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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Crystal Palace】歴史は繰り返す…ベンテケ2発で古巣にリベンジ!6戦連続でホームが敗戦!

2014年5月5日、プレミアリーグ2013-14シーズン第37節。前節のチェルシー戦を落とし、マンチェスター・シティに得失点差で上にいかれたリヴァプールは、セルハーストパークに乗り込んだクリスタル・パレス戦で、残り12分まで0-3でリード。スアレス・アンド・スタリッジ、通称SASがゴールを重ねた勝ち試合は、79分のデラニーのゴールからたった10分で暗転しました。ドワイト・ゲイルに2発叩き込まれて痛恨のドロー。最後の5戦を全勝したマン・シティに勝ち点2差で及ばず、悲願のプレミアリーグ初優勝はならず。以降、レッズはサウスロンドンのクラブを苦手としており、過去5戦はアンフィールドで2敗、敵地で3勝とすべてアウェイチームが勝つミステリアスなカードとなっています。3月に入ってからの7試合を5勝2分と負けなしで過ごし、完全に復調したレッズはアンフィールドの一戦で勝ち点3を奪えるでしょうか。GKミニョレ、DFナサニエル・クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、ミルナー。アンカーにルーカス、インサイドMFはエムレ・ジャンとワイナルドゥム。コウチーニョ、フィルミーノ、オリギの3トップも予想通りです。

16位に沈むクリスタル・パレスも、最近の7試合を5勝1分1敗と絶好調。ロングボールをベンテケに集め、ザハとタウンゼントがサイドを崩す戦術でアーセナルに3-0と完勝したアラダイス監督は、リヴァプールにも同じアプローチを用いるのでしょうか。キックオフから10分経ってもアラダイス監督の出方がわからなかったのは、リヴァプールが圧倒的にボールを支配していたからです。ミルナーとナサニエル・クラインにボールを預けてサイドの隙を窺い、クロスがはね返されるとワイナルドゥムやエムレ・ジャンがしつこく追いかけて敵陣で奪取。アウェイチームは、時折ザハがドリブルで仕掛けるぐらいで、圧倒的なポゼッションを許しています。とはいえ、レッズもなかなかフィニッシュに持ち込めず。クリスタル・パレスの中央の守備は堅く、フィルミーノやコウチーニョは速い寄せに苦労しています。

21分、ドリブルで持ち込み、シュートコースをキープしたベンテケが右隅を狙うミドルシュート。ここまでシュートが打てなかったレッズは、その鬱憤を晴らすようなスーパーゴールで先制しました。24分にボックス手前やや左から蹴ったコウチーニョのFKは、壁を越えたあたりで急激に曲がり、左のサイドネットに突き刺さる驚愕の弾道。GKヘネシーはノーチャンスでした。ボールを奪われたレッズは、前線と中盤の選手たちが素早く寄せて、縦を狙うザハとタウンゼントは最終ラインがケア。ベンテケめがけて上げるハイクロスはCBとミニョレが落ち着いてさばいています。38分、ミルナーのパスで左サイドに出ていたワイナルドゥムがフリーになり、アウトにかけたグラウンダーをエムレ・ジャンがダイレクトで狙うも明らかなシュートミス。このままハーフタイムかと思いきや、クリスタル・パレスが43分にワンチャンスを活かします。

ウォードの縦へのフィードでデヤン・ロブレンを出し抜いたのは、ヨアン・キャバイェ。右サイドからのクロスは正確で、ナサニエル・クラインを振り切ったベンテケは左足で面を作って押し込むだけでした。古巣相手に今季プレミアリーグ13ゴールめを決めたストライカーは、この後もナサニエル・クラインをかわして右足でシュートを放ち、ミニョレのゴールを脅かします。前半は1-1。フィニッシュに持ち込めないレッズは、ミドルシュートやダイレクトパスで中が厚い相手を揺さぶらなければ、次のゴールは奪えないでしょう。

