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【Arsenal×Wolves】救世主レノ、ビッグセーブ連発!敗戦寸前だったアーセナルは何とかドロー!

相手が強いと燃えるのがウルヴス。エヴァートン、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド相手にドローに持ち込み、前節のプレミアリーグでは、PK2発ながらトッテナムに2-3で惜敗です。公式戦15試合、プレミアリーグで10試合負けなしを続けているアーセナルも、エミレーツといえども油断できないゲームでしたが、残り5分までビハインドを背負う苦しい試合となりました。マンチェスターダービーと同時刻開催のゲームは、ウルヴスの素晴らしさを堪能した試合であるとともに、「ベルント・レノ獲得がいかにいい補強だったか」を実感した一戦でした。

レノ、ベジェリン、ムスタフィ、ホールディング、コラシナツ、ルーカス・トレイラ、ジャカ、エジル、イオビ、オーバメヤン、ラカゼット。ベストといっていいメンバーを揃えたエメリ監督は、決して手を抜いたわけではありませんでした。試合開始から、ウルヴスのプレスを嫌がっていたアーセナルは、13分にビルドアップで致命的なミスを犯してしまいます。コラシナツが左から出したパスは、中央のジャカがトラップしていれば何でもないボールでしたが、裏に味方がいると判断してスルー。そこにいたのは、イヴァン・カヴァレイロでした。ドリブルで中央から上がったカヴァレイロが右のヒメネスにはたき、リターンをもらうと、ムスタフィよりも先に触ってゴール右隅を陥れました。

先制されたアーセナルは、ハーフタイムでリードしていた試合がひとつもないスロースターター。エミレーツで0-1にされたぐらいは、充分取り返せるものと思われました。21分、敵陣で奪ったボールを左サイドでまわし、イオビがボックス脇のエジルに展開。グラウンダーは完璧で、ラカゼットはフリーで右足を振り抜きましたが、コーディが足元に入ってブロック。ジャカとイオビのミドル連発はいずれも渋滞につかまり、ウルヴスはここから2対1のカウンターで2点めをめざします。右から持ち込んだエルデル・コスタがひとりかわしてレノと1対1になり、左足でシュートを放つと、読んでいたGKが右に弾き出すビッグセーブ。素早く体勢を立て直したのもファインプレーで、フォローしたヒメネスに先着を許しませんでした。

エルデル・コスタは、26分にも左足でドライブをかけた素晴らしいミドルを放ちますが、これもレノがセーブ。自陣深くで奪われるシーンが目立つガナーズにとって、次の失点は致命傷になるでしょう。35分には、ロングフィードに対応したコラシナツがクリアミス。奪ったドハーティがヒメネスに落とし、クロスに放ったシュートがゴール左に切れていきます。前半のガナーズは、サイドで優位に立ちながらもフィニッシュにつながるラストパスを出せず、シュート3本に終わりました。エメリ監督は、パスの精度が低かったイオビにハーフタイムで見切りをつけ、グエンドゥジを投入。ウルヴス守備陣は、縦にボールが入ったときのマークの受け渡しが巧みで、アーセナルの勝負のパスはことごとくインターセプトされています。

60分、右のショートコーナーからエジルがニアにいたルーカス・トレイラに流すと、11番が打ったのは無回転で落ちてくる決定的なミドル。上に弾き出したルイ・パトリシオは、ロシアでゴールマウスに君臨したポルトガル代表のエースGKです。61分に殊勲のイヴァン・カヴァレイロが下がり、ジョッタがピッチへ。エジルのポジションが低すぎ、フィニッシュにつながるパスを出せるシーンを創れません。70分、左サイドから折り返したオーバメヤンのグラウンダーは決定的でしたが、ベジェリンのボレーは枠の上。73分、ジャカのロングフィードをボックス手前で受けたルーカス・トレイラが、右から入ってきたベジェリンに流すと、グラウンダーをボレーで叩いたのはオーバメヤン。プレミアリーグ7ゴールのストライカーは、いつもなら簡単に決めていたはずのボールを左のポストにぶち当ててしまいました。

75分、ヌーノ・エスピーリト・サント監督がエルデル・コスタをアダマ・トラオレにスイッチすると、エメリ監督はエジルとコラシナツを下げてムヒタリアンとラムジー。ルーカス・トレイラはトップ下にベタ張りで、楔のパスを受けています。84分、アダマ・トラオレがカウンターを発動。右から走ったヒメネスのグラウンダーが逆サイドのネヴェスに届くと、勝負を決めるはずのフィニッシュはレノにブロックされました。86分、グエンドゥジの浮き球がボックスに入ったラカゼットに通り、振り向きざまのシュートはルイ・パトリシオがストップしてCK。ショートコーナーが左サイドのミキに渡り、右足で巻いたクロスが直接ゴールに飛び込みました。

直前のレノのビッグセーブがなければ0-2、現実は1-1。92分には、快足アダマ・トラオレが縦パス1本でホールディングをちぎりますが、フリーで放った一撃はコースを切ったレノが足でセーブ。95分に右から仕掛けたアダマ・トラオレのアタックは、落としを受けた18歳MFモルガン・ギブス=ホワイトの強烈なダイレクトショットがクロスバーを叩きました。間もなくタイムアップの笛。GKの奮闘と7番の美しいキックで、敗戦寸前だったアーセナルが勝ち点1をゲットしました。

ウルヴスに、惜しみない拍手を。中盤の的確なチェックと、機能的な最終ラインのポジショニング。カウンターをひとつ決めていれば勝ち点3を持ち帰れた会心のゲームでしたが、彼らの上をいくGKがいたためにドロー決着となりました。72%のポゼッションを記録しながら、相手より3本少ないシュート10本に終わったアーセナルは、この結果はやむなしでしょう。上位に喰らいつくならパスミスを減らさなければなりません。次戦以降に向けてツッコミどころは満載ですが、負けなかったことをポジティブに捉えて、このひとことで終わりにしましょう。ベルント・レノ、最高!

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“【Arsenal×Wolves】救世主レノ、ビッグセーブ連発!敗戦寸前だったアーセナルは何とかドロー!” への2件のフィードバック

  1. エミリー より:

    本当に守護神レノって感じでした。
    あんなにキーパーに大仕事やらせるなんて、アーセナルの守備と組織力はまだまだすぎです(泣)
    この試合の前に、チェルシー×エヴァートンをみていたので、あまりのギャップに悲しくなりましたね。
    エヴァートンのファイトとバイタル、ジョルジーニョ囲いこみと、体が悲鳴をあげているだろうにさぼることなく厳しいチェックの徹底。
    それに呼応するように、ギアを上げまくるチェルシー攻撃陣の創造性。
    感動的な試合でした。
    その直後に、リバプール戦で燃え尽きたかのようなアーセナルの半端なプレーと集中力の欠如。
    さっきまでの試合とのギャップで、急になでしこリーグの試合に変わったのか?と思うくらいのスピードの遅さ。
    引き分けたのがラッキーな、トラオレのカウンター。
    ELの引き分けはダニーの怪我でまだ見逃せたが、この試合の内容は、悲しくなりましたね。
    どうした!アーセナル。
    ここで休んでる立場じゃないだろぉぉぉ!!(泣)

  2. かみこっぷ より:

    やはりウルブズ面白い!トラオレ早すぎですね笑

    こういった試合もドローに持ち込めるあたり、今期のアーセナル持ってると思いました。

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