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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ウィルシャーの完璧なクロス、ルーニー2ゴール!イングランドが見事な3発でライバルを一蹴!

会場となったセルチック・パークは、凄まじい歓声に包まれています。スコットランドVSイングランド。9月にはスコットランド独立の是非について国民投票まで行われた間柄で、安全保障、EU脱退是非、福祉のあり方など、両者はさまざまなテーマで考え方が異なります。サッカーにおいては、過去110回におよぶ戦いを繰り広げてきた最大のライバル関係。1970年代以降はサポーターが起こすトラブルがたびたびニュースとなり、このカードはフーリガン問題の象徴となっていました。フレンドリーマッチではあるものの、イングランド45勝、スコットランド41勝と対戦成績が拮抗したこのゲームで、スタジアムが盛り上がらないわけがありません。

イングランド代表のホジソン監督は、控え選手を試す場にするのではないかと思っていたのですが、ルーニー、ウェルベック、ウィルシャー、ケーヒルといったチームの背骨は残してきました。この試合でチャンスを与えられたのは、GKフレイザー・フォースター、ルーク・ショーの最終ラインと、プレミアリーグで絶好調のサイドアタッカー、ミルナー&チェンバレン。私は、ベラヒーノやロス・バークリーといった若手が観たかったのですが、彼らの出番はどうやら後半のようです。

対するスコットランドは、イングランドでプレイしている選手が多いのですが、大半はノリッジやブラックバーン、カーディフなど、2部以下のクラブに所属するプレイヤー。GKと最終ラインで、プレミアリーグのピッチに立っているのはロバートソンだけです。顔ぶれだけ見れば、イングランドが楽勝しそうなのですが、なかなか簡単にいかないのが伝統の一戦です。スタメンで唯一、プレミアリーグで上位を窺うクラブにいるのが、ゼロトップ気味に前線で動き回るエヴァートンのネイスミス。彼の強烈なミドルシュートには注意が必要です。

前半苦戦したスロベニア戦とは打って変わって、この日のイングランドは積極的でした。5分には、ルーニーとウェルベックのカウンターから、最後はウェルベックの左足。12分、スコットランドのパスミスを拾ったウェルベックが、前線に残っていたルーニーにスルーパスを通そうとしますが、これはわずかに合わず。14分のダウニングのクロスはおもしろいボールだったのですが、誰も走り込めずにゴール前を横切っていきます。20分を過ぎると、ホームチームが反撃。ネイスミスがドリブルでリズムを創り、左サイドを中心に攻めるスコットランドに対して、イングランドDF陣は落ち着いて対処。クロスは上がるものの、シュートのコースをきっちりカットして、昨季までセルチックでプレイしていたフレイザー・フォースターを楽にさせます。

31分、均衡していた試合がついに動きます。世界を変えたのは、一発の素晴らしいロングパス。左サイドのハーフラインを超えたあたりから、30メートル以上あろうかという長いボールをピンポイントでチェンバレンの頭に合わせたのは、「スーパー・ジャック」ウィルシャーです!凄い凄い、これは凄い!チェンバレンが余裕を持ってゴール右隅にヘッドでそらした瞬間、セルチック・パークには歓喜とも不満とも何ともいえない、複雑な歓声が響きます。アーセナルコンビのゴールで、前半は0-1。ダウニングとウィルシャーが細かい動きでボールを受けてスペースを見つけ、チェンバレン、クライン、ミルナーらを動かすイングランドの攻撃は悪くありません。

ハーフタイムのホジソン監督は、ダウニングとケーヒルを下げ、ララナとジャギエルカを投入。後半に入って間もない47分、イングランドは最初のセットプレーを追加点につなげます。右からのキックが逆サイドに流れたところを、ウィルシャーがダイレクトでミドルシュート。DFに当たって浮いたボールを、体を捻ってゴール左に頭で沈めたのはウエイン・ルーニーでした。ゴール前で、最高のプレイをチョイスする瞬間的な判断力は、さすがワールドクラス。0-2とされたスコットランドは、50分のFKからマーティンがヘッドで右隅を狙いますが、これはフォースターが指先でクリアし、2点のビハインドは変わりません。後半も、チャンスの数が多いのはイングランド。77分、チェンバレンのグラウンダーをフリーで受けたウィルシャーの左足シュートは、力んで右にアウト。78分に途中出場のスターリングが左サイドを突破したシーンは、ラストパスがルーニーに届かずCKとなります。

劣勢だったスコットランドは、83分にようやく意地をみせます。左SBのロバートソンがドリブルで中に切れ込み、ラッセルとのワンツーを決めてフリーになると、ニアぎりぎりに突き刺す強烈な左足!1-2となり、ゲームはわからなくなったとスタジアムが騒然としたのもつかの間、2分後にエース・ルーニーがとどめを刺します。このゴールは、3人が短いパスを駆使した右サイドの崩しがお見事。ミルナーのパスをもらったララナがゴールライン際で完全にフリーになると、ラストパスを受けたルーニーは右足で合わせるだけ。1-3としたイングランドは、この後は慎重にスコットランドの反撃を抑え、仇敵との戦いを2点差の快勝で終わらせました。

フレンドリーマッチではありながら、今夜の一戦はホジソン監督のベストゲームだったのではないでしょうか。ダイレクトのつなぎも多く、左右のバランスもよかったイングランドのサッカーを、久しぶりにおもしろいと思えました。2ゴールのルーニーもさることながら、アーセナル勢が元気でしたね。週末のプレミアリーグ、アーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドが俄然楽しみになってきました。ウェルベックの左の太もも、大丈夫ですよね?

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“ウィルシャーの完璧なクロス、ルーニー2ゴール!イングランドが見事な3発でライバルを一蹴!” への2件のフィードバック

  1. makoto より:

    更新ご苦労様です。

    ハイライトを見ただけなので詳しくは分かりません。それでもウィルシャーが何か手応えを
    掴んでくれればいいと思います。ラムゼイには昨季の勢いがありませんからウィルシャーが
    本来の力を見せればすぐにでも名実ともにチームの柱になれるでしょう。

    チェンバレンは今季の覚醒枠筆頭ですよね。以前も書かせて頂きましたが怪我さえなければ
    大袈裟でも冗談でもなくエジルかウォルコットをベンチに追いやり不動のレギュラーとして
    君臨している可能性すらあると私は思っています。結果が彼に大きな自信を与えその自信が
    更に彼のプレーを良くする・・・そんな好循環が起きているのではないかと思います。

    週末はいよいよマン・U戦ですね。私にとってマン・U戦こそプレミア最大の大一番です。
    お互い怪我人が多いですが・・・・現時点でお互いが表現できる最高の試合を期待します。

    —–
    tomoさん>
    チェンバレンはおもしろかったですよ!いい選手になりましたね。ウィルシャーのパスもよかったのですが、チェンバレンのメリハリの効いた飛び出しもリスペクトしないといけません。先制点のシーンだけでなく。

  2. makoto より:

    tomoさん>
    チェンバレンはおもしろかったですよ!いい選手になりましたね。ウィルシャーのパスもよかったのですが、チェンバレンのメリハリの効いた飛び出しもリスペクトしないといけません。先制点のシーンだけでなく。

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