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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Leicester×Liverpool】これぞレッズ!のスリリングな攻め合い。自作自演のミニョレは要反省!

ミッドウィークのカラバオカップは、レスターが2-0。敗れたリヴァプールは、プレミアリーグ6節もキングパワースタジアムでのアウェイゲームとなります。岡崎慎司が好調なレスターが連勝か、レッズがリベンジを果たすのか。クロップ監督は、現在の最強メンバーを選んでいます。GKミニョレ、DFジョー・ゴメス、マティプ、デヤン・ロブレン、アルベルト・モレノ。中盤はヘンダーソン、エムレ・ジャン、ワイナルドゥムで、サラー、フィルミーノ、コウチーニョの3トップ。ヴァーディ、岡崎慎司、マフレズが前線に揃うレスターも、納得のメンバーです。

レッズのアグレッシブなアタックで始まったゲームですが、6分にレスター得意のカウンターが作動します。ハーフライン過ぎにいた岡崎慎司がヴァーディを走らせる浮き球の縦パスを通すと、左から一気にゴール前まで運んだエースが右足でシュート。ミニョレが弾くと、フォローしたマフレズのボレーは高く浮いてしまいました。レッズの決定機は13分。左のアルベルト・モレノから、コウチーニョ、サラーとつながったボールがエムレ・ジャンに渡ると、地を這うようなミドルは左のポストを直撃。リバウンドがサラーの正面にいきますが、慌てた11番は枠に入れるだけのキックをポストの右に外してしまいます。しかし15分、左サイドのコウチーニョが上げたクロスを、難しい角度からヘディングで押し込んだのはモハメド・サラー。リヴァプールが、3日前の試合では決められなかった待望の先制点をゲットしました。

17分、早く追いつきたいレスターにチャンス到来。ミニョレに迫ったヴァーディがキックを足に当てると、すぐ後ろにいた岡崎慎司がダイレクトでシュート。ボールは無人のゴールにまっすぐいかず、GKに触って右に逸れてしまいました。23分、レッズの追加点は感動的なスーパーショット。ボックスの外、やや左からの直接FKを完璧なカーブをかけてサイドネットに突き刺したのは、やはりフィリペ・コウチーニョでした。名手シュマイケルも及ばず、レスターには苦しい展開となりました。前半のうちに1点でも返したいホームチームは、チルウェルやマフレズが危険なクロスを入れますが、レッズの最終ラインとミニョレが冷静に対応しています。

40分、左からのFKをマグワイアがヘッドで落とし、飛び出した岡崎慎司がミニョレの脇を抜いてネットを揺らしたシーンは、裏に出たときはヘンダーソンと並んでいましたが、蹴った瞬間をオフサイドとしたのでしょう。42分にコウチーニョがドリブルで仕掛けた速攻は、エムレ・ジャンが左に流したラストパスをフィルミーノがクロスに狙うも惜しくもポストの外。47分のマフレズの低いFKは、ヴァーディのヘッドをミニョレが左手一本のビッグセーブで阻みます。しかしその1分後、レッズが苦手なセットピースをレスターが活かしました。競り合いのこぼれ球に足を伸ばして、ぎりぎりで押し込んだのは岡崎慎司!日本代表FWの今季プレミアリーグ3点めは、最高の時間帯に返した貴重なゴールです。ハーフタイムで1-2なら、どちらが勝つかまったくわかりません。

46分、レッズの波状攻撃。ヘンダーソンが右からファーに通したクロスをエムレ・ジャンが頭で逸らし、コウチーニョがボレー。当たりはよかったものの、シュマイケルの正面にいってしまいました。50分を過ぎるとレスターのペースとなり、レッズの最終ラインが下がり始めます。レッズのチャンスの芽は、サラーの突破とヘンダーソンのロングフィード。55分にコウチーニョが蹴ったCKは、マグワイアに抱えられたデヤン・ロブレンがファールを主張しますが、当然のようにイエローカードが掲げられただけでした。

