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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

主力出遅れ、補強ゼロ、ホーム間借り…3重苦で開幕3連勝のスパーズ、エースが語る「強い理由」

正直に告白します。スパーズサポーターのみなさま、すみません。私は、今季プレミアリーグで出遅れる可能性が最も高いのはトッテナムだと思っておりました。何しろ、逆風だらけです。イングランド、ベルギー、フランスがワールドカップでベスト4に残ったために、主力の合流が遅れました。新スタジアムのオープンが延期となり、昨季に続いてウェンブリー間借り生活。「デッドラインデー直前に、駆け込みでいい選手を獲ってくるのがダニエル・レヴィ」と誰もが信じたトランスファーマーケットでは、まさかの補強ゼロフィニッシュ。昨シーズンが終わった直後に、「クラブはリスクを取って新しいアイデアを持ち込むべき」と大型補強の必要性を訴えたポチェッティーノ監督は、「われわれにはとても素晴らしいスカッドが…」と、お隣にいたボスの十八番だった「われスカ宣言」をして、ジャーナリストたちの同情を集めました。

ただでさえ、出遅れ癖のあるクラブです。2014-15シーズンは、3節にリヴァプールとのホームゲームを0-3で完敗し、5節までで2勝1分2敗。3位に躍進した2015-16シーズンは、開幕戦でマンチェスター・ユナイテッドに敗れた後、3戦連続ドローという最悪のスタートでした。2016-17シーズンは、エヴァートンとリヴァプールに引き分けて1勝2分と踏ん張ったものの、昨季プレミアリーグでは2節のウェンブリーでチェルシーに逆転負け。翌週もホームでバーンリーに引き分け、ウェンブリーでの初勝利は8節のボーンマス戦とスロースターターぶりを発揮しました。8月にハリー・ケインが眠っているのは、多くのサポーターが織り込み済み。ポチェッティーノ監督の就任以来、4節までに3勝を挙げたことは1度もありませんでした。

ところが今季は、ニューカッスル、フラム、マンチェスター・ユナイテッドを次々と撃破。苦手のオールド・トラフォードでの一戦は、2014-15シーズンにプレミアリーグを制したモウリーニョ監督のチェルシーを彷彿とさせる強い勝ち方でした。相手の攻撃に冷静に対処し、先制を許さずにハーフタイムを迎えると、後半は守備の枚数が足りなくなりがちだったルーク・ショーのサイドを突いて2点をゲット。その後はキーマンをしっかり抑えて試合を殺し、最後にカウンターでとどめを刺すという堅守速攻のお手本のような勝利でした。今季はプレミアリーグ3戦2発とロケットスタートのハリー・ケインのコメントを聞くと、「われスカ」は絶大な効果をもたらしたようです。「監督はわれわれに信頼を示し、チームに確固たる信念を与えてくれた。彼とクラブにお返ししないといけないね」。補強がなかったことが、逆にチームの一体感を醸成したと強調しています。

直近のプレミアリーグで3年連続3位以内を達成した唯一の指揮官であるマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、実は即戦力補強がうまくいっていないシーズンが多いのですが、移籍2年めの選手を開花させてチームを強化し続けています。2015-16シーズンのニューフェイスで成功したのはアルデルヴァイレルトだけだったのですが、前のシーズンの冬に獲ったデル・アリが27試合10ゴールとブレイク。2016-17シーズンもワニャマ以外は期待外れながら、トリッピアーが頭角を現し、ソン・フンミンがプレミアリーグ34試合14ゴールと真価を発揮しました。昨季はダヴィンソン・サンチェスは合格、セルジュ・オーリエはまずまず、ジョレンテとルーカス・モウラは外れと補強は微妙。その一方で、放出寸前だったシソコがワニャマやハリー・ウィンクスが負傷離脱した穴を埋めています。

前年までのサイクルが続くとすれば、今季はルーカス・モウラやジョレンテといった「新戦力」が結果を出すシーズンとなるはずです。実現すれば、素晴らしい。モウリーニョ監督にも、「ルカク25発、アレクシス15発、リンデロフを育てて…昨季からの単純計算で90ゴール25失点なら優勝チームのスタッツです」と進言したくなります。好スタートを切ったスパーズは、昨季と同じ顔ぶれでどこまでいけるでしょうか。夏にチェフしか即戦力を獲らなかった2015-16シーズンのアーセナルは2位でしたが…⁉

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“主力出遅れ、補強ゼロ、ホーム間借り…3重苦で開幕3連勝のスパーズ、エースが語る「強い理由」” への5件のフィードバック

  1. より:

    管理人さんがスパーズに厳しい見立てをしていること、(何ならちょっとスパーズが嫌いなこと)、ひしひしとブログから伝わってましたので、こういう記事ありがとうございます。
    今期は「並み以下」のルーカスモウラが爆発してくれるかもしれませんね、楽しみにしてて!笑

  2. makoto より:

    た さん>
    別な方の記事とお間違えではないですか?相当好きです。
    (心配なクラブはあっても、嫌いなクラブはありません)

  3. さい より:

    楽しみにしてて!w

  4. sini より:

    正直、いまのところ順調そうでホッとした、という感じです。
    トビーやデンベレが出れば十分以上のパフォーマンスを披露してくれているのも好材料ですし、ルーカス・モウラもここまで素晴らしい貢献です。
    補強はゼロでしたが、既存戦力を維持できれば三位以内は安定してとれるチームですし、市場がこのまま閉まれば安心できるのかなと思います。

    あとはラメラ、ウインクス、ワニャマあたりの完全復活が待ち遠しいのと、エイモス、KWP、フォイスなんかがレギュラー争いに割って入るようだと嬉しいですが。

    それにしてもトリッピアが本当に頼もしいです。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズサポの自分でも「今期はやばい、レヴィアウト」とか思っていたので予想以上に毎週嬉しいです(笑)
    しかしこれからCLもカップ戦も始まり、休養が取れなかったW杯組がタイトなスケジュールに苦労するのでは…というのはネガティブ過ぎるでしょうか、とにかくポチェとそのチームを信じて楽しみたいと思います。

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