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ついにレスター移籍決定!屈強なDFが揃うプレミアリーグで、岡崎慎司はどこまでやれるのか?

岡崎慎司、プレミアリーグ参入決定!直前のニュースでは名前が伏せられていた「移籍金1000万ユーロ(約13億8000万円)を払うプレミアリーグのクラブ」はやはりレスター・シティでした。「レスターに来られてとても幸せです。プレミアリーグでプレイすることは自分の夢でした。ベストを尽くし、サポーターのために多くのゴールを決められるようトライしたい」という彼らしいシンプルなコメントに、新しいステージに賭ける意気込みが滲み出ています。西澤明訓、中田英寿、稲本潤一、戸田和幸、香川真司、宮市亮、そして現在もサウサンプトンでプレイしている吉田麻也に続く日本人8人めのプレミアリーグ入り。セインツで出場機会を得ている吉田麻也を評価するのはこれからだとすれば、「プレミアリーグで成功をおさめた」とはっきりいえる日本人選手は、まだひとりもいないといっていいでしょう。果たして、岡崎はレスターで成功するのでしょうか?

イングランドのど真ん中、イースト・ミッドランドはレスターシャーにあるクラブについて、あらためて簡単に紹介したいと思います。レスター・シティの昨季プレミアリーグ最終順位は14位。「残留争いを続け、何とか降格をまぬがれたクラブ」として、ブンデスリーガにおけるマインツとレスターはほぼ同じようなポジションにいますが、残り10試合を7勝1分け2敗で駆け抜けたレスターのラストスパートは強烈でした。GKカスター・シュマイケル、MFエステバン・カンビアッソがいわばチームの背骨。攻撃スタイルはシンプルで、カンビアッソが後ろから前線にパスを供給し、イングランド代表にまで選ばれたジェイミー・バーディやシュルップ、ニュージェントといった選手がチャンスメイク。サイドからのボールを最前線のアルゼンチン人FWレオナルド・ウジョアが仕留めるという形です。

開幕戦のエヴァートン、3節のアーセナル戦をドローに持ち込み、5節にはマンチェスター・ユナイテッド相手に5ゴールを奪って圧勝するなど悪くないスタートを切ったレスターでしたが、中盤戦で停滞し、瞬く間に最下位転落。クラブを昇格に導いた立役者のサム・ヴォークスを欠いた凡庸なバーンリーや、元代表のベテランが数多くいながらチームの体をなしていなかったQPRに上にいかれる展開は、ナイジェル・ピアソン監督としても不本意だったでしょう。負傷でしばらくチームを離れていたGKシュマイケルの復帰とともに、最終盤でようやく最終ラインが安定し、何とか残留を決めたものの、全体を通じて厳しいシーズンだったことは間違いありません。

「最後に見せたサッカーを来季もできれば、残留争いに巻き込まれることはないのでは?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、レスターの2015-16シーズンも、下から数えたほうが圧倒的に速いポジションをうろうろするはずです。昇格組では、ノリッジはともかくボーンマスとワトフォードは、昨季レスターと同時にプレミアリーグ入りしたバーンリーとQPRより上でしょう。彼らは既に積極的に補強に動いており、来季は簡単には勝たせてもらえないと思われます。

即戦力評価の岡崎慎司に求められるのは、マインツでの2年間と変わらないペースでのゴール量産。レオナルド・ウジョアと横に並ぶのか、縦関係となるのかはわかりませんが、岡崎の強みである前線での駆け引きのうまさや、ラインの裏を取る抜け目のなさを発揮して、フィジカルが強いといわれるプレミアリーグのDFをかいくぐるゴールシーンを披露してもらえればと思います。ジェイミー・バーディとカンビアッソがクラブに残るなら、大いにチャンスありでしょう。カンビアッソが長いボールをぴったり合わせてくれる縦一発のカウンターで、ゴールのおかわりを5杯は決めてくれるのではないでしょうか。

楽観シナリオでは、最前線に岡崎を据えてボールを集めるマインツのようなチームづくりをピアソン監督が選択し、期待に応える年間10ゴール以上。悲観シナリオは、ウジョアどころかクラマリッチにも中央で敗れ、右サイドに追いやられて1~2ゴールで終了。新チームの全容が見えてくるのはこれからで、今は材料も根拠もありませんが、日本代表のエースストライカーにぜひとも成功してほしいという願いを込めて「マンチェスター・ユナイテッドでの1年めで6ゴールを決めた香川真司の日本人レコードを更新」と予想させていただきます。

ブンデスリーガのファンの方、マインツの岡崎慎司を観続けてきた方のなかには、「マインツはセンターフォワードとして評価してくれており、結果が出せているクラブを離れないほうがいいのではないか」という声もあるのだと思われますが、今、いえるのは、クラブに請われての移籍であれば、トライする価値は充分にあるということ。レスターのアシスタントマネジャー、スティーブ・ウォルシュさんの言葉を聞けば、岡崎がどれだけ欲しがられていたかがわかります。

「非常にいい選手。本物のタレント。ファンは気に入るだろうね」
「2年近く彼のことを見続けて、昨夏と1月にも獲得にトライした。ついに彼を獲得できたことを本当にうれしく思う」
「チャンスに強く、DFのすべてのミスを逃さずにゴールネットを揺らしてくれる。それが彼の一番の力だ」
「ボールを持っていないときのプレイの仕方をわかっている。ポジショニングセンスがあり、どうすれば相手を無力化できるかを知っている。運動量も抜群だ」

彼の特徴を理解した、最高の評価じゃないですか!契約期間4年というオファーを受けて、チャレンジを選んだ彼の勇気をリスペクトしたいと思います。マインツに入団した2013-14シーズンに積み上げた自己ベストの15ゴール、昨季の12ゴールを上回るような活躍を期待しています。がんばってください!

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“ついにレスター移籍決定!屈強なDFが揃うプレミアリーグで、岡崎慎司はどこまでやれるのか?” への2件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    本当に移籍が決まったんですね。契約期間が4年というのも主力として期待されている証でしょう。ただクラブとしては活躍を期待していても監督がどう思うかという問題は付いて回りますよね。1トップ型でのサイド起用だと足は速くないし、クロスもさほど上手くないし、ドリブルも無い選手なので殆どノーチャンスでしょう。彼の得点力を活かすのなら現状は2トップの一画という形でしょうか。あとはパスが回ってくるかどうか。カンビアッソからのパスを決める、というシーンを早く見てみたいところです。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    決まりましたね。個人的には噂があったエヴァートンでのプレイが観たかったですが、契約年数を見るとチームが本気な証拠ですね。タフなプレミアリーグに日本人がいると嬉しくなりますね。

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