イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Fulham】ダービーを制したチェルシー、スタメン固定でどこまで走れる⁉

4分のペドロのゴールで、ラクになりました。プレミアリーグ14節のチェルシーVSフラム、通称ウェストロンドンダービー。チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジとフラムのクレイヴン・コテージは、いずれもハマースミス・アンド・フラム・ロンドン特別区にあり、前者は住宅地、もう一方はテムズ川のほとりに佇んでいます。エヴァートンに引き分け、トッテナムに完敗したチェルシーは、プレミアリーグ最下位に沈む隣のクラブには負けられません。ケパ、アスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、マルコス・アロンソ、ジョルジーニョ、カンテ、コヴァチッチ、アザール、ジルー、ペドロ。不振のチームが相手でも、いつもの11人を揃えたサッリ監督にとって、最も嫌だったのは先にゴールを奪われることでしたが、押され気味だった立ち上がりに貴重な先制点をもたらしたのは、カンテの素晴らしいタックルでした。

オドイがハーフライン付近にいたジャン・ジャック=セリに預けた瞬間、周囲にはチェルシーの選手が2人いて、いかにも「出したら危険」なシチュエーションでした。ダッシュで突っかけてきたカンテが奪い、あっという間に3対2。右からボックスに入ったペドロにラストパスが通ると、モーソンは無力でした。切り返しでCBをあっさり振り切った11番が難なく決め、アシストを記録したカンテを指差してリスペクトしています。シュールレを筋肉の負傷で欠き、膝を痛めたアンギッサも使えなかったラニエリ監督は、セセニョンを前線に配して速攻で対抗したかったのですが、ゲームプランは早くも崩れました。16分、左からのパスをボックス手前からダイレクトで叩いたチャンバースのシュートは、コースが甘くケパがキャッチ。21分にダヴィド・シルヴァがラインの裏に上げた浮き球は、ペドロが足を合わせられずにゴールラインを越えてしまいました。

23分に得意のドリブルで中に斬り込んだのはアザール。ボックス左に流れたジルーにスルーパスが通り、ノーマークのストライカーが左足でシュートを放つと、GKリコが体に当てて2点めを回避しました。37分、クリスティの不用意なパスをジルーがさらい、ドリブルで上がると、コヴァチッチがボックス右に走ってパスミスのこぼれ球を拾い、ニアに鋭いクロス。走り込んだジルーのボレーはリコがブロックし、勝ち点ゲットの望みをつなぎました。42分の決定機は、スペースを見つけてギアをトップに入れたアスピリクエタのアーリークロスから。DFの間に入って足を伸ばしたジルーのスライディングボレーは、またもやリコが足でカットして窮地を脱しました。前半は1-0。ラニエリ監督は、ハーフタイムにセセニョンとヨハンセンを諦め、カマラとアイテを投入。フィジカルが強いカマラには、前線で拠点を作る動きを期待したのでしょう。

47分、フラムが仕掛けた後半最初のアタックは、浮き球をトラップしたミトロヴィッチをアスピリクエタが冷静にチェックし、シュートを打たせません。49分、ドリブルで左に流れたペドロのフィニッシュは、リコが左に倒れてセーブ。54分のアウェイチームのCKは、ニアで飛んだチャンバースが強烈なヘッドをGKの足元に叩きつけますが、ケパが素晴らしい反応でストップし、1点リードを守ります。64分、ボックス右に侵入したケアニーが後ろに落とすと、走り込んだチャンバースが強烈なボレーを枠に入れるも、ケパがまたもビッグセーブ。前半で足を痛めたコヴァチッチは時折痛がる素振りを見せ、67分にロフタス=チークに後を譲りました。

70分、ジルーが下がってモラタ。73分の左からのアタックは、モラタのパスミスのこぼれ球を拾ったアザールが左隅を狙うとリコが弾き、詰めたモラタは枠に入れればOKだった絶好球を打ち上げてしまいます。78分、マルコス・アロンソをザッパコスタ。チェルシーが勝負を決めた2点めは、82分でした。ダヴィド・ルイスが左のアザールに展開すると、ペドロをポストに使った10番がボックス左からロフタス=チークにラストパス。フリーだった22歳のMFは、リコのポジションを見て冷静に右隅に決めました。2-0、チェルシー完勝。直後のノースロンドンダービーでスパーズが敗れ、サッリ監督のチームはプレミアリーグ3位に返り咲きました。

