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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Leicester】美しすぎるガナーズ三部作。脚本・演出メスト・エジル!

2014-15シーズンにレスターがプレミアリーグ昇格を果たしてから、エミレーツでは4連勝。あの奇跡的なプレミアリーグ制覇のシーズンも、アーセナルはダブルを決めており、4季で5勝2分1敗は与しやすい相手といっていいでしょう。エメリ監督は、ラカゼットの両脇にエジルとムヒタリアンを配し、中盤にはイオビ、ジャカ、ルーカス・トレイラを起用。オーバメヤンとラムジーはベンチスタートです。ベジェリン、ムスタフィ、ホールディング、リヒトシュタイナーの4バックとベルント・レノは、ジェイミー・ヴァーディー&イヘアナチョの2トップと売り出し中の21歳MFジェームズ・マディソンを止められるでしょうか。2分にエンディディのフィードを右サイドで受けたイヘアナチョが、さっそくカウンター。ホールディングを切り返しでかわしたナイジェリア代表は、左足のシュートをCBに当ててしまい、絶好のチャンスを逃しました。

6分、左のジェームズ・マディソンが中にいたイヘアナチョにパスを通すと、左足のコントロールショットはレノが右に反応してセーブ。左サイドを崩そうとするアーセナルは、フィニッシュに持ち込むことができません。10分のイヘアナチョのスルーパスは、レノが飛び出してヴァーディーに打たせませんでした。大歓声のエミレーツは、劣勢のチームにアタックを促しています。14分、中央にドリブルで進んだリヒトシュタイナーは、フリーのミドルを打ち上げてしまいました。

16分、ジェームズ・マディソンが右から巻いたFKは、曲がり切らずに右ポストの外。1分後、やはり右サイドからジェームズ・マディソンが蹴ったFKは、ファーのマグワイアがヘッドで折り返すと、エンディディと競ったホールディングの手に触れるも笛は鳴りません。19分、若い10番が右から3度めのFKをファーに上げると、マグワイアの決定的なヘッドをレノが左手で触るビッグセーブ!押しまくっていたレスターは、再三のセットピースをものにできませんでした。25分に放ったラカゼットのミドルはゴールの右上に向かうも、クロスバーの手前でアウトに切れていきます。

30分、先制はレスター。エンディディが斜めに出したパスを受けたチルウェルが、ワンタッチでベジェリンをかわしてボックスに入り、グラウンダーをフィード。これがカットしようと足を出したベジェリンに当たり、中をケアしたレノが逆を取られてしまいました。0-1とされてエンジンがかかったガナーズ。33分に右から狙ったジャカのFKは、シュマイケルが指先で弾いてCKに逃れます。41分にジャカが蹴った絶妙なCKは、ホールディングがヘッドを空振り。ラカゼット、エジル、イオビとつながった速攻は、右に出たイオビの強いシュートをシュマイケルが確実にセーブします。

0-1で終わるかと思われた45分、ルーカス・トレイラの楔のパスからジャカが右に展開し、エジルがドリブルで前へ。ベジェリンに預けた10番がボックスに入ってリターンをインサイドで合わせると、完璧な弾道で左ポストの内側にヒットし、シュマイケルは1歩も動けません。エジルは、早くも今季プレミアリーグ3ゴール。ハーフタイムをイーブンで迎えることができた値千金の1発でした。後半に入り、押しているのはアーセナル。48分にラカゼットとのワンツーで左サイドを突破したイオビは見事でしたが、速いクロスが味方に合わず。直後にボックスで粘ったラカゼットが強引にシュートを放つと、浮いたボールを叩いたミキのボレーは左に逸れてしまいました。

58分、ジェームズ・マディソンのCKを叩いたエンディディのヘッドは、クロスバーを直撃。エメリ監督はミキとリヒトシュタイナーを下げ、グエンドゥジとオーバメヤンの2枚代えです。ピュエル監督は、イヘアナチョをオルブライトン。ジャカが左SBに入り、ルーカス・トレイラとグエンドゥジが並ぶようです。63分、右サイドからとんでもないスルーパスが出ました。ベジェリンをフリーにしたエジルのボールは、タイミングも強さもパーフェクト。右SBが余裕をもって出したグラウンダーがノーマークのオーバメヤンに届けば、結論はゴールしかありません。

