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ナショナルダービーまであと4日!「スカイスポーツ」の特集記事がおもしろい!

いよいよ土曜日からプレミアリーグが再開しますが、8節の最大の注目カードは週末ではなく週明け、マンデーナイトにアンフィールドで開催されるリヴァプールVSマンチェスター・ユナイテッドでしょう。試合まで5日を切り、両チームの名前が入った記事が徐々に増えてきています。リーグ戦におけるナショナルダービーの対戦成績は、リヴァプールが55勝、マンチェスター・ユナイテッドが67勝で44の引き分け。ゴール数は233対216でマンチェスター・ユナイテッドがリードしており、プレミアリーグになってからは優勝していないレッズのリーグ制覇18に対して、プレミアリーグが始まってから13回頂点に立っているマン・ユナイテッドはトータル20。「スカイスポーツ」が並べている数字を見ると、ことごとくモウリーニョ監督のチームが上回っていますが、唯一「Champions League&UEFA Cups」という項目ではレッズが8対4とダブルスコアで圧倒しています。

データやランキングが大好きなイギリスメディアは、こんな数字までネタにしています。こちらも「スカイスポーツ」ですが、「How far have Liverpool and Manchester United players travelled during international week?(インターナショナルマッチウィークの間、リヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドのプレイヤーはどれだけ旅をしたのか)」。この2週間の移動距離が、コンディションに影響を与えるという趣旨でしょう。コウチーニョとフィルミーノが12112マイルを移動したリヴァプールは、9選手の合計が41837マイル。14選手が42637マイルを積み上げたマンチェスター・ユナイテッドより、ひとりあたりの距離は長く、約1.5倍となります。これがどこまで月曜日の試合に影響するのかはわかりませんが、記事では「懸念されるのはクロップ監督のほう」としています。

さて、そんな賑わいのなかで、おもしろかったのはこちらの記事です。これもまた「スカイスポーツ」なのですが、「How Jurgen Klopp’s fluid formation helps Liverpool wreak havoc on opponents(ユルゲン・クロップの流動的なフォーメーションは、どのように相手に混乱をもたらしているのか)」。プレミアリーグ7試合でリーグトップタイの18ゴールを決めているクロップ監督のチームは、「偽9番」フィルミーノを先頭に、マネ、ララナ、コウチーニョ、ワイナルドゥムがオープンで多彩な攻撃を展開。ニック・ライト記者は、「彼らの4-3-3における前線の3枚の動きは一般的なセットアップではなく、モウリーニョ監督にさまざまな課題をつきつけるだろう」と語っています。

この記事で最も興味深いのは、プレミアリーグ7節のスウォンジー戦におけるフィルミーノ、マネ、コウチーニョのプレイエリアを示すヒートマップです。前半23分にララナが負傷退場したため、インサイドMFに移ったコウチーニョがいかに自分のエリアをしっかり抑えていたかがわかるとともに、レッズの3トップは中への志向が強いこと、フィルミーノは9番としてはまったくのニセモノであることがよくわかります。コウチーニョは得意のミドルが狙える中央に入り込む頻度が高く、マネもサイドと中央の配分は五分五分です。彼らはほとんどコーナーフラッグ付近には侵入せず、サイドから攻めるときはボックスの脇に入ってきています。

SBが外から走り込んでくるので、サイドアタッカーはロングクロスを彼らにまかせ、自らはシュートを打てるエリアに入っていくのでしょう。「マンデーナイトフットボール」にて、クロップ監督は守備の規律がベースだと語っており、ニック・ライトさんも、ナサニエル・クラインとジェームズ・ミルナーの攻撃参加を可能にしているのは、CBの前にいるヘンダーソンだと解説しています。クロップ監督の流動的なサッカーは、CBからアンカー、SB、最前線までが連動することにより、中央が厚い攻撃を実現させているのです。

走行距離もスプリント回数もプレミアリーグNo.1のクロップ監督のチームは、直近のプレミアリーグで4連敗中のマンチェスター・ユナイテッドを崩すことができるでしょうか。サイドのマッチアップでは、レッズが圧倒しそうです。モウリーニョ監督はポグバをインサイドMFから中に斬り込ませて撃ち合いに出るか、あるいは従来からの4-2-3-1で中央のスペースを埋めにいくか。今季はアグレッシブな采配が見られないマン・ユナイテッドの指揮官は、後者の安全策を取るような気がしますが、果たして…。いずれにしても、エキサイティングな試合になるのは間違いないでしょう。楽しみですが、怖くもあります。

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“ナショナルダービーまであと4日!「スカイスポーツ」の特集記事がおもしろい!” への3件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    とても楽しみな試合ですが、日本のファンにはなかなか辛い時間のキックオフですね。
    これから年末にかけては我々ファンでさえもプレミアリーグの過密日程に苦しめられる季節ですから、実際にプレーする選手たちの大変さは相当なものでしょう。
    距離だけでなく時差もあるでしょうし、南半球では季節も逆転していてコンディション調整が難しそうです。

    ブログ主様もこれからの季節のコンディション調整にはお気をつけてください。
    きっと私同様にこのブログをチェックするのを日々楽しみしているプレミアファンは多いと思いますので。。。

    —–
    コンディションの調整不足によるダラダラした試合になると思います。

    —–
    更新お疲れ様です。

    データでいうとリーグ戦では昨季はダブルを食らっているのですよね・・・。
    できれば来週のアンフィールドでは勝ち点3を取りたいですが、どうなるでしょうか。
    チームの核となるララーナとワイナルドゥムの負傷、移動距離とプレー時間が長いコウチ、フィルミーノ、ヘンドのコンディションが気になります。
    ここはメルウッドに残っているマネ、ジャン、ミルナーなどの活躍を期待したいですね。
    もしレッズのコンディションが悪くいつものサッカーができなければ、セットプレーやフィジカルにまかせた飛び道具であっさり負けてしまうと思います。
    ユナイテッドとしてはレッズ戦後のスケジュールが厳しいことをどれだけ忘れられるかもポイントかと思います。
    代表戦後で厳しいと思いますが、ナショナルダービーですからね、熱い試合を期待します。

  2. レッズサポ より:

    ララーナとジニがいないので、グルイッチとジャンが奮起してくれればいいですが。中盤のフィジカル勝負になってもこの二人だったら大丈夫そう。ただ、休養十分なイブラがいるのがズルいんですよねー。
    グダッてきたところをズトーンとやられそうで怖い怖い。

  3. makoto より:

    COYSさん>
    ありがとうございます。あれだけ移動して試合、試合で90分走りきるのを見ているだけでもすごいなと思います。くれぐれもケガには気をつけていただきたいですね。

    おはむさん>
    どうでしょう。少なくとも好調を自覚しているホームチームは、気持ちでがんばれるのではないかと思います。

    nyonsukeさん>
    レッズは以前よりも、メンバーが変わることによるクオリティ低下がなくなった印象です。コンディション不良の影響が出そうなのは、こっちではないかな、と。いい試合になればいいなと思います。

    レッズサポさん>
    残り15分までイーブンなら、ますますズドンが期待できるかなと思ってます。前半、押されて2点ぐらい先に取られて、こちらがエンジンかかったらカウンターで刺されて…という展開が最悪のシミュレーションです。

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