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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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彼こそがジェラードの後継者!王様シェルヴィが前線を操り、イングランドは6発大勝!

ユーロ予選の第7戦をサンマリノの本拠地スタディオ・オリンピコ・ディ・セラヴァッレで戦うイングランドには、プレミアリーグで好調な選手が揃っています。GKは今季無失点のジョー・ハート。両SBにナサニエル・クラインとルーク・ショー、CBにはエヴァートンコンビのストーンズ&ジャギエルカ。ロス・バークリー、シェルヴィ、チェンバレンといった若い中盤にベテランのミルナーが加わり、トップには、ホジソン監督の予告通りのジェイミー・バーディと大黒柱ルーニーです。この試合をイングランドが勝てば、ユーロ本大会出場が決まります。プレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドに逆転勝ちしたスウォンジーを牽引するシェルヴィは、序盤から積極的に長いパスを繰り出しています。

実力に大きな差があるサンマリノ相手に攻め込みながらも、イングランドは10分までシュートを打てません。しかし12分、ミルナーのFKがゴール前に上がるとジョン・ストーンズがハンドを取られたと思いきや、主審のジャッジはPKです。パラッジがストーンズのユニフォームを引っ張ったという判定でしょうか。PKスポットに立つのはルーニー。サー・ボビー・チャールトンに並ぶ代表通算49ゴールめは、右に飛んだGKの逆を突いた落ち着いたキックでした。

左右からジェイミー・バーディとチェンバレンが再三仕掛けるものの、やはりシュートがない時間が続くイングランド。19分、縦パス1本に左から抜け出したルーニーが左足で強いシュートを放つもGKに弾かれ、フォローしたミルナーのヘッドもGKの正面へいってしまいます。26分に左から斬り込んだミルナーのミドルはゴールの左。27分にシェルヴィのロングスルーパスに走り込んだバーディは、果敢にペナルティエリアから出てきたGKシモンチーニに先に触られます。

なかなか決定機が創れなかったイングランドは、30分に幸運な2点めを追加しました。左SBルーク・ショーのクロスは、ブロリがヘッドでのクリアをミスしてオウンゴール。勝負は決まりですが、イングランドのサッカーが単調なのが気になります。ロス・バークリーのポジションが深すぎ、さばくプレイに終始しているので、攻撃はシェルヴィのロングフィードと左右からの突破しかありません。今季はプレミアリーグでいいスタートを切ったバークリーが前でボールを受ける機会が増えれば、攻撃にバリエーションができてくるでしょう。43分に相手のクリアを拾って右から強く狙ったチェンバレンのシュートはシモンチーニがセーブ。0-2でハーフタイムを迎えると、後半に入ってわずか14秒でアウェイチームに3点めが入ります。

右サイドをドリブルでえぐったのはチェンバレン。マイナスのクロスをヘッドで叩き込んだのは、どフリーだったロス・バークリーです。21歳の若いMFは、意外にもこれが代表初ゴール。イングランドはセカンドハーフも一方的にゲームを支配します。57分、ホジソン監督が2枚代え。ミルナーをデルフ。プレミアリーグで調子が上がらないルーニーは、代表でもチャンスボールを活かせないままハリー・ケインに後を託します。67分、チェンバレンに代わってウォルコットが入ると、ファーストタッチで代表では2年ぶりのゴールを決めます。左サイドでいい連携を見せていたルーク・ショーとデルフがワンツーで崩し、デルフのグラウンダーをファーサイドから走り込んだアーセナルのサイドアタッカーが合わせました。

77分、この日いちばんきれいなゴールが決まります。シェルヴィがDFラインの裏に通したスルーパスは、背筋がぞくぞくするような素晴らしいボールです。ルーニーにはなかった落ち着きで、ループシュートを左隅に落としたのはハリー・ケイン!22歳のストライカーは、代表3試合めで既に2ゴール。これをきっかけに、そろそろプレミアリーグでも彼のゴールが見られるのではないでしょうか。78分の6点めも、始まりはロス・バークリーが空いているのをめざとく見つけたシェルヴィの高速パスからでした。3人を引きつけたバークリーのラストパスにGKと1対1になったのはウォルコット。右足インサイドで流し込んだシュートは文句なしでした。

