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【MAN.UTD×WBA】崩せなかったマン・ユナイテッドは、またもオールド・トラフォードでドロー!

イングランド代表のトレーニングでスモーリングとフィル・ジョーンズがリタイアしたことに不満をこぼしていたモウリーニョ監督は、バレンシア、バイリー、ロホ、アシュリー・ヤングの4枚を最終ラインに配しています。プレミアリーグ30節、マンチェスター・ユナイテッドがオールド・トラフォードに迎えるのは、8位につけてEL出場権獲得に望みをつないでいるWBAです。ズラタンとエレーラは出場停止。ポグバを負傷で欠いた中盤にはフェライニ、キャリック、リンガードが入り、前線はマルシアル、ラシュフォード、ムヒタリアン。カウンターとセットプレーでアーセナルを沈めたWBAに、先にゴールを奪われるとやっかいです。静かに立ち上がったゲームは、最初のシュートを見るまでに9分かかりました。左のマルシアルのパスが相手に当たり、流れてきたボールをミドルレンジから狙ったのはリンガード。マーカーはいなかったものの、力んだ一撃はクロスバーを越えてしまいます。

19分にキャリックを起点に速攻を仕掛けたマン・ユナイテッド。左から持ち込んだマルシアルが、中に斬り込んで右足でファーを狙うもポストの外に逸れていきます。圧倒的に攻めるマンチェスター・ユナイテッドは、WBA守備陣を包囲するようにパスをつなぎますが、ラストパスが味方に通らず淡々と時間が過ぎていきます。29分にマルシアルのパスをボックス左で受けたラシュフォードの右足は、インフロントに引っかけられずに右にアウト。30分に右からのクロスをヘッドで叩いたマルシアルは、コースをコントロールできず左に外します。WBAはこれといったチャンスをつかめず、しかしピンチの芽はすべて摘み取ってハーフタイムを迎えました。トニー・ピューリスにとっては狙い通り、ジョゼ・モウリーニョはおそらく苛立ちを募らせているでしょう。

47分、マルシアルとムヒタリアンが左サイドで見せたコンビプレーは、裏に出たマルシアルにラストパスが通りません。2分後にはニョムのクリアミスを拾ったラシュフォードと、相手がブロックしたこぼれ球に走り込んだキャリックがシュートを連発しますが、いずれもゴール前の渋滞につかまります。51分に左サイドから切り返しを入れてボックスのコーナーに出たアシュリー・ヤングは、なぜ打たなかったのか。狙いなきクロスは逆サイドに消え、マン・ユナイテッドはゴールを奪えません。54分に左からボックスに入ったリンガードが、打つと見せかけて右のムヒタリアンに流すと、シュートがカットされた後のボールをダイレクトで叩いたフェライニは、枠に収められませんでした。

マルシアルが57分に打ったファーポストへのシュートは、わずかに右にアウト。ピューリス監督は、マクリーンをモリソンに代えて中盤の活性化を目論みます。66分、マコーリーのミスキックがヒットしたムヒタリアンが、そのまま左から縦に突破してフォスターと1対1になりましたが、クロスに狙ったシュートをGKに当ててしまいます。残り20分、いよいよ来ました、ロブソン=カヌに代わってサロモン・ロンドン。74分、ムヒタリアンに代わって今季プレミアリーグ2ゴールのウェイン・ルーニーが登場です。75分に左サイドを完全に崩したアシュリー・ヤングはグラウンダーを味方に通せず。残り時間は10分となりました。

WBAは勝ち点1でOK。3は「あわよくば」です。ラシュフォードを左サイドにシフトし、ルーニー、マルシアル、フェライニが前線に張ったスクランブルは、中央を強引にこじ開けようとする形が多く、ジョニー・エヴァンスやニョム、マコーリーが縦パスを冷静にカット。83分に左から中に入ったラシュフォードの一撃はポストの右に外れ、ハイクロスを競るフェライニは空中を制することができません。86分、WBAの唯一のチャンス。フレッチャーが放ったミドルは、予期していなかったデ・ヘアが後ろに逸らすも、クロスバーに救われました。88分にラシュフォードが蹴った素晴らしいFKは、右にダイブしたフォスターのビッグセーブに阻まれます。結局、スコアレスドロー。全員が自陣にこもったピューリス監督のチームが、キックオフからの望みどおりに勝ち点を持ち帰りました。

