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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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FIFAランキング9位でイングランドを逆転、ユーロ出場リーチのウェールズ代表ってどんなチーム⁉

今、欧州ではウェールズ代表が話題になっています。トピックスは2つで、ひとつはFIFAランキング。ユーロ2016予選でベルギーと同じグループBに入ったウェールズは5勝2分けで快調に首位を走っており、FIFAランキング9位に上昇。8位だったイングランドが10位に順位を下げたため、1993年のランキング創設以来、ウェールズは初めてイギリス4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)のなかでトップに立ちました。イングランド代表はプレミアリーグのトップクラブに所属する選手ばかり、片やウェールズはプレミアリーグ所属は半分で、フットボールリーグ(2部以下)の選手がゴロゴロいるチームなので、やはりこれは快挙です。

もうひとつのニュースは、3日に行われたアウェイのキプロス戦を手堅く勝ったこと。これによって、ウェールズは7日にホームで戦うイスラエルとのゲームに勝てば、初めてのユーロ本大会出場が決まります。ベンテケ、アザール、デブライネを擁するベルギーに1-0、0-0と1勝1分け。2試合連続で強力な攻撃陣相手にクリーンシートを達成したウェールズとは、一体どんなチームなのでしょうか。

ウェールズ人選手と聞いて、思い浮かぶ名前は誰でしょう。一にガレス・ベール、二にアーロン・ラムジー。プレミアリーグを観続けている方なら、リヴァプールのジョー・アレンやトッテナムのベン・デイヴィスの名前までは出てくると思われます。アシュリー・ウィリアムズ?そうですそうです、スウォンジーのCBは、プレミアリーグでもっと評価されていいのではないかと思います。クリスタル・パレスのセントラルMFレドリーはチームの中心選手ですが、所属クラブではマッカーサーとキャバイェの控えで、今季の出場時間は4試合でわずか14分です。今回のキプロス戦、イスラエル戦に招集されたメンバーをご覧ください。所属クラブを見ると、プレミアリーグの中堅以下とフットボールリーグのクラブで占められているのがわかります。この並びのなかでは、アーセナルとレアル・マドリードが輝きまくっています。

【2015年8月26日召集 ウェールズ代表メンバー】
■GK
ヘネシー(クリスタル・パレス)、フォン・ウィリアムズ(トランメア)、
ウォード(アバディーン)
■DF
テイラー(スウォンジー)、アシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー)、
リチャーズ(フラム)、チェスター(WBA)、
ベン・デイヴィス(トッテナム)、コリンズ(ウェストハム)、
グンター(レディング)、ヘンリー(ブラックバーン)
■MF
ウィリアムズ(スウィンドン)、マクドナルド(ボーンマス)、
キング(レスター)、エドワーズ(ウォルバー・ハンプトン)、
レドリー(クリスタル・パレス)、ラムジー(アーセナル)
■FW
ベイル(レアル・マドリード)、チャーチ(ミルトン・キーンズ・ドンズ)、
サム・ヴォークス(バーンリー)、ローレンス(ブラックバーン)、
コッテリル(バーミンガム)、ロブソン・カヌ(レディング)

彼らのサッカーは、簡単にいえば「堅守速攻」、もっとわかりやすくいうと「FCベイル」です。ベルギー戦とキプロス戦を観ましたが、前からプレスをかけて、そこでボールを奪えなければさっと引いて中央を固め、ミドルシュートとクロスをケア。マイボールになると、ラムジーやレドリーが縦にフィードして前線のベイルとハル・ロブソン・カヌを走らせます。キャバイェが入る前のクリスタル・パレスが強豪クラブと戦うときのようなバレバレの攻撃なのですが、何しろガレス・ベイルです。アルデルヴァイレルト、デナイエル、フェルトンゲンらがハードにチェックしてくるベルギーでも、なかなかボールを奪えません。

6月にベルギーが負けたのは、ナインゴランがこともあろうにオフサイドポジションにポツンと残っていたベイルにバックパスしてしまうという最悪のミスを犯したことと、トップ下に入ると3割引になりがちなアザールが輝かなかったからです。後半、バテて全体的に下がってしまい、ベイルが足をつっていたウェールズに、ベルギーが徹底してサイドをえぐりにいけば負けることはなかったでしょう。カードを2枚しか切らなかったヴィルモッツ監督は、シャドリ、ミララスのような選手を投入してもよかったのではないかと思います。

キプロス戦は、「守りは多人数、攻めは少人数」というまったく同じタイプのチーム同士のゲームだったため、チャンスはミドルシュートのみとなってしまいましたが、ベイルのヘディングシュート一発でしぶとく勝利しました。ユーロ予選で7試合2失点、3点獲ったのは3月のイスラエルとのアウェイ戦のみ、勝利は基本的に1点差でドローはスコアレス。ゴールはベイルの個人技か、ラムジーのセットプレーからのヘッドかといった引き出しの少ないチームを、クリス・コールマン監督はよくぞここまで持ってきました。サッカーは選手の名前やお値段でやるものではなく、組織的な守備を構築して戦術を徹底できれば、無名選手の集まりでもここまでやれるのだという見本です。とはいえ、ガレス・ベイルだけは別世界です。スピードに乗ると、誰も止められませんから。ホントに。

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“FIFAランキング9位でイングランドを逆転、ユーロ出場リーチのウェールズ代表ってどんなチーム⁉” への2件のフィードバック

  1. 汗かきスター より:

    更新お疲れ様です。
    ウィリアムズは、足が遅い事に難がある為、上位クラブで活躍する事は難しいかもしれませんが、プレミアにがっちりフィットするタイプで、良い選手ですね!
    ウェールズ、スコットランドなど、良い選手が多くなっています。このまま若年層が育たなければイングランドジリ貧かもしれませんね…英国4ヶ国では、無いですがアイルランドも良い選手が沢山居ますし…
    ウェールズは、たらればですが、このチームのベンチに座っているのが、スピードならなぁと思ってしまいます。淋しさをいつも感じてしまいますね…

  2. 新参 より:

    ラムジーは代表でシンプルなサッカーをすることによって、アーセナルのときのボールを持とうとしてこねくり回す癖が解消に向かうといいなと感じます。

    カソルラ、エジル、サンチェスに簡単にパスをはたき、ゴール前に飛び込むプレーがラムジーの理想と思います。

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