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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×MAN.CITY】スターリングを止められず…エメリ監督の初陣は昨季王者に0-2完敗!

プレミアリーグ2018-19シーズンの開幕節で、最注目のドローはエミレーツで行われる一戦です。エメリ新監督のアーセナルVSペップが君臨する最強マン・シティ。新生ガナーズは、3バックで戦った昨季プレミアリーグの開幕戦から7人が入れ替わっています。GKチェフ、DFベジェリン、ムスタフィ、パパスタソプーロス、メートランド=ナイルズ。セントラルMFはジャカとグエンドゥジ、2列めはラムジー、ムヒタリアン、エジル。最前線は、昨季プレミアリーグで13試合10ゴールのオーバメヤンです。対するマンチェスター・シティは、デブライネとダヴィド・シルヴァの2枚看板を欠いています。エデルソン、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ラポルテ、バンジャマン・メンディ、フェルナンジーニョ、ベルナルド・シウヴァ、ギュンドアン、マフレズ、アグエロ、スターリング。プレミアリーグアシスト王はベンチスタートで、劣勢となれば後半の早い時間に出てくるものと思われます。

期待通り、序盤から激しく攻め合う展開が続きます。8分にマフレズがカイル・ウォーカーを縦に走らせ、右サイドを完全に崩すと、高速グラウンダーはチェフがセーブ。2分後に巧みなステップでムスタフィを抜き去ったスターリングは、チェフと1対1になったものの角度がなく、左足シュートを弾かれてしまいます。マン・シティは自分たちのペースだった時間帯で、あっさり先制点をゲットしました。14分、ボックスの角にいたスターリングが中に斬り込み、ベジェリンとグエンドゥジを軽くかわして右足でシュート。さほど厳しいコースではありませんでしたが、チェフは手を出せず、呆然とボールを見送りました。

21分、メートランド=ナイルズのハイクロスをベジェリンがトラップしてメンディを抜き去り、右足で強烈なシュートを放つとエデルソンがセーブ。27分、ジャカの危険なボールロストから3対3にされると、パパスタソプーロスがアグエロを倒してFKを取られます。ボックス手前からのマフレズのキックはチェフがストップし、こぼれ球に飛び込んだラポルテのシュートも守護神が手に当てました。33分、右サイドを突破したラムジーがエジルに預け、10番からミキにパスが出ますが、惜しくも打ち切れず。足を痛めたメートランド=ナイルズは走れず、35分にリヒトシュタイナーに後を譲ります。思わぬ形でプレミアリーグデビューとなったスイス代表SBは、やっかいなマフレズを止めなければなりません。

チェフのパスが危なっかしく、自陣で奪われるシーンが目立つアーセナル。42分に右からマフレズが仕掛けると、ファーを狙ったシュートはポストの外に切れていきます。45分、ミキが左のオーバメヤンにロングパスを通すと、右足のミドルはニアポストの外。ミキがメンディから奪ったショートカウンターは、ラムジーとのワンツーでボックス右を突破するも、クロスを中に入れられません。前半は0-1のまま終了。後半もマン・シティがボールを支配し、アーセナルは速攻のチャンスを窺っています。50分、バンジャマン・メンディのミドルがDFにヒットし、アグエロのシュートは大きく右にアウト。ホームチームは、ファイナルサードに持ち込むことができません。

エメリ監督は55分にラムジーを諦め、ラカゼットを投入。ミキからオーバメヤン、ラカゼットとつながったチャンスは、右隅を狙った9番の一撃がポストをかすめます。59分、マフレズが下がり、ケヴィン・デブライネが登場。プレミアリーグNo.1のプレーメイカーがピッチに入ると、エミレーツのスタンドは一斉にブーイングを浴びせます。63分、グエンドゥジがトラップミスしてボールを後ろに逸らすと、アグエロがひとり旅。1対1は右に来ると読んだチェフのビッグセーブでしのぎますが、64分に決定的な2点めが入ります。スターリングとのコンビでボックス左を崩したメンディが折り返すと、ベルナルド・シウヴァが強烈なボレーを左隅に突き刺しました

