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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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何もかも予想通り!? プレミアリーグ2015-16・先発イレブンの移籍金ランキング

今季のプレミアリーグでは、「ヴァーディの移籍金を100万ポンドしか払っていないレスターが、いかにコストパフォーマンスがいいか」という話題が一大ブームになっています。イギリスメディア「スカイスポーツ」がまとめた「先発イレブンの移籍金ランキング」もそのひとつ。2月13日~14日のプレミアリーグ26節において、スターティングメンバーに名を連ねた各クラブの11人の移籍金を足し込んだのが、今回紹介するランキングです。1位マンチェスター・シティ、2位マンチェスター・ユナイテッドはもはやお約束、お笑いの世界でいう「出オチ」です。水色のチームには長期離脱中のデブライネが含まれておらず、マンチェスター・ユナイテッドはルーク・ショーとデパイがいないのにいずれも300億円超。ファン・ハール監督のチームは、ユース上がりの左SB、ボースウィック=ジャクソンの奮闘も焼け石に水で、3位チェルシーに道を譲るまでには至りませんでした。それにしても、マン・シティは2億3360万ポンド(約378億円)とはまた、豪華ですね。ひとり平均34億円は、こちらの順位テーブルではプレミアリーグ18位の「降格候補」レスターの11人分とさほど変わりません。

これを見て思うのは、「欧州大会の”連続出場費”の高さ」と、ノースロンドンのがんばりです。8位~10位にいるサウサンプトン、エヴァートン、ウェストハムは、ここ2年でヨーロッパリーグにチャレンジしたクラブですが、昨季のエヴァートンはヨーロッパリーグで決勝トーナメントに進出したものの、プレミアリーグでは11位と低迷。今季のサウサンプトンとウェストハムはいずれも予選で敗退し、グループステージに進めませんでした。ここからいえるのは、「スタメン総額100億円前後ではプレミアリーグとヨーロッパリーグを継続的に両立させるのは難しい」ということです。今季のレスターの躍進は奇跡的なのですが、37億円のチームがどうやってチャンピオンズリーグを戦うのだろうと想像すると、足が震えます。

そう考えると、150億円に抑えたメンバーでプレミアリーグ2位を走り、ヨーロッパリーグとFAカップでも勝ち進んでいるトッテナムは素晴らしいですね。若手選手をしっかり育て、チームにフィットしなくなった選手はそれなりのお金をもらって売却し、的確な補強をしたレヴィ会長と、選手たちの持つポテンシャルを十全に発揮させているポチェッティーノ監督には頭が下がります。237億円のアーセナルは、エジルやアレクシス・サンチェスなど近年はワールドクラスを次々と獲っているものの、5年前のチームは相当安上がり。エースのファン・ペルシの獲得費用は300万ポンド程度、キャプテンだったセスクはその半額にも満たない2億円台でした。ヴェンゲル監督が18年にわたってチャンピオンズリーグ出場を続けているのは凄いことだなとあらためて思います。

【プレミアリーグ第26節・先発イレブンの移籍金ランキング】
1位/ マンチェスター・シティ    2億3360万ポンド(約378億円)
2位/ マンチェスター・ユナイテッド 1億9850万ポンド(約320億円)
3位/ チェルシー          1億9720万ポンド(約319億円)
4位/ アーセナル          1億4650万ポンド(約237億円)
5位/ リヴァプール         1億3100万ポンド(約212億円)
6位/ トッテナム            9210万ポンド(約149億円)
7位/ ニューカッスル          7260万ポンド(約118億円)
8位/ サウサンプトン          6800万ポンド(約110億円)
9位/ エヴァートン           6710万ポンド(約109億円)
10位/ウェストハム           5390万ポンド(約87億円)
11位/ストーク             4330万ポンド(約70億円)
12位/クリスタル・パレス        4260万ポンド(約69億円)
13位/WBA               3940万ポンド(約64億円)
14位/ノリッジ             3330万ポンド(約54億円)
15位/アストン・ヴィラ         3270万ポンド(約53億円)
16位/スウォンジー           3200万ポンド(約52億円)
17位/サンダーランド          2920万ポンド(約47億円)
18位/レスター             2270万ポンド(約37億円)
19位/ワトフォード           1560万ポンド(約25億円)
20位/ボーンマス            1130万ポンド(約18億円)

