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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

混戦プレミアリーグ…優勝のカギを握るのはチェルシー&マンチェスター・ユナイテッド!

レスター+トッテナム+アーセナル+マンチェスター=勝ち点1。ミッドウィークのプレミアリーグで、こんな数式が成立するとは思ってもみませんでした。混戦の2015-16シーズン。残り10試合となった順位表を見ると、残留バトルをのぞいても3つの熾烈な争いがあることに気づきます。優勝争いは、レスター、トッテナム、アーセナルに加えて、1試合消化が少ないマンチェスター・シティ。アーセナルとマンチェスター・シティは、足踏みしている間に下から迫ってきたマンチェスター・ユナイテッドやウェストハムと、チャンピオンズリーグ出場権獲得を巡るバトルを展開することになります。

勝ち点1差できれいに並んでいるストーク、リヴァプール、サウサンプトン、エヴァートン、チェルシーは、チャンピオンズリーグは難しいと思われるものの、7位までに権利が与えられる可能性があるヨーロッパリーグなら、充分手が届きます。そうです。ポイントはここです。チェルシーがFAカップやチャンピオンズリーグで敗れたとしても、プレミアリーグで巻き返せばヨーロッパリーグ出場権獲得の可能性があること。調子を上げてきている彼らは、ラスト10戦を全力で戦うでしょう。昨季プレミアリーグ優勝クラブは、レスター、マンチェスター・シティ、トッテナムといずれもスタンフォード・ブリッジで戦うのですが、実はマンチェスター・ユナイテッドも同じカードを残しているのです。

裏返すと、こういうことになります。「アーセナルをのぞく3チームは、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドにやられてはいけない。アーセナルは、直接対決となるトッテナムとマンチェスター・シティに負けてはいけない」。やっかいなのは、チェルシー戦とマンチェスター・ユナイテッド戦がいずれもアウェイとなるレスターと、トッテナムとマンチェスター・シティ戦がやはりアウェイのアーセナル。レスターは、ホームで8勝5分1敗、アウェイで8勝4分2敗とさほど変わらないのですが、問題は相手がホームに強いこと。マンチェスター・ユナイテッドはアウェイでは5勝4分5敗で14位のクリスタル・パレスと同じ戦績なのですが、ホームでは8勝4分2敗でレスターと勝ち点1差の3位。チェルシーは、モウリーニョ監督退任以降のホームゲームを4勝4分と負け知らずです。今季のプレミアリーグはアウェイ勝利が多いことが話題となっていますが、オールド・トラフォードとスタンフォード・ブリッジには、まだまだ魔力が残っているようです。レスターにとってさらに厳しいのは、2つのスタジアムを訪れるのがラスト3戦というプレッシャーがかかるタイミングであること。ラニエリ監督は、4月までに2勝以上の差をつけておきたいところです。

さて、ここからは、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドに勝つ方法について考えてみたいと思います。まずはチェルシー…。監督が代わってからの彼らが負けたのを見たのはパリだけですので、今の彼らに勝つにはといわれても、歯切れのいい返事はできそうにありません。しかし、「負けないために必ずやっておきたいこと」ならいえそうな気がします。ゴール量産体勢に入ったジエゴ・コスタの大好物である後方のスペースを消し、自由にさせないこと。いちばん危険なボールを出してくるウィリアンをつぶすこと。守備が不安定な左SBの後方を攻め、自陣に縛り付けておくこと。スタンフォード・ブリッジで、追加タイムに入るまで0-1でリードしていたマンチェスター・ユナイテッドがやっていたことと、追加タイムに追いつかれたマンチェスター・ユナイテッドがやってしまったことからエッセンスを取り出し、徹底できれば勝ち点3に届く可能性が上がります。CKへの対応に不安があるチームでもあるので、弱点の研究とサインプレーの練習も効果的だと思われます。

