イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×MAN.CITY】最初のチャンスで決めたチェルシーが、無敗のペップをストップ!

赤白連合の総意は、ドロー決着ではないでしょうか。プレミアリーグ16節の最注目カード、チェルシーVSマンチェスター・シティがいよいよキックオフです。サッリ監督の11人は、当然のベストメンバー。GKケパ、DFアスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、マルコス・アロンソ、MFジョルジーニョ、カンテ、コヴァチッチまでは予想通りの並びですが、3トップはアザール、ペドロ、ウィリアン。プレミアリーグ7ゴールの10番を中央に据えるゼロトップという趣旨でしょうか。

ペップ・グアルディオラ監督も似たような趣向で、エデルソン、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ラポルテ、デルフ、フェルナンジーニョ、ベルナルド・シウヴァ、ダヴィド・シルヴァまでがいつもの顔ぶれ。前線にはマフレズ、スターリング、サネと、打ち合わせでもしたかのようにストライカーを外しています。ミラーリング対決を制するのは、昨季の最強クラブか、一昨年の王者か。プレミアリーグらしいアグレッシブなゲームを期待しましょう。

15節までのパス本数は、プレミアリーグNo.1のチェルシーが10658本で、2位マン・シティが10600本と拮抗。両者とも成功率は89%と高く、息苦しくなるほどの中盤のせめぎ合いが続きそうです。キックオフからボールを支配しているのは、マン・シティ。最終ラインからサイドに長いボールを通し、縦に仕掛けるアタックを繰り返しています。自陣に引いて3層のラインを敷くホームチーム。8分、マン・シティがカウンターから最初のチャンスをつかみます。中央をドリブルで進んだスターリングが左のダヴィド・シルヴァに預けると、折り返しを受けた7番のボレーは当たり損ね、ケパが正面でキャッチ。チェルシーは厳しいプレスに悩まされ、窮屈なパス回しを突かれて速攻を喰らっています。

15分にサネが敵陣でアザールから奪うと、マフレズ、ダヴィド・シルヴァを経由したボールがボックス内で空いたサネへ。ビッグチャンスでしたが、ウインガーがシュートを躊躇して後方に戻したために、チェルシー守備陣がスペースを埋めてしまいました。22分のダヴィド・シルヴァのFKは、ジョン・ストーンズに合わず。ペップのチームのチャレンジをチェルシーが止めるだけの時間が続き、30分を過ぎてもホームチームのシュートはありません。31分、ハーフライン付近で奪った水色のチームがカウンターを発動。マフレズのスルーパスでサネが左から突破を図りますが、アスピリクエタが戻ってチェックし、角度のないところからの一撃はケパが左手でセーブします。1分後、スターリングが右サイドでマルコス・アロンソを抜き去ると、ファーに出たボールに走り込んだサネのボレーは、アスピリクエタがコースに入ってブロックしました。

一方的だった前半が終わろうとしていた45分、チェルシーがワンチャンスを活かしました。ダヴィド・ルイスのロングフィードが右サイドのペドロへ。11番が逆サイドに振ってウィリアンがボックスでキープすると、左足のクロスは味方に通りません。ブルーズが拾ったボールがボックス左に入ったアザールに渡ると、フェイントで縦に行くぞと牽制した10番が中央に空いたスペースに転がしました。走り込んで強烈な左足ボレーを突き刺したのは、エンゴロ・カンテ!ラスト1分まで何もできなかったプレミアリーグ4位が、1点リードで折り返しました。

48分、チェルシーが右から速攻を仕掛け、サイドを変えるボールがウィリアンへ。フェルナンジーニョに倒されたブラジル人MFがFKをゴール右に蹴ると、エデルソンが素晴らしい反応で外に弾き出しました。攻め続けるチェルシー。51分にハーフライン付近のカンテがドリブルでボックス手前まで持ち込み、左にいたウィリアンが横に出たパスをダイレクトで狙うと、エデルソンが正面で押さえます。ペップは53分にサネを下げ、ガブリエウ・ジェズスで勝負。今季プレミアリーグで1ゴールのストライカーは、大事な試合で結果を出すことができるでしょうか。