そんなことを考えてランキングを眺めていたら、ふとこんなことに興味が湧きました。「サー・アレックス・ファーガソンの”トレブル達成費用”は、相当安かったのではないか」と。1998-99シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、バイエルン・ミュンヘン戦のメンバーを見てみると、おお、ベッカム、ガリー・ネビル、ニッキー・バット、ライアン・ギグスは自前の選手。当時と今とでは為替も移籍金の相場も違うとはいえ、守護神ピーター・シュマイケルの50万5000ポンドとロニー・ヨンセンの120万ポンド、デニス・アーウィンの62万5000ポンドは格安です。残念ながら、スタムの1075万ポンドとドワイト・ヨークの1260万ポンドが全体を押し上げてしまっています。ファーガソン監督には、150万ポンドのスールシャールとユースから上がってきたウェズ・ブラウンを起用してほしいところでした(笑)。11人分を足し込むといくらになるのでしょう。普段なら、プレミアリーグへの愛と情熱で一気に算出してしまうのですが、レスターの1/3もかかっていないであろうミッティランに敗れた直後の傷心の身には、このタスクは残酷です。どなたか、ぜひ…。

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“何もかも予想通り!? プレミアリーグ2015-16・先発イレブンの移籍金ランキング” への4件のフィードバック

  1. ぐなりんぐ より:

    何故、マンチェスターユナイテッドは選手から人気なのでしょうか…。
    ファーガソン監督が勇退してから、一貫性というものはもはや失われ、チーム力もさほど高いとは言えないと思います。
    しかし、依然として移籍先としては魅力的なようです。
    管理人さんは、その理由をどう見ていますか?

  2. Uボマー より:


    ぶっちゃけた話、お金と名前でやって来る選手が多いのではないでしょうか。それに選手の多くはファンハールが問題であって、クラブはそうでもないと考えているのかも。もちろん強さを維持しなければ経済的基盤も失われてしまうのですが…。

    それにしてもファーガソンさんは偉大でした。グレイザーに買収されて以降はマンユナイテッドに金銭的余裕が無い時代もあり、その中で若い選手を獲得してきてワールドクラスに育てられたのはファギーベイブスを育ててきた経験もあったからなのでしょう。ベンゲルさんも大したものだと思いますが、ライバルクラブが手強過ぎたのが不運に感じます。そろそろ年齢的にきつそうな感じもしますし。

  3. queen より:

    やはり、ユナイテッドというブランドはめちゃくちゃでかいですよね。
    私は以前、デルボスケ就任なんかどうだろうと書き込んだことがありますが、高齢でタイトルを取りまくってきたのにも関わらず、提案した理由は、ユナイテッドほどのクラブをキャリア晩年に率いること自体が、よいお土産になると考えたからです。もちろん単に彼のお土産だけでなく、監督としての力量が抜群という必要条件もそろえていますしね。

    ただ、ブランドがあっても、フロントがしっかりしないと、ミランのように苦戦が長く続く可能性もあるので、彼らにはネームバリューに胡坐をかかず、しっかりとしたマネジメントを構築してほしいものです。

  4. makoto より:

    ぐなりんぐさん>
    「子どもの頃の憧れ」は多いではないでしょうか。5歳~10歳、15歳~20歳でチャンピオンズリーグ優勝を観ている年代ですので。

    Uボマーさん>
    こういうネタを調べていると、サー・アレックスの偉大さをあらためて感じます。

    queenさん>
    今の経営陣が心配です。おっしゃるとおり、いいブランド資産があるので、目減りさせない運営をしてもらいたいものです。

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