偏愛的プレミアリーグ見聞録

ピエール＝エメリク・オーバメヤンとの契約延長は、口頭合意に至ったと報じられています。プレミアリーグ85試合54ゴールの絶対的エースが残ると正式に決まれば、アーセナルは次なるアクションを起こすのではないでしょうか。「カルチョメルカート」は、アレクサンドル・ラカゼットについて、ユヴェントスとのディールがまとまるのではないかといっています。昨季のセリエAで8ゴールのゴンサロ・イグアインの退団が決まれば、ユーヴェの前線はクリスティアーノ・ロナウドとパウロ・ディバラのみ。ラカゼットのエージェントが持ちかけたといわれる今回の話は、イタリア王者にとっては渡りに船です。

「カルチョ・メルカート」のレポートを、もう少し読み進めてみましょう。アンドレア・ピルロ監督のチームが最優先ターゲットとしているのは、プレミアリーグ17ゴール6アシストという数字を残しているウルヴスのラウル・ヒメネス。ビッグクラブからのオファーがあれば断らないと表明しているストライカーは、ウルヴスにとっては攻撃の生命線で、ピッチにおける堅守を再現するような売却拒否の姿勢を貫くと目されています。イタリアのメディアの評価は、「代理人のホルヘ・メンデスによる魔法でもなければ難しい」。2番手評価はナポリのアレク・ミリクで、ユーヴェ移籍には前向きと伝えられていますが、具体的な話が始まる気配はないようです。

ラカゼットの移籍については「個人合意は問題なし。ユーヴェのスタッフはフランス人ストライカーを評価しており、承諾する見通し」。彼はアウトサイダーではないと主張するメディアは、話がトレードに発展する可能性もあるといっています。ウィリアンの去就次第で、ドゥグラス・コスタかベルナルジスキ。CBが足りないと判断した場合は、1年前もガナーズの獲得候補だったルガーニや、ジェノアに貸し出されていたアルゼンチンU-23代表のクリスチャン・ロメロがターゲットとなります。プレミアリーグ30試合10ゴールのストライカーは、放出すべきとされているわけではありませんが、中盤と最終ラインを強化するにあたり、まとまった移籍金を手に入れられるカードとして活用される可能性が高くなっています。

イタリア発のゴシップに、イギリスのメディアが食いついており、「ミラー」「メトロ」「エクスプレス」などの見出しに「Juventus」の8文字が躍っています。アーセナルが設定した移籍金は3000万ポンド（約42億円）。1年前なら1.5倍の値段で取引できたような気もしますが、グエンドゥジと合わせて7000万ポンドを手に入れられれば、悪くないディールといえるでしょう。

オーバメヤン、ラカゼット、グエンドゥジ、ウィリアン、コウチーニョ、トーマス・パーティー…。誰が加わり、誰が残り、誰が出ていくのでしょうか。プレミアリーグ2020-21シーズンの開幕は9月12日ですが、8月29日のコミュニティシールドでリヴァプールと戦うクラブは、1週間前には新シーズンのトレーニングを開始するといわれています。それまでに、何人かの去就については答えが出ているのではないかと思います。アルテタ監督と経営ボードの立ち回りに注目しましょう。