一方のマンチェスター・ユナイテッドですが、彼らが今季2点差以上をつけられて負けたのはアウェイのアーセナル戦とストーク戦だけで、オールド・トラフォードでは未だゼロ。アウェイチームが夢を見にくい「シアター・オブ・ ドリームズ」は、これから足を運ぶレスターにとっては、いちばん行きたくない場所なのではないでしょうか。ただしこちらのチームは、ホーム・アウェイ問わず、チェルシーよりも処方箋は明快です。アーセナルとストークの成功からいえるのは、「前半にラッシュをかけること」。毎試合めまぐるしくスタメンを変え、ベースとなるファン・ハール戦略だけを頼りにおっかなびっくり手探りでゲームを始めることが多いマン・ユナイテッドは、プレミアリーグNo.1のスロースターターです。オールド・トラフォードに乗り込んで勝ち点3をゲットしたノリッジもまた、先に2点を奪って逃げ切りました。

「CBの連携が弱いので縦1本であっさり崩れることが多い」「ベタ引きすればシュートを打たずにパス回しを続けてくれる」といったあたりも押さえておく必要があるでしょう。デ・ヘアに嫌な顔をさせるなら、滅法強いグラウンダーのシュートよりも、苦手意識がありパンチをしたがらないハイボールからのヘッドのほうが効果的です。ゆっくりした攻撃にはそこそこ強く、エミレーツでアーセナルが勝った際に有効だったのはショートカウンターでした。11月にホームで引き分けたレスターは、守備力が向上した今なら却って戦いやすい相手かもしれません。とはいえ、優勝争いの緊張感と音が通るオールド・トラフォードの独特の雰囲気には、注意しなければなりません。

チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドに対していちばん戦えそうなのは、カウンターOKでミドルもあるハリー・ケインという強力なFWがおり、ジエゴ・コスタをしっかりつかまえてくれそうな先読みの名人アルデルヴァイレルトがいるトッテナムなのではないかと思います。調子が上がれば戦力充実のマンチェスター・シティももちろんいいのですが、スランプから抜け出せない今の彼らがチェルシーに勝利する絵が浮かびません。ノースロンドンでトッテナムが勝ち、レスターがワトフォードに足をすくわれれば、スパーズ優勝ダルマを用意して祝勝会会場の仮押さえをしてもいいのではないでしょうか。得失点差がトップであることも、最後に効いてきそうです。ヴェンゲル監督の久しぶりの優勝、ペジェグリーニ監督のマン・シティ最後の優勝、ラニエリ監督の初めての優勝が、全部見られなくなると思うとせつないのですが…。

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“混戦プレミアリーグ…優勝のカギを握るのはチェルシー&マンチェスター・ユナイテッド!” への4件のフィードバック

  1. ぐら より:

    ユナイテッドとウエストハムはなかなか捕まえられませんね
    落ちてきそうで落ちてこない
    EL争いもなかなか厳しいです

  2. ミハル より:

    ヴェンゲル監督に優勝してもらって
    勇退という形がいいかなあ。来シーズンは
    きっと今季以上に厳しい戦いになるだろうし

  3. makoto より:

    ぐらさん>
    リヴァプールが4位まで見えてきて、チェルシーともさして差がないという大変な状況になりましたね。おもしろいですが、毎節ハラハラです。

    ミハルさん>
    今季を逃したら痛いですね。マンチェスター勢は強くなりそうです。

  4. K より:

    個人的な見解としては優勝スパーズ、シティとレスターがストレートイン、4位はアーセナルかユナイテッドかレッズだと思ってます。
    パイェ帰って安定のハマーズは1番対戦相手がキツい点、アーセナルはセンターハーフのクオリティと嫌なチームとの対戦の前にチェフが抜けた点に不安を残してますよね。ロヴレン戻ればCBも悪くないし、左サイドの穴はおそらくクラインとフラノの2人で安定しますので今のレッズのメンバーで怪我がなければ勝ち点63は行くはずで、おそらく4位は66から68。デブライネが戻るシティは帳尻合わせると思うんですが、エジル依存が進むガナーズや選手層の薄いユナイテッド考えるに、最初からキーパーがまともだったら十分に届いた数字なんですけどねぇ…

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