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罰金83億円、CL登録制限、人件費上限設定…マンチェスター・シティとパリSG、FFP違反で厳罰決定!

チャンピオンズリーグ出場権剥奪までチラつかされ、ついに、プレミアリーグ優勝クラブがUEFAとのバトルを断念しました。 FFP違反により、最も重い罰を受けるのはマンチェスター・シティとパリ・サンジェルマン。罰金6000万ユーロ(約83億円)に加えて、チャンピオンズリーグ登録選手の制限、移籍金や給与額の上限設定など、想像以上に厳しいペナルティを科せられることになりました。

イギリスの「BBC」によると、ペナルティの詳細はこうです。まずは罰金83億円ですが、こちらは来年度、UEFAが敷いたルールを守れば、2/3にあたる55億円が返還されることになります。そして、チャンピオンズリーグAリストの登録人数制限は、通常25名まで登録できるところを21名に減らされます。さらに厳しいのは、マンチェスター・シティが使っている選手やスタッフの人件費について、現状の数字を上限として、増額できなくなること。簡単にいえば、ある選手を獲得すると、それと同額になるように選手を売ったり給与を抑えたりしないといけない、ということです。

アブダビがついているマンチェスター・シティ、カタールからお金が出ているパリにとって、罰金は短期的には大したことはないと思われますが、その他の条件がきついですね。UEFAはチャンピオンズリーグ出場権剥奪という最上級の手札は切らず、「改善すれば、いろいろ水に流すけど、やってくれないならもっときついこと考えちゃうなあ」という実をとる作戦に徹してきました。マンチェスター・シティは、「われわれはFFPのルールを遵守している。通常なら、とことん争うところだが、そうするとチャンピオンズリーグに出られなくなる可能性があり、ファンやビジネスパートナー等への影響を考えて、今回は制裁を受けることにした」という趣旨の声明を発表しています。実際のところ、堂々とルール違反をしたわけではなく、グレイな手法に対する見解・解釈の相違で、プレミアリーグ王者とリーグ・アンの盟主はUEFAに折れたのでしょう。

ちなみに、このほかの処分クラブの顔ぶれは、ガラタサライ、ブルサスポル、トラブゾンスポルのトルコ勢と、ゼニト・サンクトペテルブルク、アンジ・マハチカラ、ルビン・カザンのロシア勢、ブルガリアのレフスキ・ソフィアとなっています。パリとマン・シティの次に重い処分を受けたゼニトは罰金1200万ユーロ、アンジが200万ユーロ、ルビン・カザンが60万ユーロ。この3クラブは、それぞれチャンピオンズリーグの登録人数制限も受けています。そして残りの4クラブは、20万ユーロの罰金のみ。金額でみれば、ゼニト以外は軽微な違反だったようです。

先日、コメント欄で私の論旨から逸れた反論をいただいたので、誤解のないよう、あらためてはっきりさせますが、FFPについて私がいっているのは、「オイルマネーが入った金持ちクラブを何とかしてくれ」ではなく、「やると決めた以上は、正直者がバカをみることのないよう、ルール違反クラブをうやむやにせず処分してくれ」ということです。FFP違反を語るとき、ロシアからオイルマネーが入っているチェルシーについては、対象外とわかってからは何もいっておりません(むしろ、若手発掘を強化し始めた近年のアブラモヴィッチ氏を見直しているぐらいです)。もっといえば、私の応援しているマンチェスター・ユナイテッドもお金は持っているので、「やばくなったときに大量補強で解決できるよう、FFPがないほうが都合がいいクラブ」のひとつでしょう。

一方、別な目線で、最近の移籍金や選手給与の高騰は、確実にクラブ経営のリスクを増大させるので、唯一かつ完全な手段ではないにしても、FFPが機能することでいくばくか改善されればいいのではないか、とも思っています。マンチェスター・シティには、プレミアリーグの顔として、チャンピオンズリーグはがんばってほしいので、登録制限がつくのは残念ではあるものの、それでも今回のUEFAの処分を支持します。できれば処分理由も公表いただきたいのですが、どこにも上がってないですよね?これはまた、おいおい、どこかで。

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“罰金83億円、CL登録制限、人件費上限設定…マンチェスター・シティとパリSG、FFP違反で厳罰決定!” への4件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    いやーシティはきついですね。
    一番辛いのはサラリーの上限がきまってしまっていることですね。
    DFラインにコンパニの相棒となる主力が欲しいところです。2〜3人放出してギャプを空けるのか、現有戦力でいくのかどうするのでしょうか

  2. あああ より:

    レスコットとかヨベティッチとかロドウェルとか使い物になってない選手売ればなんとかなりそうじゃないですか?
    ホームグロウン制のがきつそうですが。
    ルークショー欲しいしょうね

  3. makoto より:

    リバサポさん>
    人件費上限キャップは厳しそうですね。出したい選手は、給料安い選手ばかりでしょう。

    あああさん>
    投げ売り同然で3人売っても、ルーク・ショーを獲れますかね?今回、これだけ話題になったので、昨今のACミランのように、相手クラブには相当、足元見られると思います。

  4. makoto より:

    給与額の上限が設定されるということは仮に若手有望選手を5年契約くらいで獲得したとして、その選手が活躍してチームに欠かせない存在になったとしても、年俸を上げるためにはほかの選手を下げるか売るかしないといけなくなるわけですよね
    となるとある程度中~長期的にチームプランを考えなければいけなくなりますね
    思った以上に厳しそうです

    —–
    aienさん>
    「給与額上限制限は2年」「1年めでFFPのルールを守れば、そこで解除」「その後はFFPの赤字制限を守ればOK」ということのようなので、中長期的な影響というより、「この2年をどうやりくりするか」という話です。おっしゃるように、厳しいことは間違いありませんが。

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