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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

国産主義と多国籍軍でこんなに違う!プレミアリーグ20クラブ・イングランド人選手の出場時間ランキング!

ジェイミー・ヴァーディ、ウェイン・ルーニー、ハリー・ケイン、ダニエル・スタリッジ、ジャック・ウィルシャー…。今季のプレミアリーグでは、イングランド人選手の不振や出遅れが目立っています。昨シーズン、24ゴールを挙げて奇跡的な優勝の立役者となったジェイミー・ヴァーディは、プレミアリーグ10試合出場2ゴールと停滞。開幕11試合連続ゴールというリーグレコードを達成した1年前が凄すぎたのは確かですが、このままでは年間10ゴールに届きません。「スカイスポーツ」は、「ヴァーディは一発屋か!?」という特集を組み、元セインツのビーティーやリッキー・ランバート、クリスタル・パレスにいたアンディ・ジョンソンなど、1シーズンしか輝けなかったストライカーたちを紹介。降格ゾーンと勝ち点2差のプレミアリーグ14位に落ちてしまったレスターの復活は、ヴァーディが決定力を取り戻せるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。マンチェスター・ユナイテッドのルーニーは5試合連続でスタメンから外され、序盤戦で活躍したことがないハリー・ケインは負傷もあってPK2発を含む5ゴール止まり。スタリッジやウィルシャーも、彼ららしさを発揮しているとはいえません。

さて、そんななかで、「スカイスポーツ」が「Premier League teams ranked for England nationals(プレミアリーグのイングランド人ランキング)」と題した記事を掲載。全20クラブについて、選手の国籍数と、イングランド人選手の人数・出場時間・出場時間比率をリサーチし、ランキングにまとめています。最もイングランド人選手の出場時間比率が高いのは、イングランド人のエディ・ハウさんが指揮を執るボーンマスで、70%超えはぶっちぎりのトップ。サイモン・フランシス、クック、アダム・スミス、チャーリー・ダニエルズの4バックは全員イングランド人で、サーマン、ウィルシャー、スタニスラス、ウィルシャー、カラム・ウィルソンと主軸の大半は国産です。本拠地バイタリティ・スタジアムに11000人しか入れられない小規模クラブは、移籍金が安い「無名のイングランド人」を揃えて生き残ろうとしています。2位クリスタル・パレスもまた、スコット・ダン、トムキンス、ウォード、マーティン・ケリーと最終ラインの主力にイングランド人選手を揃えています。中盤より前にもタウンゼントやパンチュン、ザハ、ウィッカムがおり、クロスの本数が337本でプレミアリーグTOPというエッジの立ったチームです。

【プレミアリーグ2016-17シーズン イングランド人選手の出場時間ランキング】
1位/ボーンマス      10⇔13  8,348(70.4%)
2位/クリスタル・パレス 11⇔11  6,316(53.2%)
3位/バーンリー     9⇔12  6,307(53.1%)
4位/ハル・シティ    8⇔10  5,512(46.8%)
5位/ミドルズブラ     10⇔8  5,227(44.0%)
6位/リヴァプール     11⇔7  4,198( 35.3%)
7位/サウサンプトン    12⇔9  4,169(35.1%)
8位/エヴァートン     12⇔8  4,135(34.8%)
9位/トッテナム      10⇔9   4,067(34.2%
10位/サンダーランド   18⇔6  3,975(33.6%)
11位/レスター      13⇔5  3,698(31.1%)
12位/マン・ユナイテッド11⇔8   3,211(27.1%)
13位/スウォンジー    11⇔7  3,135(26.4%)
14位/WBA        10⇔8  3,113(26.2%)
15位/ウェストハム    15⇔6   2,792(23.5%)
16位/ストーク      14⇔4   2,164(18.2%)
17位/アーセナル     10⇔8   1,956(16.5%)
18位/マン・シティ    11⇔3   1,879(15.8%)
19位/チェルシー     7⇔5   1,508(12.7%)
20位/ワトフォード    19⇔2   1,109(9.3%)
(数字は、所属選手の国籍数⇔イングランド人出場選手数、イングランド人選手の出場時間とぞの比率)

3位~5位までを昇格クラブが占めており、出場時間比率40%以上はすべて中堅・下位クラブなのですが、上位クラブは2つに分かれました。30%台のリヴァプール、トッテナムがTOP10入りしているのに対して、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティは10%台でいずれも15位以下。リヴァプールは、若手育成ファクトリーのセインツ様から主力を譲り受けたおかげで6位にランクインし、トッテナムはポチェッティーノ監督の積極的な若手抜擢策が数字に表れています。19位のチェルシーは、1999年12月に「プレミアリーグ初のスタメン全員外国人」を実現した伝統のインターナショナルブランドで、同じく外国人選手でスタメンを固めたアーセナルのヴェンゲル監督が、「メンバーを選ぶ際にパスポートなど見ていない」と語ったのは有名です。ここ数年、大型補強が話題になっているウェストハムとストークも、外国人比率の高いチームであります。

栄えある(?)第1位は、19ヵ国から選手を集めた多国籍軍ワトフォード。昨季プレミアリーグでは22か国の選手をピッチに送り出しているクラブには、「もしかして、パスポート見て声かけてます!?」とツッコミを入れたくなります。全試合出場の主将トロイ・ディーニーが長期離脱していたら、残るイングランド人は42分しか出ていないベン・ワトソンのみという強烈なチームです。イングランド人比率1位のボーンマスはプレミアリーグ10位、ワトフォードは8位とそれぞれ健闘しており、まさしく強さとパスポートは関係ないのですが、極端に違う選手調達のアプローチがチームカラーとなっているのも、外国人選手比率が高いプレミアリーグのおもしろさです。現地サポーターとしては、やはり自国のスター選手が活躍している姿が見たいでしょう。プレミアリーグを観続けているうちに情が湧いてイングランド代表を応援するようになった私としても、代表の主力選手の復調と若手の台頭を期待しています。がんばれラシュフォード、ハリー・ウィンクス、ナサニエル・チャロバー!

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“国産主義と多国籍軍でこんなに違う!プレミアリーグ20クラブ・イングランド人選手の出場時間ランキング!” への2件のフィードバック

  1. K より:

    面白い記事ですね! ボーンマスの尖り方もワトフォードの尖り方も好きです。ボーンマスは昨年アイヴに1500万£も値段を付けて下さったので、今後も良い関係が築けたらと思います

    ララナ、クライン、ミルナー、ヘンド、スタリッジ、スチュアート、イングス、エジャリアと全英各地からイングランド人を買い集めてますが、アーノルド君のような純粋なスカウサーにも頑張って欲しいものです

  2. makoto より:

    Kさん>
    両者とも強烈です。レッズはナイスバランスですが、生え抜きがでてくるといいですね。セインツはウォード=プラウズとマット・ターゲットぐらいになりましたし(笑)

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