57分、カイル・ウォーカーが左に巻いたFKは、ケパが冷静にパンチ。62分に左から打ったペドロのミドルは、エデルソンが難なくキャッチしました。65分にコヴァチッチが右足を引きずりながら退場し、ロス・バークリーに後を譲ります。68分、マン・シティに激痛のアクシデント。ダヴィド・シルヴァがハムストリングを痛めて自ら交代を促し、代役はギュンドアンです。アスピリクエタに抑えられているスターリング。72分のドリブル突破も、チェルシーのSBが足を出してCKに逃れました。

75分、ウィリアンに代わってロフタス=チーク。マン・シティはファールが増え、チェルシーペースに傾いています。78分のCKで、ニアに走り込んで首を振ったのはダヴィド・ルイス。ボールはポストを叩き、ゴール右隅に吸い込まれました。ペップ最後のカードは、84分にマフレズをフィル・フォーデン。ペドロのクロスに飛び込んだロス・バークリーは、ヘディングを左に外して頭を抱えています。89分、スターリングの左足シュートがブロックされた後、クリアを拾ったフェルナンジーニョがゴール右隅を狙いますが、ポストの外に逸れていきます。90分にアザールをジルーは、「勝ちましたよ」とささやくような交代策です。93分にケパがキックミスを犯し、ギュンドアンからガブリエウ・ジェズスにつながれますが、右足のシュートはGKが弾き出して責任を取りました。間もなくタイムアップの笛。マン・シティの開幕からのプレミアリーグ無敗は、15でストップしました。

今季のマンチェスター・シティがリードされて過ごした時間は、ドローに終わったウルヴス戦の12分のみでした。後半の彼らは、前半に引き続きポゼッションを主張していたものの、パスが雑になってチェルシーの反撃を許すようになりました。シュートゼロながら2アシストのアザール、スターリングを抑えたアスピリクエタ、相変わらずの運動量で攻守に貢献したカンテはいずれも素晴らしかったのですが、勝利の立役者をひとり選ぶなら、ロングフィード1発で試合の流れを変えたダヴィド・ルイスです。マン・シティに前半のようなサイドアタックを悠々と繰り返されていれば、いつか堤防が決壊していたのではないでしょうか。ゴールを決めた直後にハーフタイムだったため、すぐに反撃されずに済んだチェルシーは、後半頭からのラッシュで王者から余裕を奪い取りました。最高の時間帯の先制が、勝ち点3をゲットできた最大の理由だと思います。

バルサとバイエルンを連破し、ビッグイヤーを制した2011-12シーズンのチャンピオンズリーグを思い出させる粘り勝ちでした。試合が終わって30分以上経っても、興奮が収まりません。40分過ぎまでチェルシーを子ども扱いしたマン・シティは強かった。そのマン・シティにゴールを許さず2点をもぎ取ったチェルシーも強かった…。今はまだ、そんな月並みな表現しか思い浮かびません。プレミアリーグ2018-19シーズンの優勝争いがおもしろくなりました。首位に立ったのは、唯一無敗を継続しているリヴァプールです。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Chelsea×MAN.CITY】最初のチャンスで決めたチェルシーが、無敗のペップをストップ!” への9件のフィードバック

  1. エミリー より:

