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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「優勝もありえる」「6位すらムリ」…盛り上がる師走の「レスターどうなる論争」!

とかく師走はせわしなく、クリスマスがどうしたとばかりに試合を詰め込むプレミアリーグなどは、その最たるものであります。この季節は、忙しいながらも何かと先のことを考えたくなるものですが、そうはいっても、元イングランド代表の評論家とマンチェスター・ユナイテッドの大御所は、せっかちすぎるのではないでしょうか。サー・アレックス・ファーガソンさんは「レスターの優勝はありえる」、ポール・マーソンさんは「TOP6もない」とまた、極端な予想を並べていますが、私は双方に対して「むむ」としかいえません。まずは、両者の見解を聞いてみましょう。イギリスメディア「スカイスポーツ」に、条件付きながらレスターは優勝を狙えると語ったサー・アレックスは、冬の移籍市場で勝負をかけるべしと主張しています。

「クラウディオ・ラニエリ(監督)は、経営陣と話しているだろうか。私が彼の立場なら、1月の投資を求めるだろう。これは大きなチャンスだからね。ここまでゴールを決めてきた彼らは、プレミアリーグを制することができるかもしれない。今は限られたメンバーでとてもよくやっている。同じチームでやっていくという選択肢もあるが、優勝したいなら、もっと戦力を増やす必要があるだろう。多くの選手を加えれば、監督が抱える問題は増えるけどね。経営陣の問題は、お金があるかどうかだ。私はあると思うよ」
「先週、ピーター・シュマイケルがいいことをいっていた。多くの人がいかにレスターを過小評価しているか、と。レスターはバイタリティーにあふれていて、スピードもエネルギーもある。ピーターは、現在のプレミアリーグ最強チームは間違いなくレスターだといっていた。問題は、それがいつまで続くかということだ」(サー・アレックス・ファーガソン)

おっしゃることは、よくわかります。15試合も戦って1回しか負けておらず、プレミアリーグ最多の32ゴールを決めているチームに対して、昨季の今頃は最下位だったからといって評価を下げるわけにはいきません。失点数もまたTOP10で最多なのは気になるものの、それを覆ってあまりある決定力を誇るレスターは、現在の最強チームでしょう。ファーガソンさんは、さすがは勝負師というべきで、「波に乗っているときこそ金を張って勝ちに行け。今がそのときだ」とおっしゃっているわけです。いいときは押しまくり、劣勢になったらしっかり引けという「ギャンブルで儲けるための鉄則」と相通ずるものがあります。一方のマーソン氏は、真逆です。こちらも「スカイスポーツ」で、勢いは止まるだろうと予測しています。

「現在の彼らは印象的なプレイを見せているが、シーズン終了までは長い道のりだ。TOP6で終えられるとは思わない。ジェレミー・バーディ、リヤド・マフレズ、ダニー・ドリンクウォーターの3選手は他クラブから声がかかる選手たちで、ビッグクラブがドリンクウォーターを獲得しても私は驚かない。彼らが抜けたとき、彼らより優れた選手は見当たらない」(ポール・マーソン)

なるほど。こちらもよくわかりますが、サー・アレックスもマーソンさんも、移籍市場のことばかり語ってますね。大型補強に成功したら優勝、主力を抜かれまくったら6位以下とは、身もふたもない話です。もし、レスターが今のメンバーをキープして戦ったら、どうなると見ているのでしょうか。まずはそこを聞きたかったので、これらのコメントにはモヤモヤ感が残りました。いや、もとい、冒頭の私の「むむ」について、話をさせてください。これは私がいうよりも、当事者であるラニエリ監督に語ってもらったほうがいいでしょう。

「私は当初掲げた目標を変えていない。大きな野心はあるが、あくまでも目標は勝ち点40だ。これからビッグクラブとの対戦がある。クリスマスにかけて、とても厳しい試合が続くんだ。チェルシー、エヴァートン、リヴァプール、マンチェスター・シティ…悪くないチームばかりだ」(クラウディオ・ラニエリ)

そうなんです。レスターの強さと今後の見通しについて語るのは、「強豪に勝ちきれるチームなのか」を見定めてからがいいのではないでしょうか。レスターの年末がどうなるのかを考えるのは、純粋にスポーツの視点ですが、移籍市場での立ち回りからいけるいけないを論じるのは、サッカーそのものからは若干離れたお話です。ラニエリ監督のチームがどれだけ地力があるのか、12月の4試合は楽しみですね。エヴァートンに勝ち、チェルシーとマン・シティには引き分け、リヴァプールに敗れるというのが私の予想ですが、いかがでしょうか。前半戦を3位着地なら上々、3勝を挙げて1位通過なら、サー・アレックスの御託宣のとおりに、クラマリッチやダイアーなど出場機会が少ない選手を手離しつつ他国から優秀なMFとDFを獲りにいけばいいのではないかと思います。

ラニエリ監督は、こんなこともいっています。「われわれのファンは夢を見なければならない。しかし、われわれ自身は冷静さを保ち、地に足をつけなければいけない」。ファンは熱くあれ、チームは謙虚であれとは、名言ですね。…失礼しました。外野が囃したてるなか、現場の責任者がいちばんリアリティをお持ちのようです。

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“「優勝もありえる」「6位すらムリ」…盛り上がる師走の「レスターどうなる論争」!” への4件のフィードバック

  1. ルタレック より:

    レスターの状況を見て思ったのはアメリカの共和党のトランプ氏です。みんな最初だけと思っていたらなかなか落ちない。本当に強豪との試合楽しみですね。

  2. 大砂嵐ファン より:

    レスターの状況は2011~2012年のニューカッスルを思い出しますね個人的には
    6位前後は可能性あると思いますが今の上位陣プラスリバプールの中から1チームが6位以下になるとも考えにくいですね(クリスタルパレスは抜いて)

  3. queen より:

    マフレズなんかは典型的な「強豪では活躍できないけど中堅では王様になれる」タイプの選手に見えます。もちろん単なる見識不足で強豪でも活躍できるかもしれませんが。
    インラーがフィットしてなさそうな点以外ではかなり順風満帆といえますね。
    これで冬に、強豪チームであまり試合に出られていない良い選手をレンタルしたりして層に厚みが出ればまさかの4位圏内とかありえるのではないかとも思います。
    カゼミロとかジロボジとかあるいはユナイテッドのマクネアあたり…貸してもらえませんよね、さすがに。
    まずは年末の試合を、という本稿の流れに逆らうような書き込み失礼しました。とにかくレスターには踏ん張りを見せてほしいです。

  4. makoto より:

    いずれにせよここまでのレスターは素晴らしい内容で勝ってきていますから評価されてしかるべきですね。
    私の予想としてはエバートンとリバプールには引き分けチェルシーには勝って、シティに負けると予想しています。

    —–
    ルタレックさん>
    落ちないですね~。強くなってから9カ月経つので、これは本物かもしれません。

    大砂嵐ファンさん>
    昨季セインツと同じ7位フィニッシュでも大成功だと思います。多少崩れても、6位は充分あるのではないでしょうか。

    queenさん>
    マフレズは、ラニエリ監督に持ち過ぎを咎められているところで、おっっしゃるとおり「中堅の王様」だと思います。すみません。スモーリングがアレなので、マクネアはちょっと…。

    リッキーさん>
    おお、星取表は違うものの、1勝2分1敗は一緒ですね。年末に答え合わせをしましょうか。

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