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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

クリスタル・パレス&レスターは今や最強!?絶不調は…!プレミアリーグの残留バトル大予想!

プレミアリーグをマメにチェックされている方なら、2月末以降の最強チームはチェルシーではなく、クリスタル・パレスとレスターなのはご存じでしょう。26節以降のプレミアリーグで4連勝は、トッテナムを含む3チーム。中堅クラブにホームで3勝しているスパーズよりも、リヴァプールに完勝した勢いでチャンピオンズリーグのセヴィージャまで破ったレスターと、首位チェルシーをスタンフォード・ブリッジで逆転したクリスタル・パレスを一段上としてあげたくなります。ラニエリ監督解任の後を受けたクレイグ・シェイクスピア監督は、プレミアリーグデビューから4連勝で、これはイングランド人監督としては初の快挙。過去にこの記録を達成している指揮官は、フース・ヒディンク、カルロ・アンチェロッティ、ジョゼ・モウリーニョ、ペップ・グアルディオラとチャンピオンズリーグ獲得率100%。欧州でも勝てる名将しか到達できなかったレコードです。

一方、ボクシングデー直前にパーデュー監督からバトンタッチされたクリスタル・パレスのサム・アラダイス監督は、最初の5試合こそ1分4敗と散々だったものの、その後の5勝2敗で降格ゾーンから脱出。マンチェスター勢とノースロンドン勢、リヴァプールとTOP6のうち5チームと戦わないといけないスケジュールを見ると、まだまだ安泰とはいえませんが、最近5試合でわずか2失点と安定した守備は強豪相手でも簡単にはやられないでしょう。

他の「後任監督」を見ると、グイドリン監督解任後のスウォンジーを引き受けたボブ・ブラッドリーは2勝1分8敗と冴えず、今季唯一失敗した後任監督。これを受けたポール・クレメント監督は、5勝1分5敗とイーブンに戻して17位に粘っています。20節終了時に3勝4分13敗で最下位に沈んでいたフェラン監督のハル・シティは、マルコ・シウヴァ新監督にチームを託すと、4勝2分4敗とこちらもイーブン。直近に動いたミドルズブラを除く監督交代成功率は5分の4で80%となり、ブラッドリー以外の4人の戦績を足し込むと、プレミアリーグ37戦18勝4分15敗と大健闘です。カランカ監督を3月16日に解任したばかりのミドルズブラは、暫定体制のまま1分1敗で停滞。監督を代えていないサンダーランドは最下位に定着。これらを見たイギリスメディアが「不振クラブは早めに監督を代えたほうがうまくいく」と書き立てそうな状況ではあります。

さて、ここからが本題です。最後に泣くのは、どのクラブでしょうか。20位サンダーランドは、残留ラインまで8勝ち点という絶望的なギャップがあり、チャンピオンシップ首位を走る積年のライバル、ニューカッスルと入れ替わるのは間違いないでしょう。彼らの問題は、モイーズ采配よりも、ビッグクラブで振るわなかった選手を寄せ集めたコンセプトなき補強と、あまりにも多すぎた負傷者にあるとみます。失敗を悟ったクラブ経営陣は、一度下に落ちるのを覚悟で長期的に強化する方針にシフトし、モイーズ監督のクビを切らないのではないでしょうか。19位のボロは、プレミアリーグ最少の20ゴールしか挙げられなかった貧攻がネック。カランカ監督を諦めたのは、成績不振ではなく選手との確執が原因と思われます。TOP6との対戦を4つも残しているクラブが、5勝ち点差をひっくり返す可能性は低そうです。

2つが当確となると、残るひとつの椅子を押し付け合うバトルのエントリーチームは、18位ハル・シティから6勝ち点差のなかにいる6つのチームでしょう。レスター、クリスタル・パレス、スウォンジー、ハル・シティの「解任で巻き返し勢」と、ウェストハム、バーンリーの「監督代えない派」です。

残り試合を見ると、TOP6との対戦を最も多く残しているのはクリスタル・パレスの5戦。ウェストハムとレスターは3つ、ハル・シティとスウォンジーは2つで、バーンリーは得意の本拠地ターフ・ムーアにマンチェスター・ユナイテッドを迎えるゲームしかありません。こう見るとアラダイス監督が圧倒的に不利なのですが、クリスタル・パレスのアドバンテージは、ハル・シティ、バーンリー、レスターといったシックスポインターをすべてホームで戦えること。強豪からひとつふたつ勝ち点1を奪い、ライバルとの試合を勝ちきれれば、残留請負人ビッグ・サムはミッション完遂となるはずです。

実は危ないのは、直近のプレミアリーグ4連敗、6戦勝利なしのウェストハムではないでしょうか。頼みのホームゲームはリヴァプール、トッテナム、エヴァートンと難敵ばかり。最終節にアウェイのバーンリー戦という直接対決が控えており、32節のロンドンスタジアムでのスワンズ戦を落とせば、年明けからホームで無敗を続けているハル・シティの猛追を受けるかもしれません。ミドルズブラ&サンダーランドとのホームゲームという黄金カードを握っているハル・シティを侮ってはいけません。

まとめると、こうなります。「調子がいいのはクリスタル・パレスとレスター、絶不調ハマーズ」「対戦相手が有利なのはバーンリーとハル・シティ、苦しいのはハマーズ」「スワンズとハマーズは、直接対決を除けばホームゲームがすべてTOP10との対戦」。うーん。最近のクリスタル・パレスとレスターの好調ぶりとハル・シティのしぶとさを見ると、3つめの降格クラブは「32節のウェストハムVSスウォンジーで負けたほう」のような気がしてなりません。フラット予想ならスワンズ、お金を賭けるなら可能性はそこそこあるのに配当がつきそうなハマーズ。スタジアム移転をビッグクラブへの足がかりとしようと積極的な補強を仕掛けつつ、ヨーロッパリーグ予選を戦うなど当初は上を見ていたウェストハムが、ここまで苦しむとは思いませんでした。サッカーは、あるいはプレミアリーグは何が起こるかわかりません。いや、ホントに。

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“クリスタル・パレス&レスターは今や最強!?絶不調は…!プレミアリーグの残留バトル大予想!” への2件のフィードバック

  1. おはむ より:

    さらに、ノーブル、リード、オビアング、クラスウェル、オグボンナが怪我で、守備のできないランジーニがボランチをしているレベルで深刻です。 中盤とディフェンスがスカスカです。ヤバいです

  2. makoto より:

    おはむさん>
    所属選手の個々のポテンシャルは降格するようなチームのものではないので、踏ん張ってほしいです。

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