったほうがよかったですね。相手の戦い方がはっきりした後半は特に。

    ルニキさん>
    クロップさんは、戦い方には一貫性を持たせて、チェンジは人を変えることで起こすタイプに見えます。ペップよりはヴェンゲルさん寄りといいますか。レスターの中盤に対するチェックの仕方やヴァーディに対する守り方など、戦術的に打てる手はいくつかありましたね。

  4. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ラニエリ解任のニュースを聞いて頭の隅っこに浮かんだ予感が的中しました。
    試合勘の鈍ったレッズが、監督解任という崖っぷちのレスターにやられる…。
    ヘンドの不在はゲーム展開よりも、鬼気迫るレスターに唯一声をあげる選手の不在と感じました。
    後半の3バックには光明がありましたが、コウチのゴールの後、あのテンションではいけません。
    もしヘンドがいたらだれよりもチームを鼓舞し、スプリントとタックルを自ら繰り返したでしょう。
    やはりレッズはまだまだ発展途上なのでしょうか。
    来季のCLも逃せば、ワールドクラスの選手は獲得できないでしょう。
    とすれば若手を育成するしかありません。
    最近、再認識したのはクロップ監督は選手の育成を好む監督でした。
    上半期の好調で気がせいていたのかもしれません。
    ドルトムントも優勝までに3年かかりました。
    まだまだ忍耐が必要なようです。

  5. makoto より:

    nyonsukeさん>
    若手の台頭は期待したいですね。ジョー・ゴメス、ウッドバーン、スチュワート、グルイッチ、そしてオリギの本格的ブレイクに注目しています。

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