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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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昨季は59億円の黒字!今やプレミアリーグの成功モデルとなった、素晴らしきサウサンプトン

古くはアラン・シアラー、マット・ルティシエ。最近ではガレス・ベイル、アレックス=オックスレイド・チェンバレン、テオ・ウォルコット、ルーク・ショー、アダム・ララナ、カラム・チャンバース。イングランドとウェールズの代表チームにこれだけの人材を輩出したサウサンプトンのアカデミーの素晴らしさは有名ですが、クラブにはまだジェイ・ロドリゲス、ウォード=プラウズ、ナサニエル・クライン、ハリソン・リードという有望株が残っているのだから驚きです。そしてこのたび、さらに素晴らしいと感服させられたのが、セインツの2013-14シーズンの黒字額が59億円だったというイギリスメディア「BBC」の報道。「生え抜きだけのスタメンを作りたい」と語っていた優秀な経営者、ニコラ・コルテス会長が去った後も、セインツの経営は順調のようです。

ララナやショーに加え、リッキー・リー・ランバートやデヤン・ロブレンなど主力放出で入ったお金を補強にまわし、グラツィアーノ・ペッレ、タディッチ、マネ、フォースター、アルデルヴァイレルト、バートランドなどを獲得。なかなかのレベルの選手を集めながらも、夏の移籍収支は69億円のプラスで、クラブはチャンピオンズリーグ出場権を争うまでにジャンプアップ。セインツの収益は、2012-13シーズンの7180万ポンド(約127億円)から昨季は1億600万ポンド(約187億円)と大きく伸びています。テレビ放映権料の恩恵が大きいのは間違いありませんが、「的確にお金を遣う」「儲けながら強くなる」のは簡単なことではありません。

昨夏、インターナショナルクラスの選手を大量に補強したマンチェスター・ユナイテッドのファン・ハール監督や、リヴァプールのロジャース監督がチーム作りのために4ヵ月以上苦しんだことを考えれば、半数以上の主力を入れ替えて順位を上げたロナルド・クーマン監督はお見事。イングランド人選手のレベルダウンに危機感を抱いたFAがホーム・グロウン制度の変更を検討している昨今、セインツの若手育成とスマートな経営手法はプレミアリーグの中堅クラブの鑑です。彼らはきっと、今年の夏の移籍市場でも、シュナイデルランやナサニエル・クライン、あるいはジェイ・ロドリゲス、獲ったばかりのグラツィアーノ・ペッレまでプレミアリーグのトップクラブやイタリアに抜かれ、後釜探しに苦しむに違いありません。

しかしそれでも、来季のセインツもまた、上位にとってやっかいなクラブであり続けるのではないでしょうか。いや、そうあってほしい。そして願わくば、ヨーロッパリーグに出場する欧州各国の強豪たちにもセインツの強さを感じてほしい。…チャンピオンズリーグと言いかけて、マンチェスター・ユナイテッドの順位を思い出して手を引っ込めてしまい恐縮ですが、セインツが魅力的であることは、プレミアリーグがおもしろくなることであり、他の中堅クラブが元気になるエッセンスでもあると思います。そんなチームでレギュラー争いをしている吉田麻也は、われわれの誇りですね。来季、欧州で活躍している彼の姿を見たいです。がんばれ!

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“昨季は59億円の黒字!今やプレミアリーグの成功モデルとなった、素晴らしきサウサンプトン” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    セインツですが、いい意味で今季は期待を見事に裏切ったチームですね。
    もしELに出場した場合は、来シーズンは苦しむのではないかと想像してしまいますが、クーマンの戦術を駆使したセインツがどこまでやるか、ヨーロッパの舞台で観たい気もします。

  2. makoto より:

    Macki さん>
    クーマン監督が、さっそく選手層を危惧してましたね。今季のエヴァートンみたいにならなければいいなと思います。

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