イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ホームで勝てない苦境トッテナム、解任説漂うポチェッティーノ監督は大丈夫?

プレミアリーグとヨーロッパリーグのプレーオフをそれぞれ連勝して、開幕から4連勝。ファン・ハール監督やクーマン監督など、プレミアリーグ初体験となる新指揮官たちが芳しくないスタートをきるなか、ポチェッティーノ監督だけは「さすが、セインツを上位に押し上げた監督。プレミアリーグ経験はダテじゃない」と思わせる立ち上がり。私は、2節のQPR戦をみて、トッテナムの躍進を予感しました。ものすごいハイプレス。速いショートカウンター。エリック・ダイアーというラッキーボーイが2試合連続ゴールを挙げ、昨季はくすぶったまま終わったラメラとシャドリが元気です。このクラブは、もしかしたら今季こそアーセナルやリヴァプールの上をいくかもしれない、とすら思いました。

しかし、3節のリヴァプール戦に敗れ、ヨーロッパリーグのグループステージが始まると、ここからトッテナムはなだらかに失速を始めます。プレミアリーグと欧州で、メンバーの大半を入れ替える大胆なターンオーバーは機能したとはいえず、直近のプレミアリーグでは1勝3敗。マンチェスター・シティと復調ニューカッスルに負けたのはともかく、ストーク戦の完敗は心証が悪いですね。ここまで、本拠地ホワイト・ハート・レーンで2勝4敗と勝てないのも、ビジネス感覚に長けたレヴィ会長は気にしているのではないでしょうか。先日のストーク戦を受けて、ポチェッティーノ監督の手腕を疑問視する声が高まり、解任のゴシップまで出始めています。アメリカ代表監督のクリンスマン氏が「マウリシオ(ポチェッティーノ監督)はベストを尽くしてほしい。彼はすごい才能がある監督で、すでにそれを証明している。新監督にはもうしばらく時間が必要で、周囲は辛抱強く待たなければならない」とコメントしたと報じられたのも、ネガティブな噂があるがゆえでしょう。

以前にチャールトンやウェストハムで指揮を執ったアラン・カービシュリー氏は、イギリスメディア「スカイスポーツ」で、トッテナムがレヴィ会長とバルディーニTD主導で補強を進めており、現場の意向が反映されないことを指摘。ポチェッティーノ監督は新しい選手の補強を要求すべきだと語っていました。確かに、2001年にやり手の会長、レヴィ氏が来てからというもの、トッテナムの人事は完全なるフロント主導、ビジネス重視の判断です。私は、ファン・デル・ファールトやロビー・キーンなど、このクラブの売買をみて「やりくり上手で、特に売るのがうまい」と好意的に捉えていました。しかし一方で、レヴィ会長が時として相場より高く売り、安く買うことにこだわり過ぎて、選手をダブつかせたりチーム編成がいびつになりかけたりするのにハラハラしていたのも確かです。今季、気になっているのは、パウリーニョの不在とエリクセンの早い交代。センスあふれるパサーが、後半開始と同時にピッチからいなくなっているのをみると、ポチェッティーノ監督の最大の悩みは中盤の守備にあるのではないかと思います。

「国外出身の監督は、完全なフロント主導で補強がなされるのを受け入れることができると思う。ヨーロッパではそうだからね。でも、その手法はプレミアリーグでは一般的ではない。私は、監督とスポーツディレクターがもっと連携するべきだと思う。ポチェッティーノ監督は、そこにあるチームをただ受け入れなければならなかった」(アラン・カービシュリー氏)

私は、サポーターのみなさんほどトッテナムの内情には明るくないので、あくまでも「外野から試合を観ていて」ということになりますが、今季のこのチームの弱点はファン・ハール監督と一緒で、セントラルMFがうまくはまらず、カイル・ウォーカーの穴とCBの連携不足が修復できていないことだと思います。ポチェッティーノ監督はセインツ時代から応援しており、トッテナムでチャンピオンズリーグ出場権を奪回するという彼のチャレンジを楽しみにしていたのですが、ハル・シティ、エヴァートン、チェルシーと続く次節からの難しい3試合で負け越すと、さすがに危ないかもしれません。

この苦境を何とかくぐり抜けて、1月の補強でチームをパワーアップさせられればいいのですが、レヴィ会長はどこまで我慢するでしょうか。「金は出すけど口も出す」タイプのインテリ会長が、パウリーニョを使えなどと言い出して揉めなければいいなと思います。カービシュリー氏が指摘するように、このクラブでトップと溝を作ったら、ヴィラス・ボアス監督同様、一発レッドカードですべてが終わってしまうはずなので…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ホームで勝てない苦境トッテナム、解任説漂うポチェッティーノ監督は大丈夫?” への5件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    パウリーニョに関して言えば私は妥当だと思います。彼の今シーズンのパフォーマンスはお世辞にも良いとは言えません。
    問題はCBが固定出来ない事や右サイドが弱い事、エリクセンやカプーのコンディションが明らかに落ちている事もあります。
    その辺の事を言い出したら山のように不満があるでしょう。
    私個人的にはスパーズには精神的支柱になる選手がいない事が問題だと思います。ガナーズ戦は戦っていました。しかし最近の負け試合を見てると戦っていません。点を取りに行く方法も明確ではないのです。
    監督には時間が必要だと思います。しかしポチェさんは守備の戦術やビルドアップの戦術は持っていても、攻撃の戦術を選手交代だけで選手任せにしています。
    ここまで書いててため息が出ますね。
    こんな時ベテランの選手の必要性を感じます。スパーズは若すぎます。

  2. makoto より:

    にわかスパーズファンさん>
    ありがとうございます。サポーターの方から、まさに、そういうご意見を聞きたかったのです。パウリーニョに関しては、ポチェッティーノさんは「技術的な問題」といってましたね。ベテラン不在については、「若い選手を育てて高く売りたい」という会長の意向もあるのでしょうか。期待できる若手が多いのは楽しみではありますが、常時出場できるようなベテランが、要所にもう少しいたほうがいいのかもしれませんね。

  3. ラフィー より:

    スパーズを取り上げてくれることがあまりないだけに嬉しいです。ただ、こういうカタチではなく、セインツやハマーズみたいに上位陣に喰い込み、良いカタチで取り上げて貰えてたら良かったのですが…笑

    私もQPR戦を見て今年のスパーズに大いに期待していた1人です。去年までのドルトムントを彷彿とさせるような前線からのプレッシング。

    それがストーク戦に関しては全く見る影のないチームに変わってました。ただ、ストークの試合運びが良かったのは事実。ニューカッスル同様、これから上がってきそうなチームですね。

  4. makoto より:

    ラフィーさん>
    スパーズに関しては、30年以上前の三菱ダイヤモンドサッカーで、当時イングランド最強だったリヴァプールとの試合を観ていたので、親近感があるんです。ここ10年も、ベルバトフやファン・デル・ファールトなど、お買い得案件をよく獲ってくるなぁ、と感心しておりました。

    記事にも書きましたが、ポチェッティーノ監督は好きですし、天才エリクセンやメイソン、ラメラの成長も楽しみなので、折にふれて書かせていただきます。ラメラは得点力のある選手なので、まだまだやれるはず。次回こそは、スパーズのいいニュースを!

  5. replica watches より:

    サッカー ブログランキングへ

ラフィー へ返信するコメントをキャンセル