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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Liverpool】まさかの5-0!マネ退場のリヴァプールがマン・シティの猛攻に屈す!

南米出身選手が多いマンチェスター・シティは14人で10万7000マイル。リヴァプールは18人が7万8000マイル。ワールドカップ予選を戦うために世界中を駆け回っていた各国の代表選手たちが、プレミアリーグの舞台に戻ってきました。エティハドに乗り込んだリヴァプ―ルは、2015-16シーズンのマン・シティ戦で3-0、4-1のダブルを達成。昨季プレミアリーグでも1勝1分としばらく負けていない相手です。大黒柱のコンパニを欠いたペップは、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、オタメンディの3バックをチョイスしてきました。GKエデルソン、アンカーにフェルナンジーニョ、インサイドにはダヴィド・シルヴァとデブライネのプレーメイカーコンビ。WBにダニーロとバンジャマン・メンディが入り、アグエロとガブリエウ・ジェズスの2トップです。

対するレッズは、ミニョレの前にアーノルド、マティプ、クラヴァン、アルベルト・モレノというやや不安な顔ぶれです。ヘンダーソン、ワイナルドゥム、エムレ・ジャンの好調3センターに、サラー・マネ・フィルミーノの3トップは万全の構え。攻めて勝とうとするクロップ監督に対して、ペップは中盤の厚みで対抗します。キックオフから押していたレッズに対して、マン・シティが3分に反撃。デブライネが右から入れたFKにガブリエウ・ジェズスが先着しますが、薄く当たったヘディングは左にアウト。ホームチームの7分のカウンターは、単独で持ち込んだデブライネのミドルをミニョレがキャッチします。13分には、コースが空いたのを見てとったフェルナンジーニョが遠めから左隅を狙いますが、ミニョレが冷静に弾き出してCK。ポゼッションが高いレッズに対して、マン・シティは速攻で対抗しています。

24分、リヴァプールは危険なデブライネにラインの乱れを突かれてしまいました。中央からアグエロへのスルーパスが通った瞬間、クラヴァンが残っており笛は鳴らず。ミニョレを抜き去って無人のゴールに流し込んだ10番は、今季プレミアリーグ2ゴールめです。29分、レッズに初めての決定機。マネのスルーパスで右から抜け出したサラーは、エデルソンとの1対1で読みやすいシュートを打ってしまい、右手で弾かれます。34分にクラヴァンがボール処理をもたつくと、奪ったガブリエウ・ジェズスがボックスに侵入して3人に囲まれながら右足でシュート。体を張って止めたミニョレは、直後のCKのこぼれ球を左足でプッシュしたジョン・ストーンズの一撃も足でストップします。

事件が起こったのは、37分でした。マティプがラインの裏に出したロングフィードにエデルソンとマネが同時に追いつくと、足を伸ばしてトラップしようとしたマネのスパイクの裏がGKにまともに入ってしまいます。19番は一発レッド、エデルソンはリタイア。長い治療の後、ペップはブラボにゴールマウスを託します。48分にデブライネの右からのクロスをヘッドで叩いたガブリエウ・ジェズスは、オフサイドでゴールを認めてもらえませんでしたが、2分後にデブライネが上げた左からのピンポイントのボールは確実に頭で押し込みました。前半は2-0。10人で2点差を追うクロップ監督は、後半頭からサラーをチェンバレンにチェンジ。縦に抜けるところまではよかったものの、ラストパスもフィニッシュも冴えなかったエジプト代表のウイングは、今日の出来では代えられても仕方がありません。

アグエロのゴールがオフサイドを取られた直後、53分にレッズは致命的な3点めを許します。DFからのボールを受け、振り向きざまにワンタッチで見事なスルーパスを出したのはフェルナンジーニョ。エムレ・ジャンとマティプはアグエロとガブリエウ・ジェズスにきれいに置いていかれ、ミニョレとの2対1からアグエロが脇に流したボールを20歳FWが軽く押し込みます。ガブリエウ・ジェズスがお役御免でサネに代わると、クロップ監督はワイナルドゥムをミルナー。昨季プレミアリーグで上位に無敗だったレッズは、弱点ばかりが目立つ試合となってしまいました。

