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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Chelsea】レノ、激痛のミス!チェルシーが終盤の連発でアーセナルを逆転!

13分にエジルが左から蹴ったCKをチャンバースが頭でファーに送り、オーバメヤンがダイビングヘッド。エースの今季プレミアリーグ13発めで先制したアーセナルは、残り15分を過ぎても1-0でリードしていました。初陣のボーンマス戦をドローで終えていたミケル・アルテタ監督は、76分にエジルをウィロックにチェンジ。中盤に運動量を足した交代策は妥当に見えました。2分後、ボックス左で仕掛けたオーバメヤンが、カンテから奪い返したボールがウィロックの足元へ。右隅を狙った一撃が決まっていれば、勝者はガナーズだったはずです。ヴェンゲル監督の下でキャプテンを務めた若き指揮官の初勝利がビッグロンドンダービー…グーナーが盛り上がるシナリオを壊した最初の事件は、83分に起こりました。

メイソン・マウントが左サイドから蹴ったFK。高く浮いたボールは、飛び出したレノのパンチで終わるものと思われました。ところが…。チェルシーの選手が誰も競りにいっていなかったセーフティーな状況で、プレミアリーグNo.1のセーブ数を記録している守護神がまさかの空振り。落下点にいたジョルジーニョは、触ればOKです。無人のゴールにボールが転がった瞬間、レノはピッチにうずくまり、新監督は両手で顔を覆いました。85分、ネルソンに代わってニコラ・ペペが登場。その2分後に勝ち越しゴールをゲットしたのは、ドリブラーを加えて勝利をめざしたガナーズではなく、鮮やかなカウンターを決めたブルーズのほうでした。

リュディガーがクロスをクリアし、競ったボールがウィリアンの足元に落ちると、タミー・アブラハムに縦パスが通ってカウンターがスタート。右からスプリントしたウィリアンにサカがついていけず、ドリブルで上がったストライカーからボックス右でパスを受けた10番がニアに戻します。ゴールに背を向けてトラップしたタミー・アブラハムを振り向かせてはいけないシーンで、ムスタフィは無力でした。CBを簡単にかわして放った右足のシュートがレノの股間を抜け、1-2。イエローカードが9枚も乱れ飛んだゲームは、7分の追加タイムに入りますが、押しているのはチェルシーです。93分にルーカス・トレイラから奪ったタミー・アブラハムがゴールに迫り、右足のシュートはバーの上。ガナーズは何もできず、本拠地エミレーツで宿敵に屈しました。

上々の立ち上がりだったガナーズに対して、直近のプレミアリーグで2勝5敗のチェルシーはナーバスでした。エジルとネルソンの右サイドからの突破にフィカヨ・トモリが振り回され、6分のCKではダヴィド・ルイスがオーバーヘッド。先制点を決めた後も、4枚で構築する前線のプレスが冴え、チェルシーは中盤で奪われるシーンが目立っていました。18分にネルソンが右サイドから飛び出し、クロスをもらったオーバメヤンがラカゼットに落とした速攻は決定的でしたが、ストライカーのトラップが浮いてしまい、戻ったカンテがカット。19分にチャンバースが足を痛め、ムスタフィ投入を強いられたのは誤算でしたが、その後もガナーズは余裕をもって戦えていました。

3バックで戦っていたランパード監督は、34分にエメルソンを下げてジョルジーニョを投入。アスピリクエタを左にまわし、トモリを右に配する4-3-3にスイッチしました。前半は決定機を創れなかったチェルシーに対して、ネルソンとオーバメヤンに可能性が感じられたアーセナルが押し切るのではないかと思いました。後半開始早々の48分、ジョルジーニョのFKから、クリアに反応したカンテのボレーは左にアウト。ガナーズは前からのプレスを継続し、チェルシーの縦への推進力を抑えています。

劣勢のランパード監督は、59分にフィカヨ・トモリを諦め、19歳のタリク・ランプティのプレミアリーグデビューという大胆な策を講じます。63分、ランプティが斜めに出したスルーパスでタミー・アブラハムがボックス右から抜け出しますが、ダヴィド・ルイスのスライディングが間に合いました。アーセナルは、決定機こそ創れなかったものの、速攻をチラつかせながらうまく時間を遣っていたのです。75分のCKで、タミー・アブラハムをフリーにしてしまったものの、ヘディングシュートはレノの正面。ウィロックが決めていれば、そしてあのミスさえなければ…。ドローはあるとしても、1-2で敗れるなどという展開は想像できませんでした。

