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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「ファギータイム」は負けている時間⁉「追加タイムのゴール数No.1」は、実はアーセナル!

いよいよです!本日の夜、エミレーツに欧州王者のバルセロナがやってきます。現在のアーセナルを「プレミアリーグ代表」と表現することに、さほど違和感はないのではないでしょうか。チャンピオンズリーグに出場しているクラブのなかで、プレミアリーグ最上位のクラブであり、カソルラ、ウィルシャー、ロシツキ、ガブリエウ以外は大事なゲームのピッチに立つことができます。負傷者続出で持てるポテンシャルを発揮できないマンチェスター・シティや、ヒディンク監督就任から2ヵ月を経てもプレミアリーグのTOP10に食い込んでこられないチェルシーは、ベストといえる状態を取り戻すまでにはもう少し時間が必要でしょう。アーセナルには、ホームゲームでぜひ勝利をもぎ取っていただいて、ルイス・エンリケ監督に眠れない3週間を過ごしてもらいましょう。イギリスメディア「スカイスポーツ」は、「バルセロナを倒すためにはセルヒオ・ブスケツを止めなければならない」と、欧州決戦を煽っています。

さて、その「スカイスポーツ」は、こんなおもしろいデータも紹介しています。「プレミアリーグ創設以降、アディショナルタイムのゴールが最も多いチームはどこか?」。恥ずかしながら、この記録ばかりはマンチェスター・ユナイテッドが持っているものと思っていました。サー・アレックス・ファーガソン監督時代は、終盤のしぶとさに定評があったチームです。ベッカムやギグスから容赦なく危険なクロスが入り、ファン・ニステルローイ、クリスティアーノ・ロナウド、ルーニー、スコールズら歴代のアタッカーたちがゴールに迫る怒涛の攻撃は、今も容易に思い出すことができます。ファンの方なら、2009年9月のマンチェスターダービーでマイケル・オーウェンが決めたゴールといえば、「ああ、あれか!」と手を打つのではないでしょうか。いや、もしかしたら、マンチェスター・シティの古いファンの方のほうが敏感に反応するのかもしれません。「長すぎるだろう、あの追加タイムは!」と。しかし…。

マンチェスター・ユナイテッドが積み上げた91ゴールは、プレミアリーグ歴代3位だそうです。あれ…⁉なるほど、当時のマンチェスター・ユナイテッドの追加タイムが長いといわれ、「ファギータイム」と揶揄されたのは、「なかなか入らない試合が実は多かったから」なのかもしれません。それにしても、上に2つもいらっしゃるとは意外です。2位は、93ゴールのチェルシー。いわれてみれば、彼らも勝負強いチームです。今季のプレミアリーグでも、1月のエヴァートン戦の98分にオフサイド気味のポジションからテリーが押し込んだ「ロベルト・マルティネス監督激怒の同点ゴール」や、2月に対決したマンチェスター・ユナイテッド戦でスルーパスからジエゴ・コスタが決めた執念のゴールがありました。では、1位は?冒頭にあれだけ前振りしていれば、クイズは成立しませんね。そうです。アーセナルなのです。

プレミアリーグ首位と3位が熱戦を繰り広げたレスター戦で、エジルのFKをウェルベックがヘッドで流し込んだ決勝ゴールは、記念すべき100回めとなる追加タイムの一発だったそうです。おお、それは知りませんでした。素晴らしい。そうすると当然、「アディショナルタイムのゴールによる勝利数」もアーセナルがいちばん多いのだろうと思いきや、テーマが変われば上には上がいるのがプレミアリーグの奥の深さです。4位がエヴァートンの19勝、3位チェルシー20勝、アーセナルは2位で21勝。マンチェスター・ユナイテッドはニューカッスルやトッテナムと同数の5位です。うーん、数々の劇的なゴールの記憶は、勝利の歓喜ばかりではなかったのですね。アーセナルが積み上げた100本のうち、79本は決勝ゴールではないというのも彼ららしい気がします。ここにはカウントされていませんが、あの忌まわしいモナコとのホームゲームで0-2から決めたチェンバレンのミドルを思い出してしまいました。あの後、致命的な3点めを決めたモナコの選手はカラスコでしたっけ…。

話がそれました。1位がまだでしたね。通算27勝、2位に大差をつけて堂々のトップを走っているのはリヴァプールです!彼らの最新の一撃は、1月のプレミアリーグ23節、93分にバソングに同点ゴールを喰らった後、終了間際に再度突き放したララナの感動的なゴール。リヴァプールの総ゴール数は、アーセナルより27本も少ない73ですから、この高勝率は驚きです。最も多くの決勝ゴールを決めたのは、スアレスでもスタリッジでもなく「アンフィールドのサポーター」でしょう。アウェイチームにとって、同点のままなだれ込むアンフィールドの追加タイムは、最もストレスが溜まる時間なのではないでしょうか。

アーセナルは、バルセロナ戦の後、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦。リヴァプールは、アウグスブルクとヨーロッパリーグを戦った後、キャピタルワンカップとプレミアリーグでマンチェスター・シティとの連戦が控えています。大事なゲームの追加タイムで、ファンを感動させる劇的なゴールが観られるでしょうか。まずは今夜ですね。楽しみです。

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“「ファギータイム」は負けている時間⁉「追加タイムのゴール数No.1」は、実はアーセナル!” への4件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    おもしろい記事ですね。
    仰るとおり、ATでの土壇場の得点や勝利はマン・ユナイテッドが多い印象でした。
    私はけっこう印象的な試合しか覚えていないミーハーなので、リヴァプールでの土壇場弾というとジェラードの2発を思い出してしまいます。
    1つはレッズファンならもう語り草であろう2006のFAカップ決勝の弾丸ミドル、もう一つは2004-2005のCL予選のオリンピアコス戦ですね。
    FAカップは言わずもがなですが、CLのオリンピアコス戦はかなり印象に残っています。
    ジェラードのあの1発がなければ予選敗退だったので、イスタンブールの奇跡もなくなってしまい、私もこれほどまでに熱狂的なレッズファンになっていなかったかもしれません。
    あの2004-2005のCLでサッカーとリヴァプールの虜になっていましましたので。
    すいません、2つともリーグ戦ではありませんでした。
    このような話題になるとついあの2発を思い出してしまいます。

  2. makoto より:

    nyonsukeさん>
    ありますよね。忘れられない終盤の劇的ゴール。FAカップのジェラードは感動的でした。私はこの話題になると、マンチェスター・ユナイテッドのフェデリコ・マケダを思い出します。

  3. queen より:

    エヴァートンといえば、アーセナル相手にアディショナルタイムの決勝ゴールを決めたことがあったような。そして、そのゴールを決めたのが、当時、16か17のルーニーの初ゴールで、彼の輝くキャリアの幕開けだった、という記憶があります。もう10年以上前のことですが。後日の直接対決ではその「恩返し」ができればいいなあと思います。

    バルセロナ戦については…とりあえずホームで無失点におさえたいですね。

  4. makoto より:

    queenさん>
    アーセナルの無敗ストップでしたよね。懐かしいです。

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