フィルミーノのミドルがバーを越えた後、61分にデマライ・グレイと代わったのは好調岡崎ではなくマフレズでした。クロップ監督は、65分にフィルミーノをスタリッジ。互角のゲームは、次の1点が大きな意味を持つでしょう。66分からの攻防が、勝負のターニングポイントとなりました。デヤン・ロブレンの縦パスを左サイドで受けたコウチーニョがアルベルト・モレノを走らせ、ゴールラインからの折り返しにサラーが反応するもDFがブロック。ここからオルブライトンにつながった速攻は、中央に斬り込んだ11番が左のヴァーディに完璧なラストパスを通しますが、決まったと思われたシュートにマティプが飛び込み、同点を許しません。一気に攻め落とそうとしたレスターは、上がっていたCBマグワイアがインターセプトされたのが痛恨でした。スタリッジが持ち込んだカウンターは3対2。左でパスを受けたヘンダーソンは、冷静な切り返しから完璧なシュートをゴールに流し込みました。

しかしこの1分後、オルブライトンのクロスがファーでフリーだったデマライ・グレイに届き、ボレーはミニョレが弾いたものの、フリーのヴァーディがリバウンドを頭で押し込んで2-3。さらに72分、アンディ・キングの縦パスでミニョレとヴァーディが交錯すると、キックミスしながらボールには触っていたGKの足がストライカーを引っかけたと取られる微妙なジャッジでPKとされてしまいます。ところがここは、プレミアリーグNo.1のPKストッパーの面目躍如。ヴァーディが正面に蹴ったシュートを右に弾き出し、自作自演のクライマックスシーンを一段落させました。74分に岡崎が下がってイヘアナチョ。エムレ・ジャンに代わって入ったミルナーは、中盤を落ち着かせるのがミッションでしょう。

78分、コウチーニョをチェンバレンが、クロップ監督の最後のカード。勝たなければならないシェイクスピア監督は、オルブライトンをイスラム・スリマニです。82分、振りが速いスタリッジのミドルはシュマイケルがセーブ。左サイドを突破したチェンバレンがワイナルドゥムに落とすと、ダイレクトショットは右に切れていきます。イヘアナチョは、まだこのチームの一員になっていません。5分の追加タイムの大半を、レッズはボールをキープして過ごしました。最後のFKでシュマイケルまで上がったレスターは、シュートを打てずにタイムアップの笛の音を聞きました。

これはこれで、レッズの典型的な勝ち方のひとつ。サポーターのみなさんはさぞやきもきしたのではないかと思われますが、最高におもしろい一戦でした。マンチェスター・ユナイテッドの後に観たので余計に気になりましたが、レッズの最終ラインはCBが簡単に外に出張りすぎるのと、クロスの際にMFの引きが甘くシュートレンジにスペースができるのが気になりました。フットボールのクオリティ観点では、MVPは超絶キックのコウチーニョや効果的な攻め上がりを見せたエムレ・ジャンが候補ですが、エンタメ観点では間違いなくミニョレです。PKストップは、さすがのひとこと。尤も、その前のボールをセーフティに脇に蹴り出していれば、この試合のハイライトシーンをひとつ減らすことができたのですが…。チームの勝ち点とサポーターの心臓を脅かすスリリングすぎる演出はかなり危険度が高いので、モスクワとセント・ジェームズ・パークでは自重していただくよう、お願い申し上げます。

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“【Leicester×Liverpool】これぞレッズ!のスリリングな攻め合い。自作自演のミニョレは要反省!” への8件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    この試合の審判下手すぎるでしょう…
    名前を覚えておいたほうが良さそう
    レスターにとってもリバプールにとっても疑問符がつく裁定連打
    まぁそこで落ち着かせられないでむしろさらにバタバタするのを促進するのがリバプールらしいですが

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ニュートラルなプレミアファンの方々は面白いゲームだったと思います。レッズサポとしては、終始緊張しっぱなしのゲームでした(苦笑)
    ミニョレ劇場にはハラハラドキドキし極め付けはPKストップでしょうか。深夜にもかかわらず大きな声を出してしまいました。
    コウチーニョも身体の切れが戻りモスクワが楽しみなのと、スタリッジのコンディションが良い状態をキープしているのがさらに前線の層を厚くしていると感じます。そして次節からはマネが帰ってきます。さらにチームの厚みが増してくれることを期待します。

  3. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    1-3とした後に落ち着かせることができず、難しい試合になりましたね。

    Mackiさん>
    前の選手は相変わらずいいですね。CL、楽しみです。

  4. Motsuki909 より:

    仰る通り、ハラハラドキドキしっぱなしのゲームでした。カップ戦で敗れた直後の同カードでしたが、メンバーが全く違うので別物になると考えていました。

    結果から言えば、今日は内容よりも結果を求めていたので、これはこれで満足です。リヴァプールサポとしては、コウチーニョの活躍には感動しました。あのFKは完璧でした。サラーに合わせたクロスも見事で、PSMから感じていた2人の相性の良さは本物だと思いました。

