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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Everton】ジョルジーニョを封じられたチェルシーは、ホームで無念のドロー!

スペインでは、バルセロナが7勝3分2敗とアーセナルと同じ戦績で首位。勝ち点4差で6位のレアル・マドリードは、6勝2分4敗とマンチェスター・ユナイテッドとまったく同じ数字です。以前のプレミアリーグのようなダンゴレースに、現地のファンは盛り上がっているのではないでしょうか。バルサがベティスにカンプ・ノウで3-4というジャイアントキリングを見せられれば、2位のセヴィージャや4位のアラベスのサポーターは、首位に立てるかもしれないとテンションが上がります。

一方、今季のプレミアリーグは、アーセナルの上に4チームがおり、そのうち3チームは開幕から無敗です。別世界のマンチェスター・シティ、堅守に生まれ変わったリヴァプール、サッリのポゼッションサッカーが確立しつつあるチェルシー。スタンフォード・ブリッジにエヴァートンが乗り込んだ一戦は、スコアレスドローに終わりましたが、2年前までのプレミアリーグなら、「ときどきあること」で済まされていたでしょう。しかし今は、痛恨のドローと表現したくなる息苦しいデッドヒート。ホームのトフィーズ戦では23戦13勝10分と無敗を続けていたブルーズは、ゴールを決められず、記録を更新しただけに終わりました。

ケパ、アスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、マルコス・アロンソ、ジョルジーニョ、カンテ、コヴァチッチ、アザール、ウィリアン、モラタ。ベストメンバーだったチェルシーは、圧倒的にボールを支配しながらも、エヴァートンの執拗なチェックに手を焼きました。相手ボールになると、リシャルリソンとシグルズソンがジョルジーニョの近くまで下がり、サッリ戦術のコントロールタワーは常に2~3人に囲まれています。34分にアザールが入れたきわどいクロスは逆サイドのウィリアンに届かず、こぼれ球を叩いたカンテのボレーは中央の壁がブロック。40分、ウィリアンがFKを左に浮かすと、マルコス・アロンソの渾身のボレーが枠を襲いますが、ピックフォードが完璧なセービングで左に弾き出し、先制を許しませんでした。

消える時間が長かったモラタは、43分にアザールがダブルタッチから送った巧みなスルーパスで裏に飛び出すも、ディーニュに着かれてシュートを打てません。前半は0-0。48分にシグルズソンがロングフィードを逆サイドに通すと、ウォルコットのトラップが大きく、ケパが冷静にキャッチします。52分に右サイドのウィリアンが斜めのパスでアザールをフリーにしたチャンスは、モラタが中でCBを振り切っているのを10番が見ていれば、丁寧なグラウンダーを出していたでしょう。56分にシグルズソンが右足で曲げたミドルは、ケパがパンチ。ジョルジーニョには、依然としてスペースがありません。

57分、最前線に飛び出したウィリアンはピックフォードの飛び出しをかわしながらも打てず、ファーに浮かしたボールは、プレミアリーグ初先発のコロンビア代表CBミナがモラタと交錯するも、笛は鳴りません。59分に右から突破を図ったウィリアンのシュートは左に切れ、アザールの左足ミドルはピックフォードがセーブ。マルコ・シウヴァ監督が64分にベルナルジをルックマンに代えたのは、カウンター仕様。サッリ監督は、アンドレ・ゴメスとグイェにチェックされて身動きが取れなくなっていたジョルジーニョをついに諦め、セスクのパスワークに活路を見出します。右からのクロスをアザールが左に流し、マルコス・アロンソが左足を振り抜くと、ファーポストを直撃。サッリ監督は68分にウィリアンを下げ、ペドロ・ロドリゲスで勝負です。

73分、リシャルリソンをつぶしたコヴァチッチがそのまま上がり、セスクのパスを受けて前線に速いボールを送ると、ミナに先着したアザールのト―キックは右にアウト。エヴァートンの指揮官は75分にシグルズソンをジャギエルカにチェンジし、勝ち点1をめざします。80分に左サイドから3人を抜き去ったルックマンのドリブルは、ケパが足元に飛び込んでキャッチ。前半はジョルジーニョ対策に苦しんでいたチェルシーは、再三決定機を創りながらもピックフォードの好セーブとポストに阻まれ、ボールを枠に入れられませんでした。

アンドレ・ゴメスとグイェがスペースを消したエヴァートンの素晴らしい守備が、印象的だった一戦。ジョルジーニョをチェックせず、彼につながるパスコースを遮る守り方は、他クラブの参考になったのではないでしょうか。とはいえ、ゼロに抑えられたチェルシーも、今後を悲観しなくてもいいと思います。アザールを軸とした速いアタックは迫力があり、いくつかの決定機を活かしていれば順当勝ちでした。今日は、エヴァートンの中盤とピックフォードをほめるしかないでしょう。次節はウェンブリーのロンドンダービー。気持ちを切り替え、トッテナムに勝てれば、マンチェスター・シティの背中を見失うことはありません。

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“【Chelsea×Everton】ジョルジーニョを封じられたチェルシーは、ホームで無念のドロー!” への5件のフィードバック

  1. C より:

    ジョルジーニョは文字通り八方塞がりでしたね…。あそこまで完璧に遂行したマルコシウバ監督のエヴァートンは素晴らしいです。流石に90分は持ちませんでしたが、早い時間帯にジョルジーニョを下げさせた時点で戦術面ではマルコシウバ監督の圧勝でしょう。
    逆にチェルシーは以前からちょくちょく試していたアンカーセスクがPLでも意外と機能していたのがよかったと思います。流石に中盤の強度は落ちますが、引いてくる相手にセスクの展開力はかなり有効ではないかと。
    あとはアザールとモラタの連携ですかねー。STにボールを預ける事が多いアザールにとって、モラタのリーガ仕込みのフィジカルは致命的です。アザール本人はモラタがミスしても拍手して親指を立ててくれているのですが…

  2. エミリー より:

    いい試合だったー。
    シウヴァ監督率いるエヴァートン、素晴らしいチームです。
    胸の熱くなるスコアレスゲームってのがありますが、これはそういった試合でした。
    チェルシーも凄かった。
    やはりアザールは見事、可能性があればどこへでも走り、エヴァートンを崩すために、何でもやってました。
    モラタも、アザールを近くで見てて、なんであんなにたやすくストレスに飲み込まれるのかが謎です、学べ!!
    ジョルジーニョ包囲網、それを考えた監督は多いだろうけど、それをチーム全員で共有し、実現させたシウヴァ監督と選手達に、素晴らしいゲームをありがとう!と言いたいです。
    こりゃ、次のマージーサイドダービーが楽しみですね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーの伸びしろ 感じました
    対チェルシーが明確になった今
    戦術家サッリがどうでるか 楽しみ

  4. パチ より:

    最近のチェルシーの試合見てて、モラタ個人は点取ってるけど裏狙いばっかりでチームとしての攻めは単調になってるなって感じだったのでまあこういう試合も出てくるかなと。

    サッリも試合後に 立ち上がりのボール運びが遅い と言ってましたけど加速させるための縦パスをモラタがほとんど引き出そうとしてないですからね。たぶんこの試合でモラタがCBやジョルジーニョからの楔の縦パスを受けたのって5回もないんじゃないかな…。
    途中からアザールがセンターのライン間でボールを引き出すプレーをし始めてから多少良くはなっていましたが、今後どうでしょうかね。

  5. B より:

    今回の試合とは関係ないですけど、この記事の写真、素敵ですね笑 何か始めようとするアザールと思いっきりそれを警戒する守備陣笑

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