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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Middlesbrough】おめでとうリヴァプール!3-0完勝で来季のチャンピオンズリーグをゲット!

プレミアリーグ最終節、チャンピオンズリーグ出場権を手に入れるための決戦の地は、本拠地アンフィールド。対戦相手の19位ミドルズブラは、プレミアリーグ後半戦はサンダーランドに勝っただけの1勝7分10敗。マンチェスター・シティが2試合とも勝てなかったと聞くと不安がよぎりますが、レッズにしてみれば敵地で0-3と一蹴した相手です。マネとヘンダーソンは戻ってこられなかったものの、クロップ監督の11人はこれしかないと思える顔ぶれ。GKミニョレ、最終ラインはナサニエル・クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、ミルナー。中盤にはエムレ・ジャン、ララナ、ワイナルドゥムが入り、前線はコウチーニョ、フィルミーノ、スタリッジです。勝てば欧州最高峰の大会への3年ぶりの復帰が決まります。

ボロの布陣は…リストを見て、唖然としました。今季プレミアリーグで9ゴールのネグレド、4ゴールのデローンとストゥアーニが全員ベンチです。27ゴールしか決めていない貧攻のチームが、17ゴールを占める3人を引っ込めるとは。スタメンには、2ゴール以上を決めた選手がひとりもいません。私は、キックオフ前からレッズの4位以内を確信しました。ゲステデをめがけて上がるハイクロスの処理さえ間違えなければ、事件は起こらないでしょう。6分、コウチーニョの仕掛けからミルナーが左サイドを突破し、速いクロスがナサニエル・クラインへ。思い切りよく放ったシュートはゴール前を横切り左に外れますが、さっそく決定機です。試合の興味は、圧倒的に押しているレッズがいつ先制するか。ノースロンドンで状況をチェックしているグーナーに、朗報は届かないでしょう。

前節のウェストハム戦の後、クロップ監督が「下がれと指示した覚えはないけど、彼はあそこでプレイするのが好きみたいだね」と語っていたコウチーニョは、今日は意図的か、インサイドMFのポジションから鋭いクロスを何度もフィード。8割方ボールを支配しているレッズは、ワイナルドゥムとララナが何度もボックスに侵入してラストパスに反応しています。20分、左サイドからのコウチーニョのFKは、フィルミーノとワイナルドゥムのシュートが次々にDFにヒット。21分に左からのララナのクロスがカットされると、スタリッジが奪い返し、エムレ・ジャンがバーすれすれのミドルを放ちます。22分、フォーショーとのワンツーでデヤン・ロブレンの裏に入ったバンフォードは、後ろから手をかけた6番に倒されたように見えましたが、PKを示す笛は鳴りません。グーナーがざわめいた唯一のシーンの後は、レッズのクロスがボロのゴール前を横切り続けます。

短いパスの受け渡しでリズムを創ったララナが、スタリッジに縦パスを入れて打たせたのは32分。左隅を狙った一撃が枠を外れると、クロップ監督が何やら絶叫しています。ボロのアタックは単発で、マティプとデヤン・ロブレンが冷静に対応。サポーターの表情に焦りが浮かび始めた46分、レッズが待望の先制点を決めました。ナサニエル・クラインがフィルミーノに楔を入れると、絶妙なダイレクトパスでワイナルドゥムがフリー。ニューカッスルにいた昨季プレミアリーグに11ゴールを重ねた男はチャンスを逃さず、ニアに強烈なシュートを突き刺しました。大きな大きな先制点。ボロが追いつけるとは思えません。変わらずレッズペースで始まった後半、チャンピオンズリーグ出場権獲得を確実にする追加点は51分に決まりました。

距離があったFKでしたが、コウチーニョはGKの動きをよく見ていました。右隅をケアしていたグザンの逆を突くキックが左のサイドネットを揺らし、アンフィールドが歓喜に包まれます。プレミアリーグ5シーズンめで初めて10ゴールの大台に乗せたアタッカーは、直近9試合で7ゴールの荒稼ぎ。ボロは完全に意気消沈し、さらにレッズの時間が続きます。53分、ミルナーが左からえぐってフィルミーノがボレーを放つと、フレンドが必死のブロック。3分後、レッズのカウンターが炸裂しました。左から上がったララナがクロスを相手に当ててしまいますが、浮き上がったボールをヘディングで競って中央へ。ワイナルドゥムが頭で落としたボールを再度ララナがさらい、左足のシュートを冷静に右隅に流し込みます。SBのナサニエル・クラインがゴール前にスプリントしていたあたりに、この試合に賭ける彼らの執念が感じられました。