2-1としたガナーズは、3分後に勝負を決めるスーパーゴールをゲットしました。自陣からのルーカス・トレイラの縦パスを、エジルがおしゃれなヒールでグエンドゥジへ。縦パスをもらったベジェリンが上がって斜めに出したパスを、ボックス手前まで走っていた10番が華麗にスルー。ラカゼットのダイレクトパスでシュマイケルと1対1になったエジルはアウトで左に浮かし、仕留めたのはまたもオーバメヤンです。2試合連続でベンチスタートから2発は驚異的。今季プレミアリーグ6ゴールの14番は、アザールの背中が目の前に迫っています。75分、ジェームズ・マディソンに代わって岡崎慎司が登場。78分にイオビとのパス交換でエジルがボックス左を崩し、ラカゼットに完璧なラストパスを入れると、9番のプッシュはシュマイケルに押さえられてしまいました。

ラスト10分でラムジーに後を譲った10番に、エミレーツの拍手が鳴りやみません。ここで試合が終わっても、グーナーは笑って家路につくでしょう。感動の三部作を紡いだ脚本・演出家は、10点満点といわずに12点!と叫びたくなるような素晴らしい出来でした。守備の不安、イオビの奮闘、ベジェリンのオーバーラップ、ジャカのSBコンバート、オーバメヤンの抜け目ないフィニッシュ、「Not his day」だったラカゼット…いろいろなことが駆け巡った90分でしたが、目をつぶると浮かぶのは、軽やかなボレー、スルーパス、ヒールキック、絶品スルー&アウトサイドです。

連敗スタートだったアーセナルはプレミアリーグ7連勝で、ついにチェルシーに並びました。この間、全試合2ゴール以上。9試合中6試合がクリーンシートのリヴァプールとの「矛・盾対決」が今から楽しみです。

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“【Arsenal×Leicester】美しすぎるガナーズ三部作。脚本・演出メスト・エジル!” への15件のフィードバック

  1. 凹んで より:

    イウォビが引き続き好調を維持していて、心強いです。その分、ラカゼットが今日は乗り切れていませんでしたが、誰かがカバーしていて層の厚みを感じます。しかし、判で押したように前半同点、後半突き放しの展開が続きますね。この調子で連勝を継続して欲しいものです。

  2. ペップの街 より:

    エジル最高でした。
    1点目はまるでゴールポスト内側にパスを出したようなシュート!気負いもなくさり気なく決めるところがエジルらしいです。
    絶好調のアーセナルと負傷者を抱えるレッズ、今なら勝てませんかね?

  3. 4 より:

    エジルも復活するとは。感涙。スゴイ。

  4. ジダネス より:

    いや、本当にエジルすごかったです。今日のエジルのプレーだけで一週間おかずいらないくらいの衝撃でした。1点目のゴール、良いですね。観ている側としては、普段のゴールの感覚より、ボールがゴールに吸い込まれるまでの時間が長い。ゴールへパスとはあのことですね。2点目、あのベジェリンへのパスは痺れます。すごい。3点目、スルーもさることながら、あそこで左アウトですか。

    エジル、まじ半端ないって!ってやつでした。

    —–
    記事を読んでついハイライトを見てしまいましたが、一点目のエジルのドリブルスピードに久し振りにエジルらしさを見て感激&興奮しました!
    最近見てなかったんですが調子上がって来たんですかね。ぜひこの調子を続けて欲しいです!

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    まさに破竹の勢いですね
    今の好調ぶりを維持できればシティを止めることも不可能ではないと思ってます

  6. トマシュ より:

    前半点を取られるまで絶対負けると思ってました。
    前半点を取られてやっぱり絶対負けると思ってました。
    ごめんなさい。

    できるなら初めからやれ、と。

    ホールディングが不安定で低レベルなイエローやハンドの見逃しもあったけど、まぁいいや。

    エジル・・・。1点目と3点目もよかったけど、2点目のスルーパス。すぴーちれす。けど個人的には交代間際にラカが外して二人で頭を抱えてたシーン。ウィズアウトスピーチ。

    オーバメヤンにも一言。
    狐。世界最速の狐。スタメンで使ってラカゼットと共生させる方法を考えてくれよウナイ。

    がんばれガナーズ!がんばれエメリ!