    DF面に関しては相変わらず。ロヴレンのイエローは頂けません。いっその事、3点取られても4点取るチームに指針を振り切るのはどうか、とも思います。今期はターンオーバーの甲斐もあり、スタリッジはじめ前線の稼働率は悪くないので、余計にそう思ってしまいます。個人的には、自分がGKをしている事もあり、2つの失点シーンとPK献上シーンはミニョレを酷評できません。CK時、キーパーチャージを取られるべきでしたが、岡崎との身長差をアドバンテージに見なされてしまった気がします。PKを取られたシーンも、蹴り損ないとはいえ、触っているのにファウルの判定は不可解です。その後のPKストップもあり、勝ったからこそ良かったものの… という印象です。

    CLもあるし、怪我人も帰ってくるし、10番も復調しているし。明るい材料も多いので、あと数試合ほどは内容より結果重視で良いのかな、と思っている次第です。

  5. グッチ より:

    失点数がシャレになりません。
    マンチェスター勢が2で、レッズが11とは・・・
    到底タイトルを狙えるようなチームではありません

    —–
    リーグ優勝狙うのは難しいのが非常に明確になった試合だと思いました。どこまでも攻めるしかない、殴りきるしかないと。まあ見てるぶんには眠気の無いチームなのも相変わらずであり、層の厚くなった前線でなんとかするしか無いですね。

    >Motsuki909さんが仰るように、結構な方が「キーパーチャージだ。」と岡崎の得点にコメントしているのですが(このサイトに限らずです)、1997年にキーパーチャージがルールから消えた後はどのようにキーパーとの競り合いを現場が裁いているのか気になります。GKが「自チームPA内で手の使えるフィールドプレーヤー」という位置付けならば競り合い時の問題は無いかと思います。(純粋にユニフォーム引っ張るファウル等は考えるべきですが)

  6. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    おかえり!コウチーニョ!と満足してみれたのは、岡崎の得点が認められるまででした。
    リトルマジシャンの帰還を素直に喜べない試合内容でした。
    結局、主様が先日マネ不在の影響をレポートして頂いた際に、得点した後の試合の進め方が課題とご指摘頂いた通り、失点後の後半、なぜあんなにバタバタしなくちゃいけなかったのか疑問です。
    私は昨季アフリカネーションズカップでのマネの不在時と今月の課題は少し違う気がして、昨季よりは攻撃の形は作れていると思います。
    問題は守備も含めた時間の使い方、自分たちの時間を多く作るクレバーさかと。
    しかもそれは8月にはできていたと思います。
    DFの問題はかなり重症なので練習で改善するにしても補強するにも時間がかかりますが、前線の層やバリエーションは格段に増えているので、今は殴り勝つ試合を一試合でも多くするしかありません。
    マネのサスペンションも終わり、モスクワでは爆発してくれるでしょう。
    策士ベニテス、最強の矛と盾をもつマン・ユナイテッドと殴りあう準備を進めるしかありません。
    本音では殴りあうにしろ自分たちのミスでの失点ではなく、相手とがっちり組み合い、甲乙つけがたい横綱同士の試合を見たいのですが…、今季は難しいようです。

    最後に、コウチおかえり、FK絶品でした。

  7. KK より:

    私はクロップのリバプールに満足です。

    毎試合の全力プレーは学生サッカーの様に清々しく、楽しいです。

  8. makoto より:

    Motsuki909さん>
    「3点取られても4点取るチームに指針を振り切る」→私もこれを期待しています。SASのチームがそうだったように、守備に長けたチームをちぎりまくって優勝するチームを見たいです。最近、ないので。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    まだ6節ですので…。

    グッチさん>
    私はファールではないと思って見ていました。グッチさんのおっしゃるとおり、「自チームPA内で手の使えるフィールドプレーヤーという位置付けならば競り合い時の問題はない」のですが、保護されている感はありますよね。

    nyonsukeさん>
    絶品でしたね。「今は殴り勝つ試合を一試合でも多くするしかありません」→そうですね。前で守ることで奪った後の得点率を高める、というのが基本ではないかと思います。

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