イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

残留か移籍か…高額移籍金&サラリー必至のイングランド代表選手争奪戦、勝つのはどこだ!?

しばらくは、仕方がないのかもしれません。現在のプレミアリーグでは「イングランド代表」という肩書きがつくだけで、移籍金もサラリーも一段跳ね上がります。記憶に新しいのは、昨季のトランスファー・マーケットにおけるマンチェスター・ユナイテッドのルーク・ショー獲得。私は、この先10年は左サイドの心配が要らなくなるくらいの逸材だと思っていたので、「何が何でも獲ってくれ」とは思ったものの、19歳のSBに3000万ポンド(当時のレートで約52億円)はやはり高すぎます。この傾向は、イングランド人選手を一定人数チームに入れないといけないというホームグロウン制度があるがゆえですが、近視眼的に「制度を廃止しろ」というのは暴論でしょう。イングランド人選手の育成・強化を促進させるべく長期的視野に立って導入されたルールなので、やる以上は腰を据えてやっていただければと思います。近い将来、素晴らしい国産選手が数多く輩出されて特定の選手に高額の移籍金を払わなくてもよくなれば、それが成果なのですが、プレミアリーグの上位クラブでポジションを確保できる選手が限られている現状では、どうしてもお値段が高騰してしまうようです。

ジェームス・ミルナーはいい選手だと思いますが、イギリス紙「デイリー・ミラー」が伝えるマンチェスター・シティのオファー「4年契約で最大週給16万5000ポンド(約3086万円)」は、いかにも出し過ぎ。契約が切れる直前にこんな法外な金額を提示された選手は、評価を喜ぶよりも「なぜ契約切れ直前まで話をしてくれなかったんだ」と不信感が先に立つでしょう。ローマやインテルなど、イタリアからも興味を持たれているミルナーは、プレミアリーグ以外には関心がないようで、アーセナルとリヴァプールの一騎打ちといわれています。出場機会がより見込めるのはリヴァプール、チャンピオンズリーグにこだわるならアーセナルでしょうか。代理人のマシュー・バックさんと話して結論を出すと伝えられているイングランド代表MFの去就は、FAカップの決勝が終われば早々に決まるはずです。

チャンピオンズリーグで今季8試合中6試合に出場したミルナーの本命はアーセナルといわれており、レッズの懸念材料は、今後強くなるのかどうかが不透明なところだと報じられています。うーん、痛い。プレミアリーグ、FAカップ、ヨーロッパリーグと三兎を追いながら、今ひとつフォーカスが定まらなかった今季のロジャース監督は、獲りにいくと宣言したFAカップでアストン・ヴィラに負けている場合ではなかったようです。ただでさえ選手に人気の「伝統と確かな実績を誇るヴェンゲル・ブランド」に対抗するには、直接対決で勝ってみせるのがわかりやすいでしょう。一方、ヴェンゲルさんはミルナーを獲るのでしょうか。明らかにチェンバレンとキャラかぶりする29歳をガナーズの名将が袖にするなら、ミルナーはリヴァプール移籍をとるか、あれだけのプレイを見せていながらプレミアリーグ先発が17試合しかなかった「年収16億円の便利な選手」のいずれかを選ぶことになります。

ロジャース監督といえば、こちらもイングランド代表の高額選手、ラヒム・スターリングがこの夏の移籍を懇願していると伝えられています。「スカイスポーツ」によると、スターリングは新契約を結ぶ意思がなく、その理由として「以前に残留オファーがマスコミに流れた経緯について不信感を持っている」「メディアから守ってくれない」と主張しているとのこと。これは、さすがに後付けでしょう。スターリングがデ・ヘアのように沈黙を守っていれば、一連の騒動はなかったはずです。漏れ聞こえてくるネガティブな状況にしびれを切らしたのは、OBのジェイミー・キャラガー。ガリー・ネヴィルさんとの「スカイスポーツの2トップ」は、どちらもDF出身なのになかなか攻撃的です。