65分に縦パス1本でサネが左サイドを突破し、フリーで走り込んだデブライネのボレーはバーの上。67分にフィルミーノがソランケに代わったのは、エースの温存と若手の経験値UPという意図でしょう。ペップはイエローを1枚もらっているオタメンディをマンガラに交代。アーノルドのサイドは破られ放題です。77分、左から上がったサネがオーバーラップしたメンディに預けると、完璧なリターンを左足で合わせて4点め。チェンバレンは、直近のプレミアリーグ2試合で8つの失点を見送ったことになります。ゆっくりボールをまわして時間を遣っていたホームチームは、91分にとどめの1発を決めて試合を終わらせます。カイル・ウォーカーのパスを受けて左足で巻いたサネのミドルはパーフェクトでした。5-0、マンチェスター・シティが予想外のワンサイドで10人のリヴァプールを下しました。

サイドアタックの徹底度が高いチームに対して、SBが脆いとここまでやられると思い知らされた一戦。判断ミスを犯したマネの退場が勝負の分かれ目となったのは確かですが、アーノルドの集中力の低さとクラヴァンのポジショニングの悪さが、5失点惨敗の導火線となりました。デブライネとアグエロはキレキレ。ベルギー代表のプレーメイカーがタクトをとり、プレミアリーグにフィットしつつあるバンジャマン・メンディやレロイ・サネが仕掛ける左からの強力なアタックは、ポジショニングミスや軽いタックルをゼロにしなければ防げないと思われます。負けるべくして負けたレッズは、CLのセヴィージャ戦とプレミアリーグのバーンリー戦に向けて気持ちを切り替えたいところです。コウチーニョの復帰、左SBミルナー復活、チェンバレンのフィットなど、戦力を高められる材料はないわけではありません。それにしても、ショッキングな結末でした。さすがペップ、モウリーニョ監督のチームよりも圧倒的に戦術的かつ機能的です。

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“【MAN.CITY×Liverpool】まさかの5-0!マネ退場のリヴァプールがマン・シティの猛攻に屈す!” への14件のフィードバック

  1. トーレス より:

    更新おつかれさまです。
    先週と今週でレッズの強みと弱みがハッキリした
    展開でしたね。エースの退場という痛恨のアクシデント
    があったとはいえ、攻めは強いが守りは穴だらけなのに
    ろくな選手の補給もしなかっためそのツケを払わされた
    結果になりましたね。惜しむらくはこの試合が
    移籍終わる前であれば少し違ったんでしょうか?
    先週のアーセナル戦での快勝と1年目の監督の
    試合が多く運もあった先シーズンの上位対決の無敗で
    無駄な自信でもあったのでしょう。
    わずか3試合目にして今シーズンの補強の失敗と
    プレミアのタイトルを狙えるチームでは
    ないことがハッキリしてしまいました。
    意識を変えることと適材適所の戦術ができれば
    アーセナルの方がまだ未来は明るいですね。
    1人いなくなっただけで全く機能しなくなる戦術に
    プランBもなく守りきれる選手もなく層も薄い
    ホントどうするつもりなのでしょうか?
    今シーズンも良くて4位が限界でしょうね。
    ホントガッカリです。

  2. シティふぁん より:

    先制点と退場がターニングポイントでしたね
    序盤はリバプール優勢でしたが結果は5-0
    リバプールは1人少ないとはいえ簡単に裏を取られたりフリーにさせすぎでした
    エデルソンの怪我が大事ではないようで良かったです

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    いやー完敗です。ご指摘の通りSBとCBが脆かった。アーノルドは苦い結果となったでしょうね。CLはミルナーがこのポジションを守っているかもしれません。マネ退場時点で勝負は決していたかもしれません。ペップ采配に見事と白旗を上げて気持ち切り替えていくしかありませんね。エデルソン怪我が大事なくよかったです。

  4. やすし より:

    マネは故意ではないでしょうが、足をあげてしまったのが印象が悪かったですね。
    お互いにボールを全力で追いかけてのプレーだったので仕方はありません。ただあのエデルソンの勇気あるプレーがなければ1対1で失点しかねない場面だったので今日の勝利は彼によるものだったでしょう。ともあれ、終了間際にスタジアムに現れて安心しました。軽傷であることを祈ります。
    リバプールは守備が酷すぎました。アーノルドがいいようにやられ、クラバンマティプにやる気が見られなかった気がします。退場がなければどうなっていたか分かりませんが、あの守備でプレミア優勝はあり得ないでしょう。冬の市場でファンダイクあたりをとる必要があると感じました。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    いまのエティハドでビハインド背負った状態かつ1人少ない状況で頑張れるチームがあるのかなぁ
    デブライネ、シルバの中盤の前には数的不利になった時点で絶望的に回されるだけ
    ましてやATに2点目取られればその時点で白旗
    CLを見越してサラーから主力を下げたクロップの采配は敗戦処理としては完璧だと思いました
    あの展開で選手たちにもっと頑張れとは私は言えないですね

