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カードが少ないのはやっぱりあのチーム!プレミアリーグ2016-17・フェアプレーランキング

プレミアリーグ2016-17シーズンも残り2節となりまして、現地メディアには今シーズン全体を振り返るような記事が増えてまいりました。得点王はルカクで決まりか、アシストは2位エリクセンとシグルズソンに3差をつけたデブライネか。クリーンシート数15で並ぶクルトワとロリスは、どちらがゴールデングローブに輝くのか…。そんななかで、「エクスプレス」がスライドショーで紹介しているのはフェアプレーランキングです。タブロイド紙らしく、「Premier League Fair Play table: Which club has the worst discipline record this term?(プレミアリーグフェアプレイテーブル:今季最悪の規律を示す記録を出したのはどのクラブ?)」と、悪いほうに注目させる見出しを立てておりますが、ここではひっくり返してイエローカードとレッドカードが少なかったクラブを上位としましょう。トップは、2014-15シーズンにもフェアプレー賞に輝いたリヴァプール。2位はスウォンジー、3位にはエディ・ハウ監督のボーンマスが入っています。

ちなみに、昨季は1位アーセナル、2位レスター、3位マンチェスター・シティとチャンピオンズリーグ出場権を獲得したクラブが上位を独占。ボーンマスは4位、リヴァプールは6位でした。守備戦術が洗練されたチームとポゼッションを取るチームはファールが少なく、無理な体制からタックルを仕掛けてカードをもらう頻度が落ちるという傾向が見てとれます。2015-16シーズンはアストン・ヴィラの次にカードが多かったワトフォードは、今シーズンは最下位。キケ・フローレスからマッツァーリと指揮官が代わったにも関わらずレフェリーからのチェックが減らないのは、「ついついやってしまう選手」がいるからでしょう。以下に、プレミアリーグ全20クラブのランキングを掲載させていただきます。

【プレミアリーグ2016-17 フェアプレーランキング(36節終了時)】
1位/リヴァプール      216pts
2位/スウォンジー      220pts
3位/ボーンマス       236pts
4位/トッテナム       240pts
4位/サウサンプトン    240pts
6位/レスター       260pts
7位/アーセナル      264pts
8位/バーンリー       270pts
9位/チェルシー      276pts
10位/ストーク        282pts
11位/ハル・シティ     290pts
12位/エヴァートン     292pts
13位/クリスタル・パレス 296pts
13位/WBA          296pts
15位/ミドルズブラ    302pts
16位/マン・ユナイテッド 314pts
17位/マン・シティ    316pts
18位/サンダーランド   326pts
19位/ウェストハム    336pts
20位/ワトフォード    346pts

個人のランキングをチェックしてみると、「イエローカードキング」に向かってトップを走っているのは、12枚を集めたワトフォードのホレバス。黄色は1枚少ないながらレッドカードをもらっているボーンマスのアーターが2位で、昨季の7枚から数字を伸ばしてしまいました。同数の2位にエヴァートンのセントラルMFイドリサ・グイェがいるのですが、相方のギャレス・バリーも10枚もらっており、クーマン監督のチームが真ん中にいる2人のぎりぎりのプレイによって失点を減らしてきたのがわかります。ワトフォードはプリョードルも10枚重ねており、チーム総枚数76の1/4を超える数字を2人が占めています。昨季12位だったトッテナムが4位に躍進したのは、イエローカードコレクターだったエリック・ラメラがシーズンの大半を棒に振ったからでもあるでしょう。

警告が多い選手には、3つのタイプがあるのではないかと思います。「プレイが激しい」「カッとなりやすい」「注意力が散漫になりやすい」。気が荒いタイプの代表が、アルナウトヴィッチ、ジエゴ・コスタ、フェライニで全員9枚。出場時間が少なかったルーニーは、プレミアリーグ4ゴールながらイエローは7枚もゲットしています。うっかり後ろから引っかけてしまう注意力不足系のベンテケは10枚で、ザハも激しいというよりは要らないイエローが多いタイプでしょう。リストを見ていると、レフェリーの目を盗んで駆け引きする「インテリヤクザ」タイプという4つめがあるかもしれません。セスクの8枚、ペドロとズラタンの7枚にはこちらの香りが感じられます。ロメウ、カンテ、ヘンダーソン、ワニャマ、ジョー・アレン、エリック・ダイアーなど、CBの前でプレイする選手は相手と競り合う機会が多く、厳しいチェックを咎められがちです。

ケガに直結するラフプレーや非紳士的行為は避けていただきたいのですが、実際はイエローカードの多くが「プレイや判断のミスによるもの」だという認識です。クリアできるとジャッジしてスライディングしたのに足を引っかけてしまったり、ぎりぎりで突っ込んだためにうまく止まれず接触してしまったり、とりわけ後手を踏んだ選手はカードの枚数が増えがちです。そんななかで、「走るサッカー」を徹底することによって、より前でピンチの芽を摘んで歩いたクロップ監督のゲーゲンプレッシングがフェアプレーランキングの頂点にいることをリスペクトしたいと思います。いつの日か、プレミアリーグ、国内カップ、フェアプレーの三冠に輝いて「ゲーゲンプレッシングはフェアで美しく、日程がタイトなイングランドでも勝てるコンセプトである」ことを証明していただければと期待しています。

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“カードが少ないのはやっぱりあのチーム!プレミアリーグ2016-17・フェアプレーランキング” への2件のフィードバック

  1. スパーズファン より:

    フェアプレーランクが普通から良い方なのにスパーズが荒いサッカーと言われるので辟易としています。一人でも多くこのような基準で判断する人が増えてくれると嬉しいなと思います・・・

  2. makoto より:

    スパーズファンさん>
    試合を見ていれば、スパーズが決して荒いチームではないことは一目瞭然ですよね。アルデルヴァイレルトのスマートさには、いつも惚れ惚れします。

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