「あの青年(スターリング)はロンドン出身で地元に戻りたがっている。あるいはチャンピオンズリーグでプレイして、トロフィーを獲得したいのかもしれない。でも、もしトロフィーがほしいなら、リヴァプールでもそのチャンスはあったはずだ。FAカップ準決勝ではアストン・ヴィラと対戦したが、スターリングはどこにいたんだ? タイトルは与えられるものではなく、ビッグマッチでいいプレイをして勝ち取るもの。リヴァプールはチャンピオンズリーグで何をした?スターリングは何かしたか?何もしていないじゃないか」

いやー、いいですね、キャラガー兄さん。「リヴァプールに残ってフットボールに集中しろ」という大先輩の檄は、スターリングに届くのでしょうか。契約は2年残っているので、残留の可能性も充分にありますが、高額のオファーがあればレッズは早々にスターリングに見切りをつけ、大物ストライカー獲得にシフトするような気がしてなりません。

そしてもうひとり、イングランド代表で高額移籍金となりそうなのが、チェルシーとマンチェスター・シティが狙っているといわれているエヴァートンのCBジョン・ストーンズ。残留か移籍か。もし本気で獲りにいくなら、「青の三つ巴」を制するのはチェルシーとみます。「狙った獲物は逃さない」チェルシーは、プレミアリーグだけでなく、移籍市場でも国内最強。「ジョン・テリーの後継者として」という殺し文句は、若い選手の気持ちを動かすには充分でしょう。マンチェスター・シティは、ミルナー、ヤヤ・トゥレ、ジェコ、ヨヴェティッチに退団の噂があり、攻撃的な選手の獲得や引き留めに投資が必要な状況。イングランド人選手がほしいとはいえ、チェルシーに明らかに勝つような高額オファーは難しいのではないでしょうか。

問題は、お値段ですね。昨季のルーク・ショー争奪戦の際に「もし19歳のルーク・ショーに求められたものを払ったら、われわれは死んだ。ファイナンシャル・フェアプレーにおける安定を殺し、ロッカールームの安定も殺すことになった」と語ったモウリーニョ監督が、1歳しか違わない選手の移籍金とサラリーに、どこまで許容するのかに興味があります。ミルナー、スターリング、ストーンズは三者三様の状況ではあるものの、いずれもそれなりの移籍金やサラリーが飛び交いそうな雲行きです。ルーク・ショーのチームのサポーターですので、昔のことは忘れたとばかりに「ほどほどにね」などと、とぼけた発言をするわけにもいかず、ハラハラしながら成り行きを見守るしかないのですが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“残留か移籍か…高額移籍金&サラリー必至のイングランド代表選手争奪戦、勝つのはどこだ!?” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ご指摘の通り、イングランドの選手は暫くは市場価格以上の値がつきそうですね。
    素人考えなのですが、この傾向が続くとなるとイングランド出身で、有望なユース以下の選手を安い価格で青田買いになるようなことは無いのでしょうか?バルサやレアルの例があるのでプレミアで行われないでしょうか?
    スターリングは以前は残留希望でしたが、今はもうどの気持ちは無いです。お互い様もありますが、レッズはスターリングに対し相当尽くしたと思うんですよね、、、本人も居ずらいでしょうね。ここまで来たら相当額の移籍金を貰いたいと思ってます。
    ミルナーは正直欲しいです!

  2. より:

    更新お疲れ様です。
    レッズサポとしてはスターリングの残留希望していましたが、今となっては「高く売れるなら売っちゃえ」という気分です。
    このまま順調に成長すれば、良い選手になっていくでしょうけど、スアレス・スタリッジを見て急成長した昨期に比べ、今期のプレー観てると正直過大評価されてると思います。
    たった2年(実際はスアレスと一緒にやった1年)で大きく評価されただけで、こんなんじゃクラブ愛がなさすぎてヒキます。

    ガナ・チェル・シティどこに行っても今以上の出場機会は得られないと思いますし、そこまで考えられないのであれば余程愚かな子でしかないなと。
    シティに買い取ってもらって仲良くなって、ミルナー、ヨヴェティッチ、ジェコとか安くもらえたら万々歳です。

へ返信するコメントをキャンセル