  6. yuto より:

    エデルソンは重症ではなかったようですね。ブラーボになるだけで危なっかしさが増しますから、CLを見据えては朗報です。
    しかし、デブライネが本当にとんでもないプレーを連発させていますね。
    ある程度のスペースが与えられる強豪相手であればデブライネ、シルヴァの輝きが増してライバルチームながら観ていてワクワクが止まりません。
    マンシティの攻撃陣を止められるチームはどこかと考えるとチェルシーというかカンテくらいかなと思えてしまいます。

  7. Motsuki909 より:

    更新お疲れ様です。

    完敗でした。
    先日の優勝争いできるコメントを早くも取り下げなければなりません。
    スタメンを見た時から、アーノルドは仕方ないにしてもモレノとの両翼、そしてなぜクラヴァンなのか心配でしたが、その不安が見事に的中し、レッズの弱点市のような試合でした。
    確かにマネの退場で試合終了でしたが、その前からDFラインはやられ放題、あまりにも簡単にやられた1点目がなければマネもあそこまでがむしゃらにいったのかと思うほど、DFの脆弱さが破壊力ある攻撃陣に影響した典型的な負け試合だったと思います。
    また、クロップ監督が今後の試合日程を考慮して前半で白旗を上げ敗戦処理に徹したとしても、5‐0は酷すぎで監督の割り切りが選手に伝わっているのかが心配です。
    クロップ監督はどんな試合でも途中で諦めるような采配はしないと思っていましたが、スタリッジではなくチェンバレンが出てきたことはファンにもわかる試合終了のホイッスルでした。
    CLが頭にあったのでしょうが、であれば5‐0ではなく2‐0で抑えるべきであったし、クロップ監督らしくない(ペップシティがすごすぎた?)、とても残念な試合でした。

    開幕からヘンダーソンより前線のスタメンは変わらないのに、ターンオーバーが必要と感じない試合でもDFとGKは試合ごとに変わっている…、これが弱点を克服できていないなによりの証拠でしたね。
    たかが1敗、されど1敗で、この敗戦をたかが1敗と切り替えて今後の試合に臨むメンタリティとこの敗戦から何かを変える決断力が問われていると思います。
    最も痛いのは新エースと名乗りを上げたマネが3試合出場停止であること…。
    ポジティブに考えるなら、コウチーニョが復活する舞台は整ったということでしょうか。
    DFの強化はもう無理でも、前線に司令塔を置くことはできます。
    ただその司令塔のモチベーションが心配ではあるのですが…。

    —–
    まずはエデルソンが無事で何より。この1試合だけを以って、リヴァプールに何から何まで最悪だったと結論付けるのは、さすがに時期尚早です。他の方のコメントにもありましたが、リヴァプールを除くTOP6相手に、前半の内から数的不利&ビハインドを背負って戦えるチームは皆無に近いと思います。

    これも他の方のコメントと同じく、後半スタートからの交代策は完璧に近かったと思います。得失点差はもちろん大事ですがら最終的には勝ち点差。どのみちシティは大量得点による得失点差を叩き出せるチーム。リヴァプールが+5を提供し、-5を突き付けられても、大勢に影響は少ないはずです。それぐらいの感覚で処理しなければ、なかなかサポーターとしては切り替えづらいところ。

    惜しむらくは、スタメンの11人。今季はローテーションを試験的に導入している気はしますが、前線ならまだしも、成熟度が必須のDFラインには不向きでしょう。SBはCB以上に運動量が必要ですが、攻撃力のあるチーム相手には相応の守備力があるSBを起用すべきでした。アーノルドにしてもモレノにしても、「攻撃は最大の防御」を体現できるレベルには無いはずです。

    いずれにしても、マネの3試合以上の出場停止は決定的でしょう。コウチーニョが上手く合流させるか、ソランケをセンターで使うか、オプションは様々あるかと思います。クロップの采配により、このゲームは諦めますよ、という事が明確だった分、いくらか精神的なダメージが軽減されているなら御の字です。気持ちを切り替える事が何より大事です。2試合で9失点のチェンバレンは気の毒ですが。

