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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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前評判は高かったのに…イギリス紙が選んだ「プレミアリーグ・ワーストストライカーTOP50」

以前に、イギリスメディア「メールオンライン」が発表した「プレミアリーグ・ベストストライカーTOP50(Top 50 Best Premier League Strikers )」を紹介させていただきましたが、今回はその裏版。すなわち、「ワーストストライカーTOP50」をチェックしました。最初にお断りしておきますが、アンリやシアラー、カントナ、ベルカンプといったビッグネームが並んだベストバージョンに比べて、こちらはびっくりするぐらい地味でマニアックなランキングです。まあ、そうなりますよね。何せ、「活躍できずにプレミアリーグを去っていった男たち」「ベンチでくすぶり続けているプレイヤー」なのですから。

さっそく50位から41位までを紹介しますが、おお、エンゴク、パク・チュヨンの名前からスタートです。身体能力の高さに期待が寄せられたエンゴクは、リヴァプールでの3年で9ゴール、ボルトンでは同じく3年で14ゴールと空回り。パク・チュヨンのプレミアリーグ出場はわずか1試合、たったの7分でした。彼については、試合に出場できなかったことよりも、アーセナルが背番号9をつけさせたことのほうが残念です。そういえば、ピサーロも一時期、プレミアリーグにいたんですね。バイエルンとブレーメンでは素晴らしいストライカーだったのですが、チェルシーではあまりにも影が薄く、すっかり忘れておりました。

【プレミアリーグ・ワーストストライカー50位-41位】
50位/ダヴィド・エンゴグ(リヴァプール) 、49位/パク・チュヨン(アーセナル) 、48位/スティーヴ・マルレ(フラム) 、47位: マテヤ・ケジュマン(チェルシー) 、46位: デニス・ストラククアルルシ(エヴァートン) 、45位/ヴァンサン・ペリカール(ポーツマス) 、44位/フロラン・シナマ=ポンゴル(リヴァプール) 、43位/アグスティン・デルガド(サウサンプトン) 、42位/アルベルト・ルケ(ニューカッスル) 、41位/クラウディオ・ピサーロ(チェルシー)

ここに名前が載る選手は、「他国のトップクラブや、代表で活躍して期待が高かったのに沈黙」「若手時代にプレミアリーグで失敗した後、他国で開花。イングランド時代が黒歴史化」といったパターンがありますが、40位からの10人では、コヴァチェヴィッチとミトログルは前者、トマソンが後者でしょう。シェフィールド・ウエンズデイで、空中戦担当のようなプレイを強いられたコヴァチェヴィッチは高いテクニックを示せず。プレミアリーグ残留をめざすフラムの救世主になると期待されたミトログルは、負傷もあって落ちていくクラブをベンチで観ていただけ。一方、ニューカッスルで失意の季節を過ごしたトマソンは、フェイエノールトに移籍してから欧州の注目を集めるようになりました。そういえば、当時は「小野伸二とのポジション争い」が話題になってましたね。彼がいなければ、日本代表歴代トップクラスの名パサーは、フェイエノールトのセントラルMFではなく、トップ下で活躍していたかもしれません。

【プレミアリーグ・ワーストストライカー40位-31位】
40位/ヨン=ダール・トマソン(ニューカッスル) 、39位/エリック・メイヤー(リヴァプール)
38位/ダルコ・コヴァチェヴィッチ(シェフィールド・ウエンズデイ) 、37位/ジョジー・アルティドール(サンダーランド) 、36位/コスタス・ミトログル(フラム) 、35位/ロランド・ビアンキ(マンチェスター・シティ) 、34位/アンドリー・ヴォロニン(リヴァプール) 、3位/エウデル・ポスティガ(トッテナム) 、32位/グジェゴシュ・ラシャク(トッテナム) 、31位/マッシミリアーノ・マッカローネ(ミドルズブラ)

ここにいました。「他国で開花タイプ」のシンボル、30位のディエゴ・フォルラン。マンチェスター・ユナイテッドでは3年でプレミアリーグ10ゴール、トータル17ゴール。ルーニーに追われるように移籍したスペインのビジャレアルでは、リーガでいきなり25ゴール。オールド・トラフォードで観ていたときは、あんなにいい選手になるとは思いませんでした。彼は、スペインのほうがプレイしやすかったのでしょうね。フォルラン同様、イングランドの水が合わなかったのは、ルーマニア代表のモルドヴァン。コヴェントリーで沈黙した前後のシーズンは、スイスとトルコでゴールを量産していたので、イングランドの小規模クラブの放り込みサッカーとの相性が悪かったのでしょう。プレミアリーグでは、中堅クラブがテクニシャンを獲得して失敗する、というケースがときどきあります。スウェーデン代表としてワールドカップでも4ゴールを挙げたダーリンは、完全に賞味期限切れでした。

ミドルスブラでノーゴールだったイ・ドングクは、「デイリー・メール」による2007-08シーズンのワーストストライカーだったそうです。アジア人のストライカーは、フィジカルが強いDFが揃ったプレミアリーグは難しいのでしょうか。それでも、名前が出るだけいいです。李忠成と西澤明訓は…。過去の歴史をひもとけば、ソン・フンミンや岡崎慎司には、「絶対来るなよ!」といってあげたほうがいいかもしれません。

