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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Fulham×Chelsea】セセニョン同点ゴールか…苦戦のチェルシーが何とかダービー勝利!

クレイヴン・コテージからスタンフォード・ブリッジまではわずか1.5マイル(約2.4km)。QPRやブレントフォードなど、ウェストロンドンに本拠地を構えるクラブ同士の対戦で、最も数多くの試合をこなしているのがフラムとチェルシーです。過去78試合はチェルシーが44勝25分9敗と圧倒しており、プレミアリーグ6位と19位の対決となった今回も楽勝するのではないかと思われていました。クラウディオ・ラニエリの下で迷いながらプレイしている選手たちが相手ならば。

いざ蓋を開けてみれば、チェルシーは予想外の苦戦。終盤に逆襲を喰らい、勝ち点をロストする寸前でした。レスターでプレミアリーグを制したイタリア人監督が不振の責任を取らされ、スコット・パーカーが指揮を執ることになったチームは今までと明らかに違いました。プレミアリーグ10ゴールのミトロヴィッチの後ろに、バベル、ケアニー、ライアン・セセニョンを並べた攻撃的な布陣。4分のイグアインのヘッドでヒヤリとさせられたホームチームは、6分にすかさず反撃を仕掛けます。右サイドをバベルが突破してクロスがフリーのケアニーに届くと、左足のシュートはアスピリクエタが足元に入ってストップ。リバウンドを拾ったジョー・ブライアンの一撃は左のポストをかすめて外に流れていきました。

アザールやカンテがイグアインにラストパスを集めるチェルシーは、20分のチャンスをきっちり活かしました。ウィリアンが外のアスピリクエタを走らせ、グラウンダーがニアのイグアインに入ると、プレミアリーグ3発めとなる完璧なボレーがGKリコの足元を抜きました。アウェイチームがすぐに追加点を奪っていれば、一方的な展開になっていたかもしれませんが、27分にフラムが同点に追いつきます。セセニョンのクロスを叩いたミトロヴィッチの美しいボレーはケパのビッグセーブでCKとなりますが、ショートコーナーをバベルがファーに浮かすとチャンバースがノーマーク。アーセナルから来たセントラルMFのボレーに、ケパは呆然と見送るしかありませんでした。

勢いに乗ったフラムをチェルシーが咎めたのは31分。ジョー・ブライアンの無謀なドリブルをカットしたジョルジーニョが速攻スタートのスイッチとなり、イグアイン、ウィリアン、イグアイン、アザールとテンポよくつながると、中に斬り込んで打つと見せかけた10番がジョルジーニョの足元に転がしました。右隅へのコントロールショットは、リコが手を伸ばすこともできなかった完璧なコース。PKしか決めたことがなかったアンカーは、プレミアリーグ2ゴールめです。

33分にジョルジーニョの縦パスで裏に抜け出したイグアインが枠を外さなければ、勝負はそこで終わっていたでしょう。40分のショートカウンターは、ボックス左に持ち出したアザールの左足シュートをリコが必死にセーブ。前半終了間際にウィリアン、アスピリクエタ、イグアインと1点めのリプレイのような形でストライカーがボレーを放ちますが、ニアに飛んだリコが左手で弾き出しました。1-2で折り返した後半も、ポゼッションは当然のようにチェルシー。この日はジョルジーニョが素晴らしい出来で、ウィリアンを走らせるロングフィードが冴えていました。60分、バベルがドリブルで中央に進んでフラムが逆襲。縦パスを受けて右にまわり込んだミトロヴィッチのシュートは、クロスバーのすぐ上を抜けていきました。

今までなら崩れていたフラムは、気迫のこもったプレイで同点をめざしました。65分のケアニーのミドルはケパがセーブ。サッリ監督がジョルジーニョをコヴァチッチに代えたのは、2枚めのイエローを怖れたからでしょうか。スコット・パーカーは71分にバベルをアイテ。直後のCKをミトロヴィッチがジョー・ブライアンに落とし、右足で軽く合わせたボレーがケパを襲いますが、守護神は冷静に左に弾き出しました。チェルシーの指揮官はアザールをペドロ、ロス・バークリーをロフタス=チークにスイッチして運動量を担保。新監督の最後のカードは、80分にケアニーをヴィエットです。

88分、縦パスで抜け出したアイテがアウトにかけて中央に浮かすと、ミトロヴィッチのヘディングシュートはケパが左に飛んでビッグセーブ。94分、前線に放り込まれたボールをミトロヴィッチがヘッドで中央に送ると、リュディガーとヴィエットが競ったボールが右で空いていたセセニョンの前にこぼれます。左足のシュートがネットに刺さり、クレイヴン・コテージが歓喜に沸いた直後、18歳はラインの裏に出るのがコンマ数秒早かったと思い知らされました。ジャッジはオフサイド、1-2でチェルシー勝利。ラニエリの後を継いだクラブOBは、古巣とのダービーで勝ち点をゲットすることができませんでした。

チェルシーに足りなかったものを探すより、少ないチャンスをフィニッシュにつなげていたホームチームの健闘を称えましょう。降格ゾーンにいるクラブがここまでがんばるのが、プレミアリーグのダービーです。残り9試合で17位セインツと10ポイント差のフラムは、チャンピオンシップに戻ることになりそうですが、ホームで戦うリヴァプール戦とマン・シティ戦でリーグを盛り上げていただければと思います。危なかったチェルシーは、それでも何とか勝ち点3をゲットしました。暫定6位ではありますが、消化試合が1試合少ないなかでの3位スパーズと5ポイント差、4位マン・ユナイテッドと2ポイント差は、悪いポジションではありません。

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“【Fulham×Chelsea】セセニョン同点ゴールか…苦戦のチェルシーが何とかダービー勝利!” への1件のコメント

  1. nor より:

    ケパの奮起に救われたゲームでした。

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