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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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レッズとガナーズが順当勝ち!? 本日のWダービー・見どころチェック (2)ノースロンドンダービー

「レッズとガナーズが順当勝ち!? 本日のWダービー・見どころチェック (1)マージ―サイドダービー」から続きます。元々は南ロンドンを本拠地としていたアーセナルとトッテナムにご縁ができたのは、1913年のアーセナルのハイバリーお引越し。そして、この2クラブのノースロンドンダービーが過熱するきっかけとなったのは、95年前の1919年、当初の話と違うトッテナムの2部降格と2部5位だったアーセナルの不可解な1部昇格が、アーセナル経営陣の裏工作によって実現したと伝えられる事件からだそうです。アーセナルはその後、1930年代にリーグを5回制覇するという黄金時代を迎えており、当時のトッテナム関係者とサポーターからすれば憤懣やるかたない思いだったでしょう。ライバルとの対決では、他のゲームに輪をかけて闘志を前面に出してくるトッテナムですが、プレミアリーグにおけるここ3年のノースロンドンダービーは、アーセナルの4勝1分け1敗。今回こそ、敵地でガナーズを倒して浮上のきっかけとしたいところですが、状況は厳しいといわざるをえません。

今週のキャピタルワンカップは、アーセナルは12年ぶりの3回戦敗退、トッテナムは見事な逆転勝利でベスト16進出と明暗が分かれましたが、両者ともメンバーを落としたこのゲームは参考になりません。最近、プレミアリーグとカップ戦でフィールドプレイヤーを全員入れ替える「AチームBチーム作戦」を展開するポチェッティーノ監督のファーストチョイスは、プレミアリーグ5節でWBAに敗れたときのメンバーがベースでしょう。アデバヨル、エリクセン、ラメラを中心に、ミッドウィークに調子がよかったレノンや最終ラインのフェルトンゲンは、今回スタメンで使ってくるかもしれません。対するアーセナルは、前節のアストン・ヴィラ戦で見事なコンビを披露したエジルとウェルベックに、アレクシス・サンチェス、ラムジーが絡む攻撃でトッテナムを圧倒しようとするでしょう。ジルー、ドビュッシー、モンレアルと負傷者が多いのが気がかりですが、ディアビの復活、ギブスの復帰という明るいニュースもあり、プレミアリーグでは未だ無敗のヴェンゲル監督に大きな懸念はないでしょう。

トッテナムが今季のプレミアリーグで上位を窺うためには、QPR戦でみせたようなハイプレスとショートカウンターのサッカーを完成させるのがいいと思っているのですが、こと今回のダービーに限っていえば、とにかく後ろのスペースを埋めてボールを奪ったら素早くカウンターに転じるといった「弱者の戦略」に徹してもいいのではないでしょうか。どんな試合でも自分たちのスタイルを貫こうとするヴェンゲル監督は、中盤を支配してエジルやアレクシスの仕掛けから決めにいくというサッカーを変えるつもりはないはずです。トッテナムにとって最も重要なのは、「先に点を奪うこと」。ビハインドを取り返しにくるアーセナルの焦りを誘い、中盤でのボール奪取から彼らの弱点であるカウンターに持ち込めれば、アデバヨルが古巣へのゴールを決めるチャンスが増えるでしょう。

逆にいちばん避けたいのは、前節のWBA戦のようなスローな展開でボールをつなごうとするサッカーで、アーセナルにとって心地よい時間の進め方におつきあいすること。先制点を獲ることを考えるなら「スピードと飛び道具」を優先して、セットプレーで鬼のようなキックをみせるエリクセンはもちろん、ミドルシュートと縦への突破があるタウンゼントをスタメンで起用するのもおもしろいと思います。

一方のアーセナルは、今回も4-1-4-1にこだわるのでしょうか。プレスの強弱が試合ごとにブレるなど、戦い方が不安定な今のトッテナムなら、アルテタもしくはフラミニとラムジーをセントラルに配して、カソルラ、エジル、アレクシス・サンチェス、ウェルベックで前がかりになり過ぎずに攻める「安全運転の4-2-3-1」のほうが堅いのではないかと思います。以前に、右サイドMFをまかされたときにまったく機能しなかったラムジーは、あらかじめ前にポジションを取るより、前線の状況をみながら後ろからスペースを見つけて入っていったほうが、ゴールの期待値はむしろ上がるでしょう。トッテナムの最終ラインの前にあらかじめ人数をかけ過ぎてしまい、ペナルティエリア手前が渋滞すると、裏のスペースを突くのがうまいエジルは却って機能しづらくなります。

アーセナルの悪い時のクセは、チェンジオブペースがまったくなくなることです。同じスピードと距離感のパスをただ回すのではなく、中盤でゆっくりボールをまわしながらトッテナムの守備陣を揺さぶり、ここぞという場所を見つけたアレクシス・サンチェスやウェルベックが一気にギアを上げてパスをもらうといった攻撃ができればいいですね。チャンピオンズリーグプレーオフのベジクタシュ戦で、エジルのパスでアレクシスが右から抜けた決勝点が、私がイメージするアーセナルの成功に最も近いゴールです。

最近のインタビューで、「ヴェンゲル監督のように長期間、トッテナムで監督を続けられたら夢のようだ」と語っていたポチェッティーノ監督にとって、クラブ関係者とサポーターの注目度が上がるノースロンドンダービーは、自らの夢とチームの躍進の試金石となる大事なゲーム。これ以上チェルシーに離されたくないヴェンゲル監督も、ホームで勝ち点を落とすわけにはいきません。おもしろいタイミングで舞台が用意されたノースロンドンダービーで、不利といわれるトッテナムの逆襲はあるのでしょうか?私の予想は…いや、グーナーの相方を「負けなかっただけいいじゃない」と慰める場面を想像したくないので、明言はやめておきましょう。

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“レッズとガナーズが順当勝ち!? 本日のWダービー・見どころチェック (2)ノースロンドンダービー” への3件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    停滞してきた攻撃に、改善の兆しが見られれば
    結果は問わないつもりです

    しかし、最近のスパーズの選手の使い方?には疑問が残るというか……
    ノートンが戦力外とみなされているのは百歩譲って分かりますが
    新戦力デイビスをベンチにも置かず、ローズにこだわる姿勢はよく分かりません
    また、去年散々なプレーを見せ続けたカブールをスタメン、それもキャプテンマークを与えるなど理解に苦しみます
    ウォーカーがケガしてるのに、イェドリンを何故1年待ったんだ、とか
    言いたいことは様々

  2. ぷれみあふぁん より:

    ダービーは盛り上がりますね
    ルールダービーも見ようと思っていてダービーが3つ連続
    今日もなかなか寝れそうにありません
    そろそろスタメン発表かな

  3. makoto より:

    スパーズ推しさん>
    ベン・デイビス何で使わないんでしょうね。カブール重視、フェルトンゲン軽視な雰囲気も、どうしてなのだろうと思ったりします。

    ぷれみあふぁんさん>
    いやー、盛り上がりますね!

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