49分、右のフィルミーノがルーカスに下げ、前線のコウチーニョにパスが通ると、左足のミドルは浮いてしまいました。レッズの波状攻撃は続き、コウチーニョが3人をかわして切り返しから放った52分のシュートは、トムキンスが体を投げ出してカット。圧倒的なレッズペースではあるものの、クリスタル・パレスはこういう展開からチェルシーとアーセナルを倒しています。59分、ルーカスのスルーパスでフィルミーノが縦に抜け出しますが、飛び出したヘネシーが先に追いついてボールを懐に収めます。強者が攻めあぐみ、後ろが薄くなる展開はアラダイス監督の思う壺。前線にアクセントを加えたいクロップ監督ですが、ベンチに若手しかいないのが悩ましいところです。

71分、ベンテケが頭で落としたボールをパンチュンが左足で狙うとDFがカット。さらにこぼれ球にベンテケが左足を振り抜くと、前線に残っていたキャバイェの足元に届き、右足のシュートがバーのすぐ上を抜けていきます。74分、CKからの失点がプレミアリーグで最も多いレッズが、ついに勝ち越しゴールを献上してしまいました。タウンゼントのキックをフィルミーノがクリアしきれず、流れてきたボールを頭で押し込んだのはまたもベンテケ!直近4試合で3ゴールを決めていたエースは、古巣相手の大事な試合でリベンジを果たしました。アーノルド、アルベルト・モレノ、グルイッチを次々と投入したクロップ監督は、今や大黒柱となったママドゥ・サコを使えなかったチームを崩すことはできませんでした。ポゼッション72%で枠内シュート1本は、強者が敗れるときの典型的な数字です。

レッズのアタックで気になったのは、球離れの悪さとオリギの役割が中途半端だったことです。コウチーニョがドリブルで仕掛けるシーンが目立った赤いチームは連動性に欠け、クリスタル・パレスの守備陣の読みを外すことができませんでした。下位に取りこぼす強者と、アウェイを苦にしない弱者の対決は、6戦連続でアウェイチームの勝利です。歴史は繰り返す…3年前にクリスタル・パレスに優勝への道を閉ざされたリヴァプールは、激痛の敗戦によってプレミアリーグ4位以内から引きずりおろされるのでしょうか。2試合消化が少ないマンチェスター勢と3試合少ないアーセナルが、直接対決以外の延期試合を全勝すれば、リヴァプールは6位まで落ちる可能性があります。

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“【Liverpool×Crystal Palace】歴史は繰り返す…ベンテケ2発で古巣にリベンジ!6戦連続でホームが敗戦!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    これも実力なのかもしれません。今は残り4試合に勝利し結果を待つしかないですね。しかし、セットプレーにおいてマーカーを外してしまい結果ゴールを決められてしまうチャンは毎度気になります。それ以外は良いのですが、、、。

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    否が応にも13-14シーズンの悪夢を思い出してしまう敗戦でした。
    攻撃にアクセントを加えるのはコウチとフィルミーノしかいなく、コウチの素晴らしい1点を守りきる守備力もなく、今季の悪いレッズを象徴する試合でした。
    特にオリギ、ジャンの好不調の波が勝敗に直結してしまうのは残念でなりません。
    またルーカスも怪我の影響かここ数試合の気の効いたカバーリングがみられず、結果SBの後のスペースを効果的に使われてしまいました。
    これが今季のメンバーの限界なのかもしれません。
    既に、自力では4位以内に留まることはできませんが、とにかく残り4試合を全力で闘ってほしい、今季プレミア1とも思われるあの攻撃的なスタイルをもう一度みたいです。
    ララーナとヘンドの復帰が待ち遠しいです。

  3. K より:

    オリギは今のサッカーに向いてないですね。彼は裏抜けするCFで狭いエリアで力を発揮する為のドリブルとトラップの技術が足りてないですね
    SBの裏を使われた後にCBがディレイではなく真ん中を開けてカバーに突進するのに守備は問題ないと言う監督は意味不明です

    ユナイテッドがチェルシーを破った事から勝点的には1ポイント分くらい不利になりました
    ララナが復帰するので3勝1分以上を出来るか、またはユナイテッドが連戦に耐えられるか否かになりそうですね

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