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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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一寸先は眩い光!プレミアリーグ2月MVPはハリー・ケイン、最優秀監督はトニー・ピューリス!

人の運命は、とかくわからないもの。ましてや物事のスピードが速いサッカー界では、2ヵ月前には想像もできなかったことが普通に起こります。年末まで、プレミアリーグでは先発で使ってもらえなかったストライカーと、シーズン開幕直前に辞任したため、今季はプレミアリーグのベンチでその姿を見ることはないだろうと思われていた監督。3月13日に発表されたプレミアリーグ2月の月間MVPはトッテナムのハリー・ケイン、最優秀監督はWBAの手綱をとる名将トニー・ピューリスです。ハリー・ケインは、1月に続いて2ヵ月連続の受賞ですね。素晴らしい。サポーターのみなさん、関係者のみなさん、おめでとうございます!

プレミアリーグ開幕からの10試合、トッテナムのワントップは9試合までがアデバヨル。残りひとつはソルダードで、ハリー・ケインは、どこのクラブにもいる「ときどき使われる若手」のひとりでした。マンチェスター・ユナイテッドならマクネアやジェームズ・ウィルソン、チェルシーはズマ、リヴァプールでいえばマンキージョ、あるいはちょっと年齢は上ながらボリーニ、といった立ち位置でしょうか。そのままアデバヨルが爆発していれば、今季のハリー・ケインのプレミアリーグは途中出場中心。20試合ほど出場して2~3ゴールを決め、ヨーロッパリーグや国内カップの勝てそうな試合でスタメンを張るぐらいで終わっていたかもしれません。ルーニー、スタリッジに加えてベラヒーノやスターリングなどの若手有望株が台頭しているイングランド代表など、夢のまた夢。ダニー・イングスやチャーリー・オースティンの名前は出ても、ケインの名前は聞かれなかったに違いありません。

ところが、頼みのアデバヨルが不発。ソルダードにもスペイン時代のクオリティを取り戻す気配はありません。ハリー・ケインのターニングポイントは、10節のアストン・ヴィラ戦。ラスト1分で決勝ゴールを叩き込み、次戦のストーク戦で今季プレミアリーグ初スタメンをゲットします。2試合めのハル・シティ戦で貴重な同点ゴールを決めると、ここから大ブレイク。初スタメン以降は19試合出場で15ゴールと、アグエロをしのぐ得点率でトッテナムのエースに定着しました。イングランド代表のホジソン監督も、ルーニーの相棒をどうしようか、今まで以上に悩んでいるでしょう。昨日、代表監督はオールド・トラフォードに顔を見せていましたが、マンチェスター・ユナイテッドの選手についてはあくまでもコンディションの確認で、注目していたのはハリー・ケインやライアン・メイソンだったのではないかと思われます。

2月はプレミアリーグ3試合で4ゴール。1月の4試合5ゴールに続いての固め撃ちは、連続MVPも納得です。ドリブルで突破でき、シュートも強烈。ヘディングでも競り合えるオールラウンダーぶりは、ポチェッティーノ監督にとっても重宝でしょう。さらに上にいくには、ジエゴ・コスタやルーニーのようなDFとの駆け引きと、スタリッジのようなボールを呼び込む動きに磨きがかかればいいのではないでしょうか。若い世代で、イングランドを背負って立ちそうな選手がようやく出てきたなと思います。今季、ハリー・ケインは得点王に上り詰めることができるでしょうか。ライバルとなるジエゴ・コスタとの2差は、上位対決をマンチェスター・シティ戦しか残していないケインにとっては充分射程圏内だと思います。

そして、最優秀監督のトニー・ピューリス。この方は、ホントに凄いですね。 WBAを解任されたアーバイン監督の後を受けたのは1月頭。以来、プレミアリーグ8試合で3勝3分け2敗。2月は2勝2分けと無敗で、勝った相手がスウォンジーとセインツというのが素晴らしいです。過去、ビミョーなクラブばかり、のべ8クラブを率いて降格は1度もなし。今季開幕直前に補強を巡ってクリスタル・パレスのフロントとぶつかり電撃辞任したように、経営陣とのケンカが多くてストークとジリンガム以外で長続きしたことがないのは玉にきずではありますが、残留請負人としての実績はトップクラスです。今回の最優秀監督受賞に際してのコメントが、またカッコいい。

「今、私たちがしなければならないことは、今シーズンのプレミアリーグで上位を確保することだ」

上位!目線は、上を向いていたのですね。この時期になると、下位のクラブの監督が「残留ラインは勝ち点33になるだろう」などと足元を見ながらコメントしたりしますが、ピューリス監督は、勝ち点6差まで迫ったアラダイス監督のウェストハムをかわし、TOP10に入ることを見据えているようです。上位クラブと中堅クラブの勝ち点6は重さが違うので、逆転したら快挙ですね。ダンゴレースだったとはいえ、年末降格候補だったクラブをトップ10に押し上げるというのは、並大抵のことではありません。直近のゲームでサンダーランドにアウェイで0-4大勝と、突然ゴールの決め方を思い出したアストン・ヴィラのシャーウッド監督ともども、プレミアリーグにキャラの立った監督が戻ってきたのは、ファンとしてはうれしい限りです。

おふたりとも、お見事!ハリー・ケインは3月も3戦2ゴール。21日にレスターから2発以上決めれば、3連チャンの可能性もありますね。自身の得点王とクラブの欧州チケット獲得をダブルで実現すべく、これからも豪快なゴールを披露していただければと思います。

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“一寸先は眩い光!プレミアリーグ2月MVPはハリー・ケイン、最優秀監督はトニー・ピューリス!” への6件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    今年に入ってからのケインは凄まじいですね
    若手選手は大好物なのでニヤニヤが止まりません
    これからも成長し続けてスケールの大きな選手になってくれたらいいですね
    ただそうなるとクラブの先輩ベイルさんみたいにスペインにいっちゃうかもしれないんですよね
    そんな選手もプレミアでずっと観ていたいなあ

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ルーニーやランパード、ジェラードみたいにプレミアリーグの顔になってくれたらうれしいですね。経済的な状況は追い風なので、いま一度プレミアリーグが欧州で勝てるようになれば、今後はそういう選手も増えてくるのではないかと期待しています。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ケインの彗星っぷりはオーウェンを思い出しますね。
    彼はまだ出てきた時は10代でしたが・・・
    当時は若きオーウェンとジェラードにリバプールの未来を重ねたもんですが、ケインはどうなるんでしょうね

  4. ぐら より:

    ピューリスはやっぱり素晴らしい監督ですよね!
    上位に対して割り切った戦い方もできますし…
    またいつかストークに戻って欲しいです!

  5. ガナユ より:

    ピューリス監督は何処でも結果を出していますが、ピューリスの結果を出す凄さというのは具体的に何処にあるのでしょうか?教えて頂けると有り難いです

  6. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ハリー・ケインは、海外にはいかないほうがいいのではないかと思います。イングランドのストライカーは、みんなパッとしない結果で帰ってきますからね…。

    ぐらさん>
    そうなんです。かっこつけないんですよね。

    ガナユさん>
    あくまでも私の見立てですが、
    1)ブレない、徹底度が高い
    2)上位の嫌がる「弱者のサッカー」を知っている
    3)適材適所がうまい
    4)戦術がシンプルで役割明確。選手に考えさせすぎない
    といったところだと思います。

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