10月の頭にボーンマスに勝ってから、プレミアリーグ12試合で1勝しかしていないチームは、マンチェスター・ユナイテッド、クリスタル・パレス、シェフィールド・ユナイテッド、チェルシーと続く「上位4連戦」で巻き返しのきっかけをつかめるでしょうか。アグレッシブな守備と直線的なアタックが目を引くアルテタ監督のフットボールに、希望は感じられるのですが…。次節はマンチェスター・ユナイテッド。7ポイント差の5位に敗れれば、EL出場権獲得も苦しくなります。3試合めとなる新監督の戦い方に注目しましょう。

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“【Arsenal×Chelsea】レノ、激痛のミス!チェルシーが終盤の連発でアーセナルを逆転!” への12件のフィードバック

  1. davinci より:

    アルテタ2戦目で確信した。俺たちのアーセナルが帰ってきた!負けたけど未来しかない!

  2. ガナユ より:

    レノは責められないです。レノが今シーズンあれだけ決定機を作られてミスらしいミスがなかった今までを考えると信頼の貯金はまだたんまり貯まってますから

    サカもカウンター追いつけませんでしたが控えがいない状況で足をつりながらもよく頑張ったと褒めてやりたいです。

    バイタルの埋め方。カウンター時の守備。エメリ監督時に見られた守備の改善がこの二試合だけでも見て取れます。なによりも守備時の意識の高さが今までとまるでちがいました。この二試合だけでこれだけ変えたアルテタをまずは褒めたいです。

    半年ぶりに光りが見えた気がしてます。頑張れアルテタ

  3. だしまる より:

    アルテタ監督。負けはしたものの、灯りはある。このまま安易に流れず継続で。そして、左サイドバック。サカはいい選手です。でも、本職ウイングの18歳しかいないのはきつすぎる。70分くらいかなあ。足をつったようで動きが悪くなったのに交代できなかった。少なくともここだけは補強してほしい。

    今後もここ狙われる。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    後半あれだけのハーフコートゲームになってしまっては勝ちを期待するのは虫が良すぎる。前半はガナーズがよかったが、トータルでは負けを認めるべきだと思います。

    ・前半おどろいたよエジル・・・。帰って来たのか??生き生きしてるお前を見てにやけてしまった。

    ・定期的に発生するオーバメヤン売れ売れ brigade は一体何?ボトムハーフのチームでシーズン折り返しに13点決めてるんだが。

    ・レノ。顔を上げてくれよ。we r with u, dude.

    頑張れミケル。失敗したらヴぇんがる追い出した奴らが責任取ればいいから思いっきりやってくれ。(3回目)

    —–
    4231のアーセナル相手に3バックで守るのは無理がありました。びっくりするほど攻められた序盤。3421のシステム変更自体はいい考えだと思いますが、今のスカッドで実現するのは厳しいと思います。
    そしてジョルジーニョ投入&システム変更で一気に流れが変わった34分。思い切った若手投入でサイドの活性化を図った59分。一方のアルテタは劣勢でも76分までカードを切らず。勝敗を分けたのは、ここだと思います。ペップ仕込らしいと言えばそうなんですけど。ただ、それでもアーセナルの守備意識の高さ、テンションの高さは凄まじかった。まだ未熟な内にアルテタと当たれて良かったと思いました。(ウチも未熟だけども…)
    水沼さんも仰ってましたが、チェルシーは次節からは4バックでいいと思います。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    いや~凄い試合でした。
    そしてウィリアン!良い意味で本当に嫌な選手ですね。走力と粘り強さが◎ですよね。

    しかしSNSの一部グーナーが次はチェルシーに対しても笑、審判買収!や、ここには書けない罵詈雑言、ちょっと、、笑
    LB補強が急務ですが、サカで耐えきれるか?移籍市場も注目したいですね。

