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誤算のアタッカーと中盤の守備に苦しんだニューカッスルが、残り2試合でプレミアリーグ復帰決定!

その瞬間、ベニテス監督を支配した感情は、歓喜ではなく安堵のではないでしょうか。マンデーナイトのブレストン・ノースエンド戦を4-1で圧勝したニューカッスルが、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンに続いてプレミアリーグ昇格を決めました。チャンピオンシップ降格によってシッセ、ワイナルドゥム、シソコ、タウンゼント、ヤンマートらが次々といなくなりましたが、ミトロヴィッチ、ダメット、コルバック、グフラン、シェルヴィといったプレミアリーグ経験者が残ったチームは、優勝候補の最右翼。最大の戦力ともいえる「チャンピオンズリーグ優勝監督の残留」を実現させた北の名門クラブは、圧倒的な強さを見せてプレミアリーグに戻ってくるものと思われていました。ところが、蓋を開けてみればまざかの開幕2連敗。すぐに5連勝と巻き返し、10節からの8連勝で2位ブライトンに5勝ち点差をつけたものの、その後の道のりは決して順調ではありませんでした。

ニューカッスルのリーディングスコアラーは、クリスタル・パレスから獲得したドワイト・ゲイル。31試合22ゴールと結果は出しているのですが、小さな負傷が多く、しばしばチームを離脱しています。彼がいない試合は9勝3分1敗と勝率はまずまずで、問題は「ゲイル不発時のオプション」でした。ゴール数2位はボーンマスから来たマット・リッチーの12発。右サイドから中に斬り込んでくるアタッカーに続くのは、アヨゼ・ぺレスの8ゴール、グフラン、シェルヴィ、マーフィーの5ゴール。2人の新戦力の量産で何とかなったものの、彼らが止まるととたんに苦しみ、年末の停滞でブライトンに首位を明け渡しています。ミトロヴィッチとアツが期待通りに活躍できなかったのは、ベニテス監督にとっては誤算だったでしょう。

そしてもうひとつ、苦しんだ原因となったのは、中盤センターの守備力でした。ジョンジョ・シェルヴィはポジショニングに難があり、アーセナル時代はCBとして期待されていたアイザック・ヘイデンは、経験不足を感じさせるシーンが目立ちました。2年前はよかったコルバックが今ひとつだったのも、中盤が安定を欠いた理由でしょう。36節のレディング戦以降は、2勝3分3敗と完全に失速。5勝ち点差をつけて首位に立っていたチームは、41節にブライトンに逆転され、4差で追う立場となってしまいました。ヘイデンもコルバックも不在だった試合では、ディアメをセントラルに下げる緊急避難策まで講じましたが、選手層の薄さを実感させただけに終わりました。「戦いは決して楽でなく、ハードだった。私たちの戦術は研究されていた。最高のフットボールを披露したこともあったが、逆もあったね」というベニテス監督の言葉に飾りはないのだと思われます。

サンダーランドと入れ替わりになりそうなのは残念ですが、古豪の復帰でプレミアリーグはより盛り上がるでしょう。「今後は、さらにさまざまな戦略を練らなければならない」とはベニテス監督らしいコメントですが、その前にまずは戦力。GK、CB、セントラルMF、ストライカーと背骨を強化しなければ、名将をもってしても相当苦しむのではないかと思います。セント・ジェームズ・パークに5万人近くのファンを集められるクラブだけに、夏は大型補強を仕掛けてくるのではないでしょうか。2つの椅子が埋まったチャンピオンシップも残り2試合。次の興味は、「古豪リーズがプレーオフに進出できるか」です。

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“誤算のアタッカーと中盤の守備に苦しんだニューカッスルが、残り2試合でプレミアリーグ復帰決定!” への4件のフィードバック

  1. 爪楊枝 より:

    北の名門一年で復帰は嬉しいニュースですね。
    大きな戦力を持ちながら2部から上がれず、ズルズルと沈んでいった例は、たくさんありますからね。
    どちらかというと冷静沈着で、人を寄せ付けない印象のあるベニテス監督が漢気を見せたなぁと、新鮮な面白さを感じました。
    やっぱり、冷淡なレアルでの扱いの後だっただけに、ファンの熱い信頼が嬉しかったんだろうと思うと、より一層感動を覚えますね。
    来季プレミアで大暴れするのではないかと、ワクワクしています。

  2. MUFC より:

    著名運動までしたファンの温もりを十分に感じ、ここには変な政治的圧力もない。と言っていましたし、やり易くやりがいを感じているでしょうね。まずは残留、次の年で上位陣に食らい付く事が出来ればいいですね。ベニテスが強いチームを作ることを願っています。

  3. KO より:

    非常に喜ばしいニュースですがタインウェアダービーが見れる可能性がほぼ無いのは残念ですね…

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    このままだと勝ち点剥奪で2部残留になりそうなのですが……。

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