【プレミアリーグ・ワーストストライカー30位-21位】
30位/ディエゴ・フォルラン(マンチェスター・ユナイテッド)、29位/セルゲイ・レブロフ(トッテナム) 、28位/アンドレアス・ルンド(ウインブルドン) 、27位/アンドレアス・アンダーソン(ニューカッスル) 、26位/マルティン・ダーリン(ブラックバーン)、25位/ミケーレ・パドヴァノ(クリスタル・パレス) 、24位/イ・ドングク(ミドルズブラ) 、23位/ヴィオレル・モルドヴァン(コヴェントリー) 、22位/アンドレアス・シレンツィ(ノッティンガム・フォレスト) 、21位/ミルトン・ヌニェス(サンダーランド)

さあ、いよいよトップ20です。ランキングが上位にいくにつれてビッグネームが増え、盛り上がったベストストライカーに比べて、何とも微妙なリストとなりました。観たことのない選手はいないはずなのですが、率直にいうと「知らない選手、忘れている選手だらけ」です。ディナモ・ザグレブでは安定的にゴールを決めていた1位のバラバンは、アストン・ヴィラの2年半で8試合ノーゴール。3位のジェイソン・リーは、ヘアスタイルしか話題にならなかった選手でした。ここで注目は、ラドチョウ、ブロリン、シェフチェンコでしょうか。

【プレミアリーグ・ベストストライカー20位-1位】
20位 /シスコ(ニューカッスル)
19位 /ブレット・アンヘル(エヴァートン)
18位 /リリアン・ラスランド(サンダーランド)
17位 /コッラード・グラッビ(ブラックバーン)
16位 /リッキー・ファン・ウォルフスウィンケル(ノリッジ)
15位 /ダヴィド・ベリオン(ウエストハム)
14位 /フロリン・ラドチョウ(ウエストハム)
13位/マリオ・ジャルデウ (ニューカッスル)
12位/ダニエル・コルドーネ(ボルトン)
11位/ショーン・ダンディー(リヴァプール)
10位/ジョー (マンチェスター・シティ)
9位/アデ・アキンバイー(ノリッジ)
8位/ステファン・ギヴァルシュ (ニューカッスル)
7位/アンドリー・シェフチェンコ (チェルシー)
6位/アフォンソ・アウヴェス (ミドルズブラ)
5位/トーマス・ブロリン (リーズ)
4位/アンドレアス・コルネリウス(カーディフ)
3位/ジェイソン・リー (ノッティンガム・フォレスト)
2位/マルコ・ブーガーズ (ウエストハム)
1位/ボシュコ・バラバン(アストン・ヴィラ)

ワールドカップやユーロで活躍したラドチョウは、ウエストハムで過ごした1年半でたったの2ゴール。リーズやクリスタル・パレスの経営陣は、スウェーデン代表で素晴らしいプレイを披露していたブロリンが、26歳で下り坂に入ってしまうなど、想像もできなかったでしょう。そして、シェフチェンコ。チェルシーでの2年間で22ゴールは、数字だけみると悪くないようにみえるのですが、プレミアリーグに限れば9ゴール。移籍直前のセリエAで17ゴールを挙げ、当時はACミランの絶対的エース。移籍金60億円超という鳴り物入りだったことを思い出せば、やはり期待はずれだったといわざるをえません。

高額移籍金、チェルシー、ACミランといえば、シェバと逆コースを辿ったあのストライカーを思い出します。リヴァプールでの活躍を考慮に入れず、チェルシー時代だけで評価すれば間違いなくこちらのランキングに顔を出す彼は何位だったのでしょうか。新天地ACミランで10試合1ゴールと復活の兆しはなく、試合後の採点でチームワーストの常連となっているフェルナンド・トーレス。彼もまた、大きなケガにスピードとスキルを奪われ、20代後半で終わってしまったブロリンのような選手だったのかもしれません。(ボシュコ・バラバン 写真著作者/Suradnik13)

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“前評判は高かったのに…イギリス紙が選んだ「プレミアリーグ・ワーストストライカーTOP50」” への4件のフィードバック

  1. ASAP より:

    単に「セリエAからプレミア」の逆コースというだけでなく、
    「リーグを替えることで点が穫れなくなった」という
    ネガティヴィティについても逆コースを、
    つまり、返り咲いて欲しいという思いがあったのですが…
    往時の輝きを知るだけに歯がゆいものがありますね…

    それにしても、Atlético Madridで神童と騒がれていた彼も、もう30歳なんですね…

  2. とっとこ肘太郎 より:

    トーレスはミランいってもキツそうですね…
    環境変えたら復活するような想像すらできないレベルでしたからね…

  3. a より:

    ここにファルカオの名前が挙がるようなことにならないといいんですけどねぇ……。

  4. makoto より:

    ASAPさん とっとこ肘太郎さん>
    応援していたのですが、チェルシー時代と同じ結末になりそうな雲行きです。そう、もう30歳なんですね…。

    aさん>
    可能性は充分ですね…。巻き返しを期待しています。

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