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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Everton】遅かった5連勝…エヴァートンに快勝したアーセナルは、4位に届かず!

アーセナルは勝ち切れるのか。19年連続となるチャンピオンズリーグ出場権獲得を成し遂げるのか。プレミアリーグ最終節、決着の時まで残り90分。12月にプレミアリーグ14戦連続無敗をストップされたエヴァートンに、ダブルを許すわけにはいきません。ヴェンゲル監督は、予想通り3バックを採用してきました。GKはチェフ、CBはガブリエウ、ホールディング、コシールニー。ベジェリンが右、モンレアルが左サイドに入り、セントラルにはジャカとラムジー。好調のアレクシス・サンチェスとエジルの前には、ウェルベックが選ばれました。得点王を狙うロメウ・ルカクにチャンスボールを渡さないためには、トム・デイヴィス、シュナイデルラン、グイェからのパスコースを遮断し、サイドで優位を築かなければなりません。立ち上がりから圧倒的なガナーズペース。右サイドのアレクシス・サンチェスとベジェリンの連携からクロスが入り、ウェルベックが走り込むもエヴァートン守備陣が必死にクリアします。

先制は8分。ラムジーとアレクシスがボックス左で短いパスを交換し、トム・デイヴィスのクリアが中途半端になったところをエジルがインターセプト。ゴールライン際からのグラウンダーをウェルベックが打ち損なうと、後ろからフォローしたベジェリンが右足インサイドでプッシュしました。ヴィカレージ・ロードでは5分にコンパニが先制したようです。プレミアリーグ4位を争うバトルは、リヴァプールとの一騎打ちか。14分、ここまで順調だったホームチームに事件が起こります。エネル・バレンシアのドリブルを、足の裏を見せて削ったコシールニーに一発レッド。危険なロメウ・ルカクはガブリエウとホールディングでケアしなければなりません。

エヴァートンのアタッカーで注意すべきは、ケヴィン・ミララス。19分にルカクにラストパスが通ったシーンはオフサイドでしたが、11番をフリーにすると一気にシュートまで持ち込まれます。20分に左に流れたルカクが、グラウンダーをトム・デイヴィスに合わせようとするもMFは走らず。22分にアレクシス。サンチェスがミドルを打つ瞬間に後ろから引っかけられ、右足の直接FKは壁を越えられません。26分にトム・デイヴィスが下がったのは、負傷か出来の悪さか。ロス・バークリーが入り、重心が前にかかると思われたエヴァートンは、28分に集中力を失い2点めを決められてしまいます。

エジルの落としを中央で受けたアレクシスが、自ら持ち込んでミドルを放つとDFに当たったボールがウェルベックへ。オフサイドと思ったエヴァートン守備陣は全員止まってしまい、ウェルベックのパスをアレクシス・サンチェスがフリーで流し込んで今季プレミアリーグのゴール数を24に伸ばします。ハル・シティVSスパーズでハリー・ケインが2発決めており、ルカクもアレクシスも得点王は難しくなりました。32分に左サイドからアレクシス・サンチェスが狙ったFKはGKロブレスがセーブ。37分にベジェリンが仕掛けたカウンターはクロスがうまく合わず、1分後にはエヴァートンが決定機を迎えます。ミララスの右からのシュートをチェフが弾くと、フォローしたロス・バークリーのキックはホールディングがブロック。混戦からのシュートはチェフが落ち着いてキャッチし、アーセナルは2点差をキープします。

43分に右からのクロスをルカクが頭で叩くと、チェフがバーの上にクリア。エネル・バレンシアのミドルはチェフがキャッチし、カウンターからのルカクの左足はガブリエウが足に当てます。前半はこのまま終了。マンチェスター・シティは前半だけで0-4とリードを広げており、リヴァプールはアディショナルタイムにワイナルドゥムが先制したようです。ハーフタイムの順位は、マン・シティが3位、レッズが4位でガナーズは5位。残り45分でボロが沈黙すれば、来季のアーセナルのステージはヨーロッパリーグとなります。