    前半は、シティの一方的な展開でしたが、チェルシーはやられながらも落ち着いていた印象があります。
    中盤の攻守を普段よりのっぺりさせてました?
    うまく説明出来ませんが、受け方が効果的でしたね、シティは攻めてるのに普段より効果的ではなく攻めさせられていたような印象でした。
    そして、シティの攻めのペースに慣れてしまってからはチェルシーが仕合を作り出しました。
    アザールは今日も素晴らしく、どのくらいチームに貢献してるかわからないくらいで、まさに縦横無尽に動き、チャンスを作り続けてました。
    カンテへのアシストは痺れてしまった!
    どいういう視野をしてるんだろう?ほとんど勘なのかな?すごい選手ですねぇ。
    そこからはじわじわとシティはからめとられていった感じですね、ルイスの一発から奮起出来るシティの選手はいませんでした。
    シティに土がついて、リバプールが首位。
    プレミアの12月はやっぱり面白いですね。

  2. ペップの街 より:

    いやー、悔しい。
    アザールのマイナスクロスにカンテが素早く反応し、突き刺しました。サネもケアしてたんですけどほんのちょっと遅れました。
    それにしても両チームともゼロトップの奇策で臨むとは、ビックリ。
    シティは前半に好機を逸し続けて徐々に歯車が噛み合わなくなりました。
    アグエロ、デ・ブライネを欠き、終盤にはダヴィ・シウバまで筋肉系トラブルで失ってはさすがに厳しくなりました。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    面白いゲームでした!チェルシー苦戦の予想でしたが、終わってみればなんと勝利でクリーンシート。
    ダビド・ルイスが今節は気合張ってましたね。シティに土がつき、シルバの怪我が気になるところですが、
    首位が入れ替わり面白くなってきました。

  4. プレスパ より:

    シティにかなり攻められていましたがDF陣が奮闘しましたね。特にアスピリクエタの対応には深く感心させられました。
    これでリヴァプールが首位に立ちましたが、今シーズンの上位同士の殴り合いは予想がつかなく楽しめます。

  5. ゆう より:

    シティのプレスにもフィードで逃げることなく最終ラインから繋ぐスタイルを貫き通し、プレスを剥がそうとする姿勢に痺れました。とくにデルフのプレスをかわしまくる後半のペドロに惚れました。
    ウォーカーが最終ライン深い位置のアロンソにまでプレスに行っていたのでなんとか背後をつけないだろうかと思っていたら、前半の最後にようやくその場面が訪れゴールの流れまでもっていけました、ルイス、ペドロ、アザールは素晴らしかったです。
    サネに食らいつきスターリングを封じたセサル、熱量満載だったルイス、豊富な運動量でサポートし続けたカンテ、多くの選手が輝いていました。
    いや本当に面白い試合でした、大満足です。

  6. より:

    よく耐えた素晴らしい試合でした。
    ルイスの得点はそれこそCL決勝のドログバを彷彿とさせてくれました。確かあれも試合最初のCKでしたよね。
    このレベルのプレーをシティ相手に見せてくれたことに本当に感激しています。ピッチに立った全ての選手に最大限の労いの言葉をかけてあげたいですね。

  7. パチ より:

    アザールのトップ起用、慣れてない上にシティ相手で苦労しただろうけど徐々に良くなっていきましたね。
    守備面も整理されてて良かったです。特に右サイド、やっぱりペドロ・カンテ・アスピが安定するなって感じです。シンプルにプレーできて気の利いてるペドロの方がカンテはやりやすそう。
    そしてアスピは出場300試合目でほんと素晴らしいプレーを見せてくれました。やっぱキャプテンに相応しいですね。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    サッリと選手の試合後のインタビュー 良いですよ!
    時間がある方はぜひ見てみてください

  9. C より:

    後方からのパスワースでシティのプレスをいなし、前のめりになったところにロングフィード一閃!
    結構ボール取られてシュート撃たれていたので蝶のように舞えたかは疑問ですが、1点目はまさに蜂のように刺す、素晴らしいゴールでした。アスピ筆頭に集中力を切らさず守り切ったDF陣はまるで堅守を誇っていたコンテやモウリーニョのチームそのものでした。
    いやー、いいものを見させて貰えたました。

C へ返信するコメントをキャンセル