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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

コールマン、ララナ…傷だらけのマージーサイドダービー、両軍の指揮官のコメントをチェック!

「フレンドリーマッチには反対だ。ワールドカップやユーロの2~3週間前に、最終調整としてやるなら意味がある。しかしシーズン中に、ワールドカップ予選と併せて行う必要はないだろう」(ジョゼ・モウリーニョ)
「アダム(・ララナ)を4週間失うのは厳しい。最大8試合だ。多すぎる。日曜日の夜にマンチェスター・シティとリヴァプールのゲームを行い、水曜日にドイツとイングランドの試合があった。いいアイデアだが…意味がない」(ユルゲン・クロップ)

プレミアリーグNo.1となる15人の代表選手を世界に送り出した後、スモーリングとフィル・ジョーンズの負傷の報を受け取ったマンチェスター・ユナイテッドの指揮官と、ヘンダーソンやスタリッジが間に合わないなか、中盤の要となるララナまで起用できなくなったリヴァプールのボスが、それぞれの言い回しでイングランドのフレンドリーマッチを非難しました。プレミアリーグ6位の赤い悪魔は代表選手がたったひとりのWBAをオールド・トラフォードに迎え、4位で踏ん張っているレッズは絶対に手を抜けないマージ―サイドダービーです。代表監督のサウスゲートさんに罪はなく、ポジショントークであることを重々承知しながらも、大事な時期に自らの管理の及ばないところで主力が傷つくことの理不尽さを嘆かずにはいられなかったのでしょう。

しかし、今回蔓延した「FIFAウィルス」について、最も拳を振り上げたかったのはロナルド・クーマン監督でしょう。3月24日に行われたウェールズとのワールドカップ欧州予選に出場したアイルランド代表SBシェイマス・コールマンが、ニール・テイラーの激しいタックルを受けて右足の腓骨と脛骨骨折という重傷。1年以上の長い時間を治療とリハビリに費やすことになったヤニック・ボラシェと同等の時間をかけないと、ピッチに戻ってこられないと報じられています。さらに4日後、次の悲報が南米から届きました。ボリビアとの試合で左ひざを負傷し、今季のプレミアリーグを終わらせてしまったのはアルゼンチン代表CBラミロ・フネス・モリ。エヴァートンは、最終ラインのレギュラーを2枚も欠いてアンフィールドに乗り込むことになりました。

「当たり前だが、こういうことを受け入れるのには時間がかかる」「彼はプロフェッショナルとして、その姿勢を貫いてきた。クラブとしても、彼がトップレベルのパフォーマンスを見せられるようになるまでサポートしたい。強くなって戻ってくるはずだ。そういう人間だとわかっている」。コールマンのアクシデントについて努めて冷静に語ったクーマン監督は、ロメウ・ルカクとケヴィン・ミララスを預けたベルギー代表に対しては、こんなことをいっています。

「私はロベルト・マルティネス(ベルギー代表監督)に満足している。ひとつは、ミララスをロシアとの親善試合で先発起用したこと。2つめは、ロメウを使わなかったことだ。彼はギリシャとのワールドカップ予選で95分間プレイしていた。われわれにとって(ルカクの休養は)よいことだ」

モウリーニョ監督やクロップ監督のような率直な発言こそなかったものの、心中穏やかでないことは言葉の端々から伝わってきます。エヴァートンは、2試合消化が多いながらもプレミアリーグ6位のアーセナルと勝ち点50で並んでおり、最近は「TOP7」とCL出場権争いの輪に加えられていたのですが、ここからの2ヵ月はWBAの追撃に怯える日々となるかもしれません。コールマンとフネス・モリの穴はジャギエルカとホルゲートで埋めることになりそうですが、さらに負傷者が出れば、クーマン監督はユースの選手を抜擢するほかに手立てがありません。

さて、いよいよ本日は228戦めとなる伝統のマージーサイドダービーです。リヴァプールはスタリッジ、ヘンダーソン、ララナ。エヴァートンはコールマン、フネス・モリ、マッカーシー、シュナイデルラン、ボラシェ。傷だらけの一戦となりましたが、この2週間の痛手はエヴァートンのほうが大きいのは間違いありません。プレミアリーグ17節のグディソンパークでの一戦は、0-1でレッズが勝利。ダービーにおけるエヴァートンの連続未勝利記録は13戦に伸び、1970年代に喫した15試合勝利なしというワーストレコードに近づいています。アンフィールドで最後に勝ったのは1999年9月27日。21世紀はやられっぱなしのエヴァートンの逆襲はあるでしょうか。ケガ人だらけなのは残念ですが、クロップ監督のこんな言葉が、両チームのサポーターを救ってくれているように思います。

The world stops for 90 minutes in a city. Football is not the most important thing in the world but in a a few moments we love to think it is.In the stadium it’s still our ground. I’d really love to show this fact. Be aggressive, but not too aggressive and fight for everything to try to make our supporters happy.(この街では、90分の間世界が止まる。フットボールは世界で最も大事なことではないが、しばしの間、私たちはそう考えたくなる。一歩も引かない。それが事実であることをお見せしよう。アグレッシブに、しかしやり過ぎないように、サポーターを幸せにするために全力で戦おう)」

ありがとう、クロップ監督。楽しみましょう!

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“コールマン、ララナ…傷だらけのマージーサイドダービー、両軍の指揮官のコメントをチェック!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    長く感じられました中断期間開けが、マージーサイド・ダービーなんてレッズファンとしては最高なのですが、
    やはり両チームの怪我情報は大変残念なものでもあります。
    レッズにとって朗報なのは前線3枚が無事であるということでしょうか。本日のランチタイムキックオフは
    白熱した90分を期待したいですね。私の予想は3-1でレッズの勝利です。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    エヴァートンはもっと厳しいですが、ララナは痛いですね。期待を裏切らないダービーなので、今から楽しみです。

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