48分、アレクシスのパスを受けて右に出たウェルベックは、ロブレスとの1対1をGKにぶつけてしまい、こぼれ球に左足を振り抜いたエジルもGKにセーブされます。スライディングで足を痛めたガブリエウが担架で運ばれるとき、アンフィールドからコウチーニョが追加点を決めたというニュースが届きました。代わって入ったのは、何とメルテザッカー!今季プレミアリーグ初出場のCBは、FAカップ決勝でもプレイするのでしょうか。ララナのゴールが決まってガナーズの4位が絶望的になった57分、レイトン・ベインズのクロスをモンレアルが手で触ってPK。落ち着いて決めたルカクは、エヴァートンでの最後のゴールになるかもしれません。

67分、ホルゲートのクロスを頭で押し込んだエネル・バレンシアは、メルテザッカーへのファールでノーゴール。ジャカをコクランに代えたヴェンゲル監督は、アレクシス・サンチェスをイオビにチェンジします。他会場のスコアがわかっているベンチもサポーターも、何ともいえない弛緩した空気を漂わせています。75分にスルーパスで抜け出したエジルは、1対1をロブレスがストップ。静まり返っていたエミレーツは、85分にベジェリンとイオビが仕掛けたカウンターで湧きましたが、イオビのシュートがブロックされるとため息が広がります。イオビは87分にもロブレスと向きあいながら右足のシュートを止められ、勝負を決められません。91分、ウェルベックとのワンツーからエジルが巧みなドリブルでボックスに迫ると、パスを受けたラムジーが右足で巻いた一撃が左隅に吸い込まれて3-1。5連勝のアーセナルは、ヨーロッパリーグ出場権を手に入れて苦しかったプレミアリーグを終えました。

すべて2点差以上で勝った最後の5試合は、素晴らしかった。今、これ以外の言葉は浮かんできません。私たちは、アーセン・ヴェンゲルとアレクシス・サンチェス、メスト・エジルがともに戦う最後のプレミアリーグを観たのでしょうか。FAカップを制したとしても、21シーズンをアーセナルで過ごした指揮官はCLを逃した責任を感じてクラブを去るかもしれません。少なくないサポーターから、アウトといわれながらヴェンゲル監督が舞台を降りるとすれば、ただただ無念です。ここ数年で最高に充実したスカッドで、4位に入れなかった監督が職を追われることに、何の理不尽もないのがこの世界だとは重々承知してはおりますが…。

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“【Arsenal×Everton】遅かった5連勝…エヴァートンに快勝したアーセナルは、4位に届かず!” への10件のフィードバック

  1. runrun より:

    自分はグーナーではないですが1サッカーファンとしてアーセナルの連続出場記録が途絶えてしまったのは本当に残念に思っています。

    個人的にはヴェンゲルは解任して欲しくはないですね。

    長期政権を築いた後の監督選びは慎重に行わないといけないのはマンUを見れば明らかですし、今シーズンの最後に見せたようなサッカーを来季も継続していただいてヴェンゲルの勇退が見たいです。

    まあサポーターは我慢の限界が来ている方も多いと思うので、FAカップでチェルシーを倒してヴェンゲル勇退が現実的なのでしょうが。

  2. 麦茶 より:

    ガナサポとして言いたいことも色々ありますが、まずはお疲れ様でした。
    そして今季もポジティブかつ冷静に勇気づけてくれるブログを書いて頂いたこと
    本当に感謝しています。特にここ数ヶ月はこのブログが唯一の救いでしたw
    CL出場権を逃したことでFA優勝したとしても21年間楽しませてくれたヴェンゲルが
    多くのサポにリスペクトされないままクラブを去っていくとしたら本当に残念です…。
    こんな終わり方でいいのかな…と。何とも歯がゆいですね。。。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ギブスじゃなくてモンレアルですよ

  4. ミハル より:

    監督・選手ともに意地は見せてくれた。
    そう思える最後の5試合でした。それでも
    運命を他チームに委ねなくてはいけない状況に
    陥ったのが痛かったです。残るはFA杯決勝戦です。
    絶対に勝ってほしい。

  5. 肥高直樹 より:

    何年もプレミアでぱっとせず苦い思いをしてきました。しかしここ近年は素晴らしいですねスパーズは。来年こそリーグ優勝を果たしてもらいたいですね。また最低でも3位CLストレートイン簡単ではないですが期待してます。

  6. tomo より:

    runrunさん>
    まだ現実感がないです。ヴェンゲルさんを代えるとしたら、来季は正念場ですね。

    麦茶さん>
    感謝されつつ去るイメージしかしてなかったので、これが終わりならショックです。FAカップを制してくれれば、少しすっきりするかもしれません。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    すみません。予想スタメンの消し忘れでした…。