「ズラタンとポグバがいなければ、こうなる」と認めないといけないのか…。ゴール前にしっかり鍵をかけられたホームチームは、ミドルシュートがことごとく枠にいかず、クロスもワンツーも精度を欠いて決定的な形を創れずに終わりました。20分あったルーニーは1本もシュートを打てず、追加タイムに余計なイエローカードをもらって時間を浪費するというキャプテンらしからぬ振る舞いが印象に残りました。本日、アーセナルが勝てば実質6位。チャンピオンズリーグ出場権をプレミアリーグで獲るのは厳しくなり、いよいよヨーロッパリーグへの完全シフトを考えたほうがよさそうです。ズラタンとエレーラが戻ってくる来週は、欧州制覇を期待できるサッカーを見せてもらえるでしょうか。プレミアリーグ19試合連続負けなしとはいえ10勝9分と勝ちきれない試合が多く、年明けのオールド・トラフォードで1勝4分では上位を追えません。

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“【MAN.UTD×WBA】崩せなかったマン・ユナイテッドは、またもオールド・トラフォードでドロー!” への5件のフィードバック

  1. 不知火 より:

    マルシャルやムヒタリアン、特にキャリックの消極的なプレーが目につきました。その代わりフェライニやリンガード頑張ってましたが…。
    やはり積極的に前に出るマタの欠場が痛かった。
    段々と調子を上げてったユナイテッドだけに、ズラタンが欠場でも、誰かが点を取ってくれると思ってましたが、最早決定力不足は明らかですね。

  2. yuto より:

    今シーズンにおけるオールド・トラッフォードでのよくある試合といえるところが悲しいです。
    マルシャルは昨シーズンと打って変わって苦しそうな表情でプレーしているのが観ている側もつらくなります。
    久しぶりに粕谷さんの解説でユナイテッドの試合を見ましたが、ラッシュフォードのプレーが周りとずれているという話は確かにと感じたところです。
    ムヒタリアンはワンツーが欲しいのにサイドに流したり、誰も反応しないクロスを上げるなどまだまだ成長が必要ですね。

  3. ユナイテッド より:

    去年のユナイテッドを見ているような気分でした。
    中盤の少し低めの位置からチャンスメイクしたり、高速フィードで相手のスライドよりも先に逆サイドへ展開できるポグバの存在がユナイテッドの攻撃の質を上げていたことを見せつけられました。
    ただ最近のフェライニは本当に頼もしいのでポグバともう少し連携面で合うようになればポグバ、エレーラ、フェライニのスリーセンターも可能なのではないかと思います。
    ポグバが帰ってくるまではムヒタリアンとマルシャルをお互い近くでプレーさせた方がお互い良くなるのではないかなぁと昨日の試合を見て思いました。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    もつハッキリ言って、この試合のような流れは飽き飽きです。モウリーニョはいくら使えばまともなチームを作れるのでしょうか?大金を使って作り出したのはトップ6で最も得点力のないチームです。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    タイトルをすでに2つ取り、無敗を続けるだけの守備力は整備し、CLにつながるリーグ4位とEL優勝が可能なチームをまともじゃないとまで評するのはちょっと。
    得点不足は課題ですが、それでも前任者の後期よりは攻めてるような。金はプレミアは他もかなり使ってますしねえ。
    さすがにこの試合は主力いなすぎと言い訳してもよさそうな面子でしたが主力いても割とやっていたような試合になってしまいました。

    —–
    >>5さんへ
    >>守備力は整備し
    今シーズンが特段に守備が安定しているとは思えませんし、昨シーズンも守備力だけなら素晴らしかったと思います。
    >>攻撃しているようにおもえる
    昨シーズンは確かにスロースローでしたが得点数は今よりありましたよね?昨シーズンの方が効率的だったのでは?
    >>タイトル2つ
    コミュニティシールドに出れたのは前任者のお陰であり、相手もカンテを引き抜かれ弱ったレスターでしたね。もうひとつはとてもラッキーな判定に助けられた優勝でしたね。
    まともなチームとはこんなチームなのでしょうか。
    私とあなたではまともなチームという概念が違い過ぎますので話はここまでにしておきますね。

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