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果たして適任か…?イングランド代表監督候補にロベルト・マンチーニが浮上!

サム・アラダイス監督電撃辞任の後、サウスゲイト新体制では負傷者続出。昨季プレミアリーグ得点王のハリー・ケインを筆頭に、ナサニエル・クライン、アダム・ララナ、ルーク・ショー、ラヒム・スターリング、フィル・ジャギエルカ、グレン・ジョンソン、トム・ヒートンと、イングランド代表はなかなかの野戦病院状態です。トム・ヒートンの代役のGKとしてプレミアリーグ出場わずか7試合のピックフォードが選ばれるなど、負けるわけにはいかない明日のスロベニア戦が懸念される状況ですが、現地メディアの話題の中心は、ワールドカップ欧州予選よりも次期監督人事のようです。アラダイス前監督が去ると決まった直後、FAチェアマンのクレッグ・ダイクさんが「アーセン・ヴェンゲルのファンだ。彼と契約できれば素晴らしいね」とコメント。メディアがこれに飛びつき、アーセナルの指揮官が本命扱いされておりましたが、当初は「いつかやりたい」とリップサービス気味にコメントしていたヴェンゲル監督は、今月になると噂を完全に否定しました。

イングランドはサッカーに対して常に情熱的であり、イングランド代表監督は重要なポジションだ。もし、明日イングランドとフランスの試合があったら、イギリス国家を歌わないことは難しい。もう20年もここにいるのだから、私は半分イングランド人だ。…しかし、クラブと代表は全く違う。私はアーセナルとともにある。イングランド代表監督はイングランド人がやるべきだろう」(アーセン・ヴェンゲル)

今後4試合はサウスゲイト監督が指揮を執ると発表されており、後任の話は沈静化するかと思いきや、8日のマルタ戦の後、新たなターゲットの名前が浮上しました。元マンチェスター・シティの指揮官ロベルト・マンチーニ。2012-13シーズンの無冠でプレミアリーグを離れたマンチーニ監督は、ガラタサライを経て2014年にインテルへ。2005年から3連覇を達成したクラブへの復帰は、8位、4位と思うように順位を上げられないまま今季開幕直前に解任という形で終わってしまいました。このたび、彼が一躍次期監督候補となったのは、イタリアメディア「カルチョメルカート・コム」とイギリスの「デイリー・ミラー」が、FAからの招待を受けてマルタ戦を観戦していたと報じたからです。プレミアリーグをよく知るイタリア人監督は、マン・シティとインテルをリーグ制覇に導いており、実績は充分。7月にも「ガーディアン」などがイングランド代表監督候補と報じていた監督が現在はフリーの身となれば、FAの意向次第であっさり決まる可能性もありますが、果たしてマンチーニさんは適任なのでしょうか。

マンチェスター・シティでは4-4-2あるいは4-2-3-1、インテルでは4-3-1-2で戦っていたマンチーニ監督のチームは、堅守をベースに速い攻撃を仕掛けるオーソドックスなスタイル。ボールを奪う位置は低く、グアルディオラ、クロップ、ポチェッティーノらが織りなす激しいプレスやショートカウンターとは一線を画しています。プレミアリーグとイングランド代表のサッカーが近しいほうがいいとするなら、同じ元インテルでもワトフォードのワルテル・マッツァーリのほうが適任でしょう。CBにいい人材が乏しい今のイングランドが、引き気味で戦うのはあまり得策ではないように思います。

堅くしようとしてもイタリアやスペインのようにはいきそうにない最終ラインを強固にするよりも、デル・アリ、エリック・ダイアー、カイル・ウォーカー、ダニー・ローズ、ララナ、ヘンダーソン、スタリッジ、ハリー・ケインの「レッズ&スパーズMIX」で、前から追いかけてとにかく走るサッカーに徹したほうが、スペインやドイツ相手に番狂わせを起こす可能性は上がるのではないでしょうか。ジョン・ストーンズとエリック・ダイアーという攻めっ気たっぷりCBコンビで、失点上等とばかりに前へ前へのサッカーを展開するのもありではないかと思うぐらいです。

それなりに実績があるのになかなか名将と呼ばれないマンチーニさんには、もっとリスペクトがあってもいいのにとは思うものの、ただでさえ外国人に厳しいイングランドで代表監督に就任するとなると懐疑的です。名前で威圧することができるか、斬新な戦術で「イングランドが変わった!」と実感させるか、どちらかでないと厳しいのではないでしょうか。前者ならフース・ヒディンク、後者はルディ・ガルシアさんが空いています。イングランド人は、エディ・ハウさんのような若手か、しばらくクラブの監督をやっていないサウスゲイトさんのような監督以外は危なそうです。アラダイスに続いてハリー・レドナップも、「テレグラフ」から不正行為の疑いをかけられているようで…。

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“果たして適任か…?イングランド代表監督候補にロベルト・マンチーニが浮上!” への2件のフィードバック

  1. くな より:

    レッズ&スパーズMIXは確かにインテンシティの高いゲームを見せてくれそうで良いですね。大変そうではありますが…
    また、「代表は変わる!」というサポーターへの明確な意思表示にもなりますし、そっぽ向かれてしまったサポーターに振り返ってもらうにはこれくらいのことは必要な気がします

  2. makoto より:

    くなさん>
    よさそうですよね。大昔ですが、ドイツがバイエルンとボルシアMGの選手を揃えてコンセプチュアルなチームを作っていた頃を思い出します。

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