    ミハルさん>
    最後に強いアーセナルを見せてくれましたが、ほんの少し、遅かったですね。

    肥高直樹さん>
    強かったと思います。

    —–
    更新ご苦労様です。

    アーセナルはCL出場権を逃しました。それでも最終盤でプレミアは5連勝していますし権利を手にしたリバプールとの勝ち点差は1ポイントです。選手達の頑張りが結果として報われなかったことは残念ですがここ最近の報道は余りにも未来を悲観しすぎですよ。

    たかだか1シーズンCL出場権を逃しただけです。それほど大事ですか?騒ぎ過ぎです。

    あくまで問題なのは失った権利と立場を取り戻すためにクラブがいかなる考えでどんな行動を見せるかでありそれさえ示せば選手は残留しますよ。マン・Uやチェルシーから
    CL出場権がないことを理由に移籍した選手っていました?

    私はベンゲルはアーセナルからの契約延長オファーを断ってパリに向かうことになると予想しています。そしてアーセナルの新指揮官はローラン・ブランです。SDの招聘も
    あるかもしれません。いずれにせよ変革の夏になりそうですね。

  7. アイク より:

    いつも速報とは思えない充実の内容に感謝感嘆していますが、
    今回は特にサポーターの目線で、すごく面白かったです。
    複数の試合の行く末を見守り感じられたこと、興奮や落胆、衝撃をも実況的に盛り込まれていて、プレミアって面白いなと試合を観て、このブログを読んで、再確認しました。
    今シーズンも大変お世話になりました。

  8. 赤いたぬちゃん より:

    長いようで短いシーズンが終わりました。我らがアーセナルは5位、という不本意な結果で辛いシーズンでしたが、このブログは毎日の楽しみで、時に励まされ救われました。まずは本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。今後共応援しています。オフシーズン、そして、来シーズンも期待しています。

  9. ヤンガナ大好き! より:

    tomoさん>
    「クラブがいかなる考えでどんな行動を見せるか」が重要というお考えには賛成です。確かに、1季違う大会に出るだけといえばそうなのですが、21年弱の長きに渡って指揮を執り続けた監督が19年連続で出場していたCLを失うというのは、やはり重みがあります。選手では、アレクシス・サンチェスが不安です。

    アイクさん>
    こちらこそありがとうございます。アンフィールドから見ると、マン・シティとアーセナルがバタバタとゴールを決めたので、サポーターが顔をこわばらせて焦れてたんですよね。会場によってさまざまな雰囲気があるのが、最終節・同時刻開催ならではのおもしろさだと思います。

    赤いたぬちゃんさん>
    ありがとうございます。励みになります。オフシーズンの話題もしっかり追いかけますので、今後もぜひお立ち寄りください。

    —–
    まず、ホーム最終戦でガナーズが勝ったことをサポーターとして祝福したいですね。個人的に今シーズンはレッズの方がCL出場に相応しいチームだったと思っていましたが、ガナーズが最後まで夢を持たせてくれて嬉かったです。また、レッズを含めCL出場4チームには、来シーズンのヨーロッパの舞台でプレミアリーグの強さを是非とも見せ付けてほしいと思います。

    ガナーズはチームを変革すべき時期であることから、残念ながら今シーズン限りでチームを去ってしまうメンバーもいると思います。来期の新生ガナーズには新たに入ってくるメンバーも含め、全てにおいてチャレンジャーとして戦って欲しいです。

    最後の試合で久しぶりにベジェリンやイオビ、少しずつ落ち着いてきたホールディングの躍動を観て、彼らこそ来期、覚醒してチームの中心として活躍して欲しいと強く思いました。スポーツナビの中継はライトゲーム後の余韻やチームメンバーの勇士が観られず残念でした。もし、ベンゲルさんが今期で退任してしまうのであれば、本当に長きにわたりフットボールを楽しませてくれてありがとうございます、と言いたいですね。

  10. makoto より:

    ヤンガナ大好き!さん>
    いつも前向きなコメントをありがとうございます。最後のクダリには共感します。FAカップで、素晴らしいチームと監督であることを証明していただければと祈っています。

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