  7. エミリー より:

    エメリ監督に変わって、最近のアーセナルは、明らかにボケっとしてるやつがいなくなったのが気持ち良いですね。
    とは言え、前半は簡単にシュート打たせ過ぎでしたけど(笑)

    この試合の最大の見所は、ムヒとリヒトを下げてからのエメリ采配でしたね。
    この采配への、60分間の前フリだったかのように、その後は簡単に切り裂いてしまいました。
    ラカとムヒも決め手になる数字の中には残らないけど、前フリとしていい仕事してました。
    そして、今日もイウォビが素晴らしかった。
    リュングベリのファイトと、ピレスのスルスル感を合わせたようなランとドリブル。
    いまいち伸び悩んでいたのも見てるので、胸が熱くなります。
    トレイラの、アーセナルミサイルの発射台のようなパスもたまりません。
    ベジェリンも、水を得た魚の様に見える。
    これ、エメリ監督が、戦術を理解させたからだと思います。
    効果的なプレーとはなにか?を解ってきてますね。
    もちろん、いいパスを貰ったら、簡単に決めてみせるオーバメヤンも最高です。
    今節も、手応えあり!ですね。

  8. ゆゆ より:

    更新お疲れさまです。
    三部作で脚本エジルとはなんたる表現。朝から気持ちいいです。
    後半の修正力が本当にすごいですね。
    イウォビは得点には絡まないもののマンオブザマッチに値する活躍でした。
    このままリバポとの真剣勝負。絶対に勝ってとは言いません、いい試合が観たいです。

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    何故か誰も言わないけどかなり判定に助けられたよね。明らかにPKのハンドあったし、もし2点先行されてたら間違いなく負けてただろうね。

    そんでアホのエメリは負けると握手せずにとっとと帰る最低の男ですからね。

  10. 怖くて名乗れませんが・・・ より:

    同じ投稿者名で全くトーンの違うコメントが出てきて・・・
    お二人いらっしゃるのか、同一の方が二面性を出しておられるのか。
    エメリ、立派だと思うんですがね。

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    エメリ 何故 さいはいがあたるのか、ここまで采配が当たると 何かしらのデータをもとに交代しているかもしれないですね。

    流れを変えるための交代という概念がもしかしたら 今季変わるかもしれないですね

  12. プレミアリーグ大好き! より:

    ベンゲルの信者だろうな
    こんなに強いアーセナルを見せられて、いかに末期のベンゲルが無能だったかここまではっきりと明らかにされてるのが気に食わないんだろうよ

  13. エミリー より:

    いまだに手にあたっただけで全部ハンドだと思ってる人がいるとは…

    —–
    エメリ監督には感謝しかない。
    かなりの確率で大崩れするかもしれなかった大改革のクラブを、連敗スタートこそすれ、その後は形として見てとれるほど良くしてきてくれて、それでいてチームは明るい。

    握手を拒否するのは、褒められた行為ではないけど、紳士的であっても、結果を出せないくせに、負けてニコニコしてるより、勝負師としてよっぽどいい。

    そして、仮にPKになり加点されたとしても、そしたらそしたで、こっちも同じではないだろう。
    あなたと言い争う気はないが、エメリさんにアホは許せん。

  14. 新参 より:

    エメリアーセナルの特徴は意図的な左サイド偏重の攻撃にあると思います。左サイドでビルドアップを組み立て、相手のブロックが左サイドに寄ったところを、エジル・トレイラ・ジャカが右に展開、ベジェリンは広大なスペースを活かしてオーバーラップ、エジル・ラカゼット・オーバメヤンがボックス内に進入、ニア、中央、ファーに1人ずついる形ができてゴール。

    シンプルだけどなかなか止められない攻撃ですね。サンチェスが居たときにも左偏重はあったが、意図的ではなかったように思えます。チームとしての意思統一ができているのではないでしょうか。

  15. プレミアリーグ大好き! より:

    まあこの連戦 結局上位は絡んでません。今思えば昔もこんなだったような気が。。。。下位にはいい試合するけど。。。みたいな

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