    —–
    アーセナルはDFラインさえなんとかなれば、もとのビッグ6の域に戻るのは時間の問題でしょうね。
    しかし、ペップが直面しているように魅力的なアタッキングフットボールを実現するためのディフェンダーはどれだけ金をかけても簡単に揃えられるものではない。
    基本的な守備技術、ビルドアップでの貢献、スプリント能力、高精度のクロス、なにより戦術理解能力。ベジェリンとティアニーのコンディションが安定してくれば面白いけど、いまのように不安定なのが放出も補強もしにくいし実はかなり難しい状態な気がします。
    ランパードもスタートの選択は悪かったですが、大胆な采配は圧巻でしたね。
    どちらも新たな名将の誕生を予感させます。

  6. tomo より:

    更新ご苦労様です。

    あそこまで落ちたチームがそう簡単に浮上するはずがありませんよ。結果が伴なわない試合が今後も続くかもしれません。それでも全く見えなかったどういうチームを目指すのかという意思がはっきり見えていますからね。少なくても私はアルテタと選手に期待感しかありません。

    そして次はフロントの番です。アルテタは要望を伝えているはずです。フロントがそれを実現するかどうかこそが今シーズンのアーセナルの鍵だと思います。アルテタを助けて欲しいですね。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    素人監督であるアルテタにこの状況を脱する手立てがあるとは思えない。はっきり言っていないも同然だよ。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    ランパードの大胆な采配には感心させられました。
    自らの誤りを認めて前半のうちからカードを切り、実際に完璧に流れを取り戻しましたね。
    プライドばかりが高いそこらの凡庸な監督とは訳が違います。

    3バックにするなら、アスピを右のCBに、ジェームズ(orランプティ)をWBに置いた方がいいですね。
    加えてポジショニングに秀でたジョルジーニョとDFWアロンソも同時起用で。

  9. エミリー より:

    アルテタ監督!ありがとう!
    私の見たかったアーセナルが帰って来た!!
    負けてしまったし、展開の乏しさも、状況判断も、カウンターの切り替えもまだまだですが、負けて悔しい!と思う気持ちが戻ってきました。
    負けても引き分けても、そりゃそんなプレーしてたら負けるだろ?ってサッカーをしてたアーセナルに魂を吹き込んでくれました。
    試合開始前の円陣からウルッときて、気合いバキバキの動きを見せるアーセナルに涙が出そうになりました。
    レノも気にしない気にしない。
    そりゃたしかに残念だけど、あれしきのことで、これから復活してゆくアーセナルの守護神に、つまらない苦手意識もってほしくないです。
    勝利を目指し、一丸となって戦うチームは、負けても美しい。
    オーバメヤンの一発も、美しかった!
    とにかく、チェルシーめ、今に見てろよ(笑)

  10. ゆゆ より:

    ここまで立て直したアルテタを称賛したいです。後半はいつ失点してもおかしくなかったし、引き分けなら御の字でした。
    フロントもファンもアルテタを支持するべき。インテンシティも高いし、気持ちも入ってて、このまま突き進んでほしい。
    あとはアルテタの目差すサッカーに対して必要な選手と不要な選手の整理、補強を冬に少しでも進められれば。フロントには全面バックアップでお願いしたいです。

  11. 海苔助 より:

    ラカゼットとエジルが上手く集中力保ちながらジョルジーニョ抑えてましたね。そら疲れるわって感じです。中盤底にジャカが居ればと思わされる試合でした
    鋭い縦パスという面では、トレイラやゲンドゥージはアルテタのアンカーじゃ無いですね。ナイルズなんて意外に面白いかも知れない。或いはエルネニー戻すか
    ムスタフィやゲンドゥージが槍玉に挙がってるのは可哀想ですね。性懲りも無く第2第3のジャカを作るつもりなのかなぁと
    オバメは重要な選手ですが、クラブ以上の存在は居ないと思います。例えアルテタが売却を決断しても、あほな決断とは思いません

  12. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーファンとしては中下位チームの試合を落とすのにトッテナム・アーセナルには勝ったりするから面白いけど疲れる(笑)
    今回は素早く判断してジョルジーニョを投入したランプスの采配に拍手ですね
    最後の逆転弾を決められるFWが長らくいなかったので、タミーには本当期待です

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