70分、ジャカが下がりルーカス・トレイラ。アーセナルが攻める時間が増えてきたものの、大事なパスがことごとく通らず、決定機を創れません。80分、リヒトシュタイナーが左サイドを突破してニアに転がすと、エジルのトラップが大きくシュートを打てません。85分にエデルソンが致命的なパスミスをしますが、拾ったエジルのトラップが大きくなったところを飛び出してセーブ。10番に打たせようとしたラカゼットが、エデルソンの接近を感じていれば決めにいったのではないかと思われます。集中力を欠いたマン・シティの守護神は、92分にもミキにパスを拾われ、右サイドを崩されますが、ラカゼットのボレーが浮いて失点を免れます。両者ともミスが目立った大味な試合は、0-2でプレミアリーグ王者が制しました。

スターリングを止められなかった。エジルやラカゼットが決められなかった。アーセナルの敗因のなかから、最も象徴的な現象を抽出すれば、組織的に対応できなかった守備と決定力ということになります。中盤に迫力を欠いたマン・シティは、倒すならここ!と叫びたくなるような急造仕様でしたが、アーセナルもまた発展途上で、サイドの守備の脆さが2つの失点を呼んでしまいました。出遅れの危機を回避したペップのチームは、ハダースフィールドとウルヴスを連破すれば、強かった昨季のコンディションを取り戻すでしょう。アーセナルは、次のチェルシー戦が正念場。連敗スタートとなれば、チャンピオンズリーグ出場権争いに参加できずにシーズンを終えることになるかもしれません。モンレアル、コラシナツ、メートランド=ナイルズを欠いた左サイドの穴は、埋められるでしょうか。エメリ監督に付きつけられたいくつかの課題は、簡単に解決できるものではなさそうです。

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“【Arsenal×MAN.CITY】スターリングを止められず…エメリ監督の初陣は昨季王者に0-2完敗!” への9件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    更新有難うございます。
    ダヴィ・シルバ、デブルイネ抜きでも試合をコントロールできてました。ベルナルドシルバの得点シーンではゴール前に戻ったアーセナルデフェンスの前に20畳(笑)ほどのスペースがぽっかり空いてました。
    新戦力はマフレズと「メンディ」ですね。素晴らしかった。

  2. マンユナイテッド より:

    昨シーズンよりもシティはベルナルドシウバや怪我で離脱していたメンディがフィットしている上にマフレズまで入ってるのはちょっとチート…
    フェルナンジーニョのバックアップにストーンズアンカー起用がハマったらもう本当に穴がなくなってしまいます笑
    シティの独走を止めるには上位陣以外のチームもシティに勝つまたは引き分けてもらわないと困るんですが、今年も厳しいなぁ…

  3. ペップの街 より:

    今シーズンはゲーム毎に、或いはゲーム中でも個々のポジションが入れ替わる流動的なフォーメーションを目指してるのではないでしょうか。
    更に若手が伸びれば期待は膨らみますね。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    メンディは良くも悪くもお調子者で可愛らしいです…w 絶対に奪われてはいけない場所で判断の遅れからボールを奪われますが、すぐに全速力で戻って素晴らしいタックルでピンチを防ぐ。なんか憎めません。ペップも時々殺したくなるけど、時々なんて素晴らしい選手を我々は持っているんだと思わせる。と言っていましたが分かる気がします。あのキャラクターといいスケールの大きいプレーといい大好きなSBですね。

  5. むん より:

    スコア通りの内容、いや0-3でも文句はなかった気がします。

    グエンは頑張ってくれてたけど、新加入の19才を抜擢したことを前向きにとらえるべきかどうか。
    オバ、ラカ、エジル、ムヒ、ラム、ジャカの内一度に使えるのは5人。ただ、WCもなく完全にクラブに集中していたラカゼットを初戦で外すのか、と少し残念でした。