ダービーを制したチェルシーには何の不安も感じなかったのですが、ミッドウィークのウルヴス戦と、土曜日のマンチェスター・シティ戦をどんなメンバーで戦うのかが気になります。スタメン固定のサッリ監督は、プレミアリーグ全試合先発の7人を使い続けるのでしょうか。日程がタイトになる12月は、サブの選手をうまく使わなければ乗り切れないでしょう。注目は、水曜日。モリニュースタジアムでメンバーを落として敗れ、ベストに戻した週末も最強王者に完敗するというのが最悪のシミュレーションです。最終ラインとジョルジーニョ、カンテは、調子を崩さず走り抜けることができるのか。プレミアリーグ初体験のサッリ監督の手綱さばきを、引き続きチェックしてまいります。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Chelsea×Fulham】ダービーを制したチェルシー、スタメン固定でどこまで走れる⁉” への6件のフィードバック

  1. エミリー より:

    フルハムも惜しいシーンありましたが、やはり磐石のチェルシーですね、強いです。
    相手がチェルシーですから、仕方ないのかもしれませんが、DFの反応とチェックの緩慢さは、ラニエリ監督も苦労するかもしれないなぁと思いました。
    一点目のカンテのボール奪取が鮮やかで、開始早々に役者の違いを見せつけましたね。
    あれは見事だった(笑)

  2. ペップの街 より:

    ウルヴスは降格候補にコロッと負けたかと思うとビッグ6相手に善戦したりして、強いのか弱いのか分かりません。
    チェルシーがメンバー落ちで臨むとやられかねないのでは。
    モラタが今ひとつ本調子でないですね。
    カンテ、ペドロはいつも全力でやってて好感持てます。

  3. nor より:

    最初の得点でずいぶん楽に見られました。アロンソのファーサイド流れのクロスは、疲れなのか、戦術的指示なのか、単にジルーとの齟齬なのか、気になります。
    こちらのご近所ダービーですが、荒れた雰囲気がないのがいいところです。収容人数こそ少ないですが開発されたダウンタウンのスタンフォードブリッジと、古き良き感満載のクレイブンコテージ、ロンドン観光の際には是非お勧めです。SBの改築はいつになるのでしょうか、、、

  4. より:

    前節の試合後にサッリから厳しいコメントをもらったカンテが今節では素晴らしい活躍を魅せてくれました。中盤の層は活躍したチークもいますし、悪くないなとは思うのですが、問題は最終ラインとCFですね。両SBはスタメン組を脅かす気配なく、CBはクリステンセンはともかくケイヒルに期待するのは難しいきなと思います。
    モラタはゴールを決めても泣いたりこの試合で決定機を外した後のリアクションといい、メンタルの問題はかなり深刻ではないかと感じています。
    サッリは補強に興味ないようなコメント残していますが、どこかで失速してしまうのでしょうか。
    個人的にはアブラハムやバチュアイが今のシステムでやってるところを見てみたいのですが。

  5. ゆう より:

    シティ相手にチェルシーがどういう試合をみせてくれるのか楽しみで仕方がないです
    シティもスパーズのように国内屈指の高強度なプレスをしかけてくる相手ですから、当然ジョルジーニョはターゲットになるでしょう。サッリはどのような対策を打つのか…
    本当に楽しみです

  6. パチ より:

    う~ん、個人的にはコバチッチが物足りない。前線への飛び出しも少ないし、サイドチェンジなどの大きな展開のパスもないし、正直前節ジョルジーニョの隣にいろと怒られたカンテの方が飛び出しもいいし良いサイドチェンジのパスとか出してたなと。特に左サイドはアザールがどんどんセンターに入っていって空きやすいのでもっと上手く使いたいですね。

    モラタに関してはいつも思うけど幼いなーと思いますね、カードもらったシーンとか。
    ただプレーに関しては、いつもさっさと 裏抜け・クロス待ち とまず自分のプレー!だったのが、今回はライン間で縦パスを受けて返したり、アザールとのワンツーの為のポジション取り等、チームメートの為のプレー をこなそうとしていた(ちょっともたついてるけど…)のでちょっとおっ!?となりましたね、指導が入ったのかな…と。
    まあたまたまかもしれんので要観察ですけどね…。

へ返信するコメントをキャンセル