試合はこのまま0-6で終了。この試合最大の収穫は、スティーブン・ジェラードのように中盤から前線の選手を操ったジョンジョ・シェルヴィでしょう。守備で試されるシーンが少ない試合だったため、ホジソン監督は即レギュラーのハンコは捺せないとは思われますが、強豪国相手でも今日のレベルのプレイができれば、負傷から戻ってきたジャック・ウィルシャーは居場所を失うかもしれません。ハリー・ケインとウォルコットが見事なゴールを決めたのも、本大会に向けての試金石となるスイス戦を控える指揮官にとっては大きいでしょう。チェンバレンは単調ながらも突破はまずまず。GKとCBは、あまりのワンサイドにメインミッションとなる仕事がもらえなかったので何ともいえませんが、ルーク・ショーとナサニエル・クラインは悪くなかったと思います。

一方で懸念はルーニーです。トラップもままならない緩慢な動きは、今まで見たことがないぐらいのスランプです。キャプテンに何があったのでしょうか。9日のスイス戦では、完璧なゴールを決めてイングランド代表の通算ゴール数のレコードを更新してほしいところです。クラブに戻れば、彼の代わりとなるのはプレミアリーグ経験がないデパイとマルシアルしかいないのですから…。(ウェイン・ルーニー 写真著作者/Илья Хохлов)

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“彼こそがジェラードの後継者!王様シェルヴィが前線を操り、イングランドは6発大勝!” への3件のフィードバック

  1. サージェントペパーズ より:

    更新お疲れ様です。
    前半は何とも退屈な試合で眠気が襲ってきましたが、後半はなかなかおもしろく、嬉しくなる場面が多かったゲームでした。

    ルーニーは、クラブ・ブリュージュとの試合でケチャップの蓋は開いたと思ったのですが…本当にどうしたんでしょうか。マンチェスターに帰ったら次節、彼の大嫌いなチームがやってくるわけですが、そこでの奮起に期待したいですね。
    とはいいつつも私はそこのサポーターですのでお手柔らかにお願いしたいというのが本音なんですが。笑
    けれどもデビューから十数年、多くの衝撃を与え、プレミアリーグ盛り上げてくれいるルーニーに元気がないのは寂しいですからね。まだまだリーグの象徴として頑張ってほしいです。

  2. ペドロ より:

    おはようございます。いやぁーシェルビー良かったですね。しかしサンマリノ相手に攻めてを欠く印象、今日のメンバーにスターリング一人で大きく変わるとも思え無いんですが。シェルビーが良かった後になんですが、個人的にはスパーズのメイソンを使ったら面白いと思うんです。まだまだ及びませんが、今後の成長次第ではnextキャリックは彼なんじゃ無いかなと勝手に思ってます。(情報疎くてスミマセン、キャリックって代表引退してましたっけ?引退して無いなら使ってますよね 汗)管理人さんの目から見てルーニーはどう映ります?チェルシーサポの私にはゴール前で昔の迫力を感じ無いんです。去年と一昨年中盤メインになった以降ですね。心の中では「だからあの時チェルシーに来とけば良かったんだよ」と思ってます(笑)

  3. makoto より:

    サージェントペパーズさん ペドロさん>
    シェルヴィ、抜群によかったですね。スウォンジーで周囲の信頼を得て結果を出せている自信がそのままプレイに乗っかっている印象でした。ルーニーは、ストライカーとしての嗅覚やセンス云々の手前の問題で、トラップミスが多く集中できていないように見えます。中盤をやる機会が増えたとはいえ前線でもプレイしており、ここ2シーズンで29ゴールを挙げているので、ストライカーとして錆びつくようなことはないと思うのですが…。マンチェスター・ユナイテッドでは下がりすぎる傾向があるものの、代表ではさほどでもないので、焦りが大きいのではないかと思います。

    ライアン・メイソン、楽しみな選手ですね。ヘンダーソン、ウィルシャー、デルフ、シェルヴィ、ライアン・メイソンといて、さらに若手にはロフタス=チークやウォード=プラウズ。ロス・バークリーもセントラルで起用してもおもしろい選手なので、ここから2~3人が上がってくれるとイングランドも強くなりそうです。私は、シェルヴィとヘンダーソンをセントラル、バークリーがその前というフォーメーションが好みです。

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