    悲しかった点
    ジャカが相変わらず奪いどころだったこと
    サイドの守備がひどかったこと
    パパ、あれはいい選手なんだろうか。(2点とも彼の横すれすれをボールが飛んでいきました。ブロックしないならせめてツェフの邪魔しないでほしかった)

    今後への期待
    トレイラがなんとなくよさげ。リヒトも(他のSBに比べれば)よさげ。GKはレノで行きましょう。

    マンシティは強いなぁ。前線の守備がうまいんだよ。

    —–
    新シーズンが始まりましたね。毎年この時期のワクワク感がたまらないです。

    シティ戦は、まぁ仕方ない。22年を経て変化する新チームの初戦で戦う相手じゃない、と個人的には割り切ってます。攻撃ではラカゼット、オーバメヤン、ムヒタリアンのワールドカップ不参加組がどこまでできるかと思ってましたが、コンディションが整わないエジル、ラムジー、ジャカにちょっと引っ張られてしまった感じが残念でした。

    グエンドゥジは頑張ってました。プレミアデビューのホームデビューのシティ戦であれだけ出来ればたいしたものだと思います。今の時代は19歳という年齢はもはや言い訳にならなくなっている感じがするので、彼にはこのまま突き抜けてもらいたいです。

    とにかく、今後に期待です。

  6. 新参 より:

    アーセナルは完敗でした。
    完成度の差がもろに出た試合でしたが、特にビルドアップの差が大きかったですね。ジャカはあのパフォーマンスであれば、トレイラにとって代わられるのも早いと思います。ゲンドージのほうがボールを運べてました。

    失点はいずれもバイタルエリアを使われてとられたものでした。2点目はジャカがボールウォッチャーになってました。

    開幕早々に攻守にはっきりとした課題を教えてくれたシティに感謝するようなシーズンにしたいですね。

  7. Mr.ペーターソン より:

    アーセナルが点を取るにはオーバメヤンを最大源に輝かせるしか無かったと思います。オーバメヤンはシーズン後半から加入し、10ゴールを挙げたポイントゲッターですし、裏抜けが抜群です。そのオーバメヤンを裏に走らせるパスも殆どなく崩し崩しでシティに勝てるはずもありません
    若手抜擢はわかりますが、次のチェルシーにも負けるようなら今シーズンも厳しいシーズンを送りそうですね

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    いやあ、酷かったですね(笑)
    勝てるとは到底思わなかったですが、差がありすぎましたね。
    冴え渡るシティの戦術と、ベンゲルが指揮してるのか?と思うくらい見慣れた中盤のない謎サッカー。
    エメリさんやリヒト、パパソも本番テンションのシティにチンチンにされ、リーグの厳しさを実感したことでしょう。
    それにしてもグアルディオラのサッカーはすげえ。
    リバプールとシティとその他ってシーズンになるかもしれないな。

    —–
    お互いGKのミスが多く締まりのない試合でしたが、正直上位クラブが中位クラブをそつなく処理したという風にしか見えませんでした。オーバメヤンしか脅威となれる選手がいない…。

  9. 新参 より:

    なぜラムジートップ下だったんだろう、というのが気になりますね。
    正直後ろからのボールを引き出すポジショニングセンスやそのボールを上手くさばけるような技術もないから簡単に失うし、なんでエジルじゃなかったのかなと。 どちらかというとBOX TO BOXの選手だからラカゼットセンターにおいてそこにボール当てた返りを拾って飛び出す、とかだったらわかったんですけど…。

    —–
    ラムジーそんなに悪かったかなあ…攻撃陣の中で唯一可能性を感じたけど…
    エジルに変えたところで、あの試合のエジルのプレーのクオリティなら、違いは生み出せなかったと思うけど…

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