3-0になってもレッズは攻撃を止めず、コウチーニョ、フィルミーノ、スタリッジが次々とシュートを放ちます。73分にようやくネグレド…。ベテランストライカーがここからゴールを決めても、レッズの動揺は誘えないでしょう。マン・シティがヴィカレージ・ロードで5点を決めており、リヴァプールのポジションは4番めと決まっています。この素晴らしいチームで戦う感触を記憶に刻むかのように、レッズの選手たちは楽しげにアタックしています。ルーカス、アルベルト・モレノ、オリギが投入され、サポーターはタイムアップの笛を待つだけとなりました。スパーズは7ゴール、チェルシーとマン・シティは5ゴール、若手だらけのマンチェスター・ユナイテッドも2ゴール。各地で盛大なゴールショーが繰り広げられたプレミアリーグ2016-17シーズンの最終節に、胸躍るドラマはありませんでした。4戦連続のクリーンシートを達成したリヴァプールは、プレミアリーグ4位でシーズンを終えました。

無敗だった上位対決で自らの強さを確認しつつ、4戦して1点も獲れなかったセインツや2試合で6ゴールを奪われたボーンマスに優勝はまだ早いことを教えられたシーズン。それでも、胸を張ってチャンピオンズリーグに向かえるいい1年だったのではないでしょうか。手を胸に当て、スタンドを見上げるクロップ監督の笑顔が、実りある季節を過ごしたことを物語っています。プレミアリーグが新しい時代に入りつつあると示したのは、3-4-3のチェルシーや変幻自在のスパーズだけではなかったのだと思います。クロップ監督のゲーゲンプレッシングは、来季の欧州に爪痕を残してくれるでしょう。選手、スタッフ、サポーターのみなさん、おめでとうございます。レッズのゲームは、いつもエキサイティングで魅力的でした。来季もみなさんの後ろから、前に進むことを止めない「走るサッカー」を楽しませていただければと思います。

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“【Liverpool×Middlesbrough】おめでとうリヴァプール!3-0完勝で来季のチャンピオンズリーグをゲット!” への4件のフィードバック

  1. K より:

    本当に楽しい前半戦と連戦でメンバー落ちてからの厳しい2017年。長く短いシーズンでした
    1月の末期の時期も3月には戻ると自分に言い聞かせて応援してきた甲斐がありました
    選手の離脱でパフォーマンスは戻りませんでしたが、厳しい状況でも期待に応えてくれた全選手に感謝です
    予備予選もあるのでなんとも言えませんが、早くあの場所に戻りたいものです。補強も楽しみです

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    1点決まるまでは嫌な感じをしておりましたが、ジニのゴールが全てを吹き飛ばしてくれました。
    その後の展開はほぼ安心してみていられました。
    自陣からボールを奪った時の猛然とカウンターに加わるチームメンバーを観ていると、本当にクロップの戦術が浸透しているんだと改めて思いました。着実にステップアップしている感じを受けます。
    いよいよ欧州の舞台復帰ですね。これからの補強戦略が楽しみです。

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。
    そして、今季もブログ更新して頂きありがとうございました。

    前半、ちょっと入れ込みすぎの状態で嫌な空気が流れつつ、マン・シティは圧倒的、アーセナルも2-0というスコア…、やばいと脳裏に浮かび始めた時にジニのゴール!!という感じでした。
    ジニは大舞台に強い感じがしますね、マン・シティ戦でもチェルシー戦でもここぞというときに決めてくれました。
    これで念願のCL権獲得、今後の補強とともに来季どのようなチームになるか今から楽しみです。
    少し気になったのは、ルーカスへのシュートコールと、ミルナーを下げてのキャプテンマーク…、現地ではルーカスは退団する感じなのでしょうか…?
    しょうがないと思いつつ、ジェラード、カイト、アロンソの現役引退に加え、ルーカスも退団となれば、レッズの一時代は完全に終わりとなりそうです。
    一抹の寂しさを感じつつ、新たなアイコン、コウチーニョとともに強いレッズを期待します。
    今季は満足、来年の飛躍を期待です。

  4. makoto より:

    Kさん>
    おもしろいシーズンでしたね。「3月以降上がってくるはず」と再三おっしゃっていたのはよく覚えております。そのとおりでした。さすがです。

    Mackiさん>
    フィルミーノ、コウチーニョ、マネ、ワイナルドゥム、ララナは、このサッカーに必須の得がたいタレントですね。カウンターは脅威です。

    nyonsukeさん>
    こちらこそ、落ち着いたコメントをいつもいただき、ありがとうございました。励みになりました。無理めのクロスが多かった時間帯はあったものの、どこかで絶対決まると思いながら観てました。ルーカスは、シーズンが終わった後話をするといっていたので、退団の可能性があるからという計らいではないでしょうか。CL出場権を獲得できたので、来季、楽しみですね!

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