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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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中盤の構成力に圧倒的な差…プレミアリーグ勢が活躍のスペインがイングランドに完勝!

プレミアリーグとリーガ・エスパニョーラは、近年まで欧州ナンバーワンリーグの座を争っておりましたが、代表ではイングランドとスペインの実力差は開くばかりで、最近はクラブレベルでも明確に水をあけられています。昨夜のフレンドリーマッチ、エスタディオ・ホセ・リコ・ペレスで行われたスペインVSイングランドは、スペインのホームだったとはいえ、2-0完敗。スコア以上に両者には差があったのは間違いありません。イングランドの先発メンバーにはキャプテンのルーニーの名前がなく、トップはハリー・ケイン、2列めにスターリング、ロス・バークリー、ララナという若い布陣です。2センターにキャリックとデルフ、最終ラインは両サイドにカイル・ウォーカーとバートランドが入り、スモーリングとフィル・ジョーンズのマンチェスター・ユナイテッドコンビが中央です。GKのジョー・ハートは、キャプテンマークを巻いています。

単純な決定機の数でいえば、ややスペインが多いぐらいで、イングランドにも多くの惜しいシーンがありました。7分に敵陣でボールを奪い、ロス・バークリーが放った左足ミドルや、28分に速攻からバートランドがハリー・ケインにグラウンダーを通したシーンは、的確にボールを捉えていればカシージャスを破ることができていたでしょう。67分に自ら持ち込んでニアを狙ったハリー・ケインのミドルも、右に切れたもののきわどいシュート。2-0となりスペインの守備が緩くなっていたとはいえ、91分にカイル・ウォーカーのクロスをボレーで合わせた途中出場のルーニーの一撃はクロスバーを叩いています。

イングランドの単発の攻撃にはいくつか見るべきものはあったものの、中盤の構成力とサイドの守備ではスペインが圧勝でした。左SBのバートランドはアルカセルに何度も裏を取られてしまい、プレミアリーグではロホにまかせておけば大抵は止まるスモーリングは、中と外を同時にケアする作業で神経をすり減らしたでしょう。バートランドは、今日の出来ではレイトン・ベインズやルーク・ショーに取って代わられ、ユーロ本番のピッチを踏む機会はないと思われます。スターリングも、パスワークでかわされた後にボールウォッチャーになるシーンが多く、左サイドは散々。デル・ボスケ監督がイニエスタをノリートに代え、後半から4-3-3にスイッチしたのは、イングランドのサイドの脆弱さを突けばいずれ点は入ると考えたからでしょう。

後半は、カイル・ウォーカーの右サイドで守備が1枚足りなくなるシーンが目立ち、ジエゴ・コスタやノリートに何度も危険なシーンを創られました。セスク、カソルラ、ブスケツらがテンポよくパスをまわし、前が空いたと見るやすかさず速いパスを差し込む攻撃は爽快です。64分にマタと代わったジエゴ・コスタも、最近のチェルシーでのプレイのようにサイドに逃げる動きはなく、あらためて中央では怖い選手だと思いました。CBとの駆け引きで明らかに優位だったジエゴ・コスタと、秀逸なパスを連発していたセスクを擁するクラブが、プレミアリーグで優勝争いをしていないのが不思議でなりません。72分、マリオ・ガスパールの素晴らしいバイシクルを引きだしたのは、中盤から浮かしたセスクのラストパスでした。

84分のダメ押しゴールは、ジョー・ハートのミスキックをセスクがヘッドで競り勝ち、ペドロがノリートに落として最後はカソルラ。こうして見ると、スペインの前線と中盤にもプレミアリーグ所属の選手が大勢います。これだけいい顔ぶれが揃っているプレミアリーグは、メッシやネイマール、スアレス、クリスティアーノ・ロナウドがいるクラブに勝てるかはともかくとして、欧州のベスト4にはいかないといけませんね。

ロス・バークリーやエリック・ダイアー、シェルヴィの成長に期待するとしても、デルフ、ララナは欧州のトップレベルではやはり小粒で、イングランドの中盤にはベッカム、ランパード、ジェラードの後釜がいません。ユーロでもベスト8に行ければ上々、それ以上を狙う国になるには、相当時間がかかりそうです。最後に、ひとつだけ。ベンチにシェルヴィがいたのに、なぜキャリックをフル出場させようとしたのでしょうか。サポーターのエゴだとは重々承知ながら、追加タイムに負傷してしまった背番号4を見て、取り乱してしまいました。攻守のハブを失ったマンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、本日いちばんのトピックスは、これです。やばい…。

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“中盤の構成力に圧倒的な差…プレミアリーグ勢が活躍のスペインがイングランドに完勝!” への4件のフィードバック

  1. abc より:

    キャリックの負傷についてひとこ
    『ホジソンだから』
    これがすべてだと思います

    イングランドの本大会での戦い方は、カウンターが基本になるはずなので
    シェルベイやキャリック、ヘンダーソンには期待したいですね

    リバプールファンとしてはララーナにもがんばってほしいですが
    彼はできることが少ないので難しそうかな~

  2. タカシ より:

    キャリックのフル出場はそこまでおかしいことでも無いと思いますよ。怪我は残念ですが監督を責めるのも少し違うと思います。
    しかしせっかくの強豪との親善試合もこの怪我人の多さでは軸となるべき選手が定まりませんね。スターリッジ、ウォルコット、ウェルベック、ヘンダーソン、ウィルシャー、ベインズ、ショーと余りにも多過ぎます。特にウィルシャー、ヘンダーソン、デルフの中盤は補完性が高く強豪相手に見てみたい組み合わせだったのですが。更にフランス戦も中止になりそうでイングランドにとっては向かい風ですね。
    スペインのプレミア勢は良かったですね。しかし中心となってるチェルシーの選手達は調子を上げれるでしょうか。

  3. 新参 より:

    最近、セントラルMFルーニーを試して欲しいなって考えてます。ファーガソン時代に「本職、FWだよな?」と思ってしまうほど、ミドルレンジのパスをサイドに通していた印象があります。キープ力も、ミドルシュートもあるので適役だと思うんすけどね…
    フォワードがいないユナイテッドでは厳しいかもしれませんが、代表で見てみたいです。

  4. makoto より:

    abcさん タカシさん>
    ありがとうございます。私も、おかしいことだとは思っておりません。招集した選手をどう使うかは、代表監督が決めることであり、クラブと特別な話をしていない以上は自由です。残念なニュースに、少しだけこぼさせていただきました。

    新参さん>
    シャビが「下がったほうが長く活躍できるのでは?」といってましたね。私もおもしろいと思います。ハリー・ケインやスタリッジが前にいて、ルーニーが後ろから彼らを操れば攻めに厚みができそうですね。ルーニーの意志次第です。

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