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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Everton×Chelsea】見応えある攻め合いを制したチェルシーは、プレミアリーグ優勝まであと3勝!

グディソンパークのエヴァートン戦を乗り切れば、残る相手はボロ、WBA、ワトフォード、サンダーランド。プレミアリーグ優勝をめざすチェルシーにとっては、このアウェイゲームが最大の難関でした。GKクルトワ、DFアスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ケーヒル、マルコス・アロンソとヴィクター・モーゼスが左右のWB、カンテとマティッチの2センター。アザール、ペドロ、ジエゴ・コスタの3トップも健在で、チェルシーは長期離脱者をひとりも出さずにシーズンを終えようとしています。

攻撃的なゲームの予感漂う立ち上がり。2分にキャルバート・ルーウィンがアスピリクエタをかわして折り返すと、クルトワが弾いたボールに反応したルカクは打ち切れません。エヴァートンは、レイトン・ベインズがいる左サイドから崩そうとするシーンが目立ちます。11分、ペドロがドリブルで仕掛けたカウンターは、スルーパスを受けてグイェを抜き去ったアザールがGKステケレンブルクまでかわしますが、フィニッシュで腰がまわらずボールは外からサイドネット。スピードには不安があるジャギエルカとアシュリー・ウィリアムズは、再三繰り出されるチェルシーの速攻をケアしなければなりません。

22分、ドリブルで4人を次々とかわしたマティッチは、ボックス手前で左足を振り抜くもGKの正面です。その直後、プレミアリーグ得点王レースの頂点に立つロメウ・ルカクが、ダヴィド・ルイスをフィジカルの強さで制して右足でシュート。ケーヒルに右半分のコースを消され、ポストの左に外れたものの、チェルシー守備陣はやっかいな元同僚をフリーにしてはいけません。ダヴィド・ルイスのロングフィードを巧みに収め、振り向きざまに右足でボレーを放ったジエゴ・コスタは枠を捉えられず。25分を過ぎると、グイェとトム・デイヴィスがチェルシーの前線の選手を捉まえられるようになり、楔のパスを通されるシーンは一気に減りました。32分、最後方からのロングフィードを胸でトラップしたルカクは、アスピリクエタのチェックを気にして右足のシュートを浮かしてしまいます。

41分、ロス・バークリーのFKは壁にヒット。イングランド代表の中核を担うと期待されていたMFが、今季プレミアリーグでわずか4ゴールではもの足りません。前半は0-0で終了。シュート数7対7.ポゼッションは51対49、パス本数も220~230本と両者の数字は変わらず、互角の展開です。エヴァートンが、プレミアリーグの優勝争いをさらにおもしろくしてくれるのではないかとささやかに期待したのですが、この後の45分で目にしたのは、コンテ監督率いる3-4-3のチームの強さでした。

エヴァートンの注目ポイントは、トム・デイヴィスやキャルバート・ルーウィンといった若いアタッカーの果敢な仕掛け。チェルシーは、マルコス・アロンソとヴィクター・モーゼスのサイドアタックと、徐々に前に出てきたダヴィド・ルイスです。アザールに密着しているグイェは、最後まで食らいつけるでしょうか。52分、チェルシーのCKはサインプレー。ステケレンブルクの前にいたマティッチがキックの瞬間にニアに寄ってヒールで落とすと、ヴィクター・モーゼスの鋭いシュートがポストすれすれを抜けていきます。55分にジャギエルカのバックパスを狙ったジエゴ・コスタは、飛び出したステケレンブルクのクリアが先。中央からドリブルで上がったエネル・バレンシアのシュートは、マルコス・アロンソが足に当ててCKです。

エネル・バレンシアは59分にも左サイドでアスピリクエタをちぎり、速いグラウンダーを入れるもクルトワがセーブ。両者とも前への意識が高く、グディソンパークはハイテンションです。エヴァートンが先にゴールを奪っていれば、勝ち点3も充分ありえたでしょう。しかし66分、マティッチのパスを中央で受けたペドロが、素早いターンでジャギエルカをかわして左足一閃。ボールは右に飛んだステケレンブルクのグローブの先を抜け、ネットに突き刺さりました。アウェイチームの激しい歓喜は、この試合がいかに苦しいかを物語っています。

72分、クーマン監督はキャルバート・ルーウィンとエネル・バレンシアを下げ、ミララスとアルナ・コネで勝負。オープンな展開になり、スペースがほしかったルカクが活き活きとし始めました。ところが79分、アザールがゴールに向かって蹴ったFKをステケレンブルクが弾くと、ケーヒルの足に当たったボールがそのままゴールに転がります。残り10分で0-2は、さすがにきつい。82分、痛めていた鼠蹊部が悲鳴を上げたダヴィド・ルイスを代えるタイミングで、コンテ監督はペドロも下げてセスクとナタン・アケ。85分にはアザールも下げ、ウィリアンで試合を畳みにいきます。その1分後、ダメ押しの3点めは入ったばかりのウィリアン。マルコス・アロンソがジエゴ・コスタに当てると、縦パスでセスクが左から抜け出し、フリーのウィリアンは優しいグラウンダーを流し込むだけでした。

試合は0-3のままタイムアップ。結果的にはプレミアリーグ首位の快勝でしたが、ケーヒルが追加点を決めるまでのエヴァートンは素晴らしいチームでした。昨季はクーマン監督率いるサウサンプトンが勝ち点63でプレミアリーグ6位、エヴァートンは47で11位でしたが、今季はクーマン監督を招聘したエヴァートンが58で7位、セインツは41で9位と完全に逆転しています。キャルバート・ルーウィン、トム・デイヴィス、ホルゲート、ルックマンら若手を抜擢してチームに競争をもたらしたオランダ人指揮官は、7勝6分6敗だった前半戦に対して年明け以降は9勝4分3敗と追い上げモード。6勝2分6敗のアーセナル、7勝5分4敗のリヴァプールを上回る戦績を残しています。さすがクーマン!そしてこのチーム相手にアウェイで3点差をつけて勝つチェルシーは、プレミアリーグ優勝にふさわしいチームだとあらためて思います。残り4戦で3勝し、FAカップ決勝でアーセナルを倒せば、コンテ監督は初年度からダブルです。

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“【Everton×Chelsea】見応えある攻め合いを制したチェルシーは、プレミアリーグ優勝まであと3勝!” への2件のフィードバック

  1. ゆう より:

    更新お疲れ様です。
    ペドロは本当頑張り屋さんですね、アザールが封じられるまではいきませんが消える時間が多い中、ペドロは走りまくってボールをフロントに運んでいました。ペドロらしい敏捷性を活かしたターンと逆足のシュートは流石の一言です、走り続けていたペドロの労がゴールで報われて本当に嬉しかったです。
    アザールはセットプレーで魅せてくれて、終盤のセスクは絶妙の飛び出しと抜群の視野でした。
    エバートンは怖い相手でしたが最高の勝利でした、このまま優勝してほしいです!

  2. すぱさぽぽ より:

    この試合とノースロンドンダービーを連続で見ましたが、やはりスパーズと違いチェルシーはワンチャンスを活かすのが本当にうまいですね。
    FAカップでも昨年のリーグ戦でも痛感しましたが、アザールとペドロは一瞬の隙を突いて試合を決めてしまいます。
    ピューリスが大金星をあげボロが粘ってドロー、そしてスパーズが全勝で奇跡の逆転優勝という夢物語は到底起こりそうにもありませんね…

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