  8. シャーザー より:

    今日もデブルイネがやばいレベルのプレーを披露してましたね・・・
    そして新戦力のメンディも前評判通り守備能力は不安ですがクロス精度凄かったです
    ダニーロがスタートからCBもやり途中からはボランチまでやったのは驚きました
    ダニーロを獲得した時から彼はマルチな役割ができるとペップは言っていましたしポルト時代は中盤もやってたのでいつかやるとは思っていましたがこの試合でいきなりやるとは・・・
    相手が少なくなった今日の一試合で判断はできませんが悪くなかったと思います、特に中盤起用は新たなオプションとしてシティに選択肢を与えそうです(さすがにCBはまだ少し怖い)
    エデルソンも重症にならなくてよかったです、シティからしたらネガテイブな要素は前半のオタメンディの出来ぐらいでしょう、ストーンズは完璧な出来だったと思います

  9. makoto より:

    トーレスさん>
    クロップ監督が、どういうやり方で課題解決に向かうのかをウォッチしたいと思います。昨日はさえなかったものの、攻撃陣が素晴らしいのは確かで、優勝争いには遠く及ばないというほどのレベルではないと思います。

    シティふぁんさん>
    そうですね。途中からは、メンタルの差が如実にクオリティに出ていたと思います。

    Mackiさん>
    勝てない点差になって切れてしまった、という面もあるのかもしれませんが、厳しかったですね。エデルソンは、私もほっとしてます。

    やすしさん>
    おっしゃるとおり、マネが先に触っていれば同点もありえただけに、いろいろな意味でターニングポイントでしたね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    クロップさんの采配は同感です。割り切って取れる果実を取りにいきましたね。

    yutoさん>
    エレーラとマティッチを密着マークにまわして、アンカーはキャリックでいかがでしょう?(笑)

    nyonsukeさん>
    レッズの弱点市のような試合⇒そうでしたね。ここはチェンバレンとコウチーニョにがんばってもらわないといけませんね。

  10. makoto より:

    Motsuki909さん>
    共感できるポイントがいくつかあります。アーセナル戦で強さを確認できた後、早いうちに膿が出たのは悪くないことで、アクシデントのせいにできることもあって絶望的になるような試合でもなかったかと思います。

    シャーザーさん>
    ダニーロ、おもしろいですね。左をやっているところを見てみたいです。ジョン・ストーンズはこういう試合を経て自信を取り戻せるといいですね。

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    リバプールの戦力ではCLとの両立は無理でしょうね

  12. ユナイテッド より:

    リバプールは流石に守備陣に問題がありますね…
    いくら1人減ったとはいえ、5失点していい理由にはなりません。
    ここからCLも入ってくることを考えるとかなり厳しいですね
    ただシティもそこまでディフェンスラインの層は厚くないのでペップの采配に注目ですね

  13. タムコップ より:

    シティは強い、強かった。
    マネの判定については色んな見方があるとは思うものの、アーノルドの若さとクラヴァンのスピード不足、そこを補うべき中盤スペースでの主導権争いで、シルヴァ&デ・プライネ相手にヘンド&ジャン、ワイナルドゥムも完敗。
    前半最後の2点目が決まった時点で勝負アリでしたねー。

    こういう時に助かるのがすぐミッドウィークに試合があること。
    今抱えているウィークポイントをストロングポイントで上回れるか。
    注目のセビージャ戦になります。

    しかしシティは強い。
    レッズのヘボさも味方したとはいえ、プレミア特有の縦への推進力にプラスオンして中盤のコンダクターがここまで機能するとなると、今季の覇権争いオッズは当面トップを維持するでしょうね。

  14. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    コロ・トゥレやルーカスのように、自分の役割を淡々とこなせるベテランがサブにほしいです。

    ユナイテッドさん>
    途中で捨てた感はあったので、3-0だったと思って切り替えるしかありません。メンディ、ダニーロ、ジョン・ストーンズが計算できるようになってきているので、マン・シティは怖いです。新戦力は、プレミアリーグになじむのに時間がかかってくれればと密かに祈ってなのですが、いやー。

    タムコップさん>
    デブライネが凄すぎました。このうえは攻め勝つしかありませんね。CBに仕事をまわさないように。

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