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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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やっと来たマンチェスター・シティ!「BBC」がスターリングは4900万ポンドで移籍合意と報道

イギリスメディア「BBC」「スカイスポーツ」が11日にメディカルチェックを受けると断言しており、ほぼ確実だと思われたファビアン・デルフのマンチェスター・シティ入りが流れました。アストン・ヴィラの公式サイトは、報道が出たその日にデルフのコメントを添えて移籍を否定。「この24時間で、僕の将来についての憶測が飛んでいるけど、誤解を解きたい。僕はこのクラブ(=アストン・ヴィラ)に残る。この素晴らしいサッカークラブで戦う新シーズンのスタートが待ち遠しいよ」とヴィラのキャプテンは語っており、ホームグロウン選手の確保を狙うマンチェスター・シティの目論見は土壇場で実現せずとなりました。イングランド代表の中心選手が800万ポンド(約15億5000万円)で買えるという話に、プレミアリーグのトップクラブがここまで動いていなかったことに違和感があったのですが、最大のハードルはご本人の意向だったようです。

マンチェスター・シティ、あえなく一歩後退と思いきや、いよいよプレミアリーグにおけるこの夏最大のディールが決着となりそうです。「BBC」「スカイスポーツ」が合意と報じたラヒム・スターリング、4900万ポンド(約93億3000万円)。レッズの地元紙「リヴァプール・エコー」は、4500万ポンドの本契約プラスオプションとなる見込みと伝えていました。以前に予想をさせていただいた際に、リヴァプールが主張する5000万ポンドの手前で決まるということで、「4600」で指してみたのですが、うーん、わずかにズレてしまったようです。スターリングは、土曜日に「プレシーズンのアジア・オセアニアツアーに参加」といわれていたのですが、その後キャンセル。メルウッドの練習場までは足を運んだものの、昨日の15時にマンチェスターから飛んだ便には乗っていないことが確認されています。

現在は、リヴァプールとマンチェスター・シティの間で話がついただけで、本人との契約交渉とメディカルチェックが残っているとのことですが、あれだけゴネたスターリングとここまで粘ったマンチェスター・シティは、よほどのことがない限りは最後の最後で話をストップさせたりしないでしょう。スターリングが、アンディ・キャロルの3500万ポンドを大きく上回る「プレミアリーグ史上最も高額なイングランド人選手」になるのは確実です。

いやー、もっと早く収束させられればベターでしたが、何とか話がついたのであればよかったと思います。練習の病欠やツアー不参加直訴など、日々伝えられるスターリングのわがままな振る舞いに、現地のリヴァプールサポーターのストレスと怒りは高まり続けていました。「マンチェスター・イブニング・ニュース」は、スターリングが致命的なダメージを受ける前に話をまとめるべきと主張。レッズOBのジェイミー・キャラガー氏は「マンチェスター・シティファンの目には、どう映っているのだろうか。スターリングは数年後に自分たちのクラブに対しても同じような態度を取るのではないか、という疑念が芽生えているかもしれない」と懸念を表明していました。

先週末にはスターリングをオークションサイト「イーベイ」に売りに出すといういたずらがあり、「ラヒム・スターリング、中古品・数回使用。欧州で最も価値のある若手選手。彼が求めているのはクルマや家の数ではない」といった容赦ない皮肉が話題となっています。これ以上交渉を引っ張るのは、リヴァプール、マンチェスター・シティ、スターリングの三者にとってマイナスしかなかったでしょう。多少話が長引いて混沌としても、デ・ヘアやシュナイデルランのように、本人が冷静でいてくれればよかったのですが…。

ともあれ、デルフを獲れなかったマンチェスター・シティは、ホームグロウン選手をひとりゲットしたぐらいでは、まだまだ気が抜けません。アーセナル、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドなどイングランド代表選手が多いプレミアリーグのトップクラブからは引き抜けないとすると、ホームグロウンの枠を埋められる有力選手は、エヴァートンのジョン・ストーンズやロス・バークリー、トッテナムのタウンゼントぐらいでしょうか。うーん、ミルナーやシンクレアを放出してしまうチームで、ロス・バークリー以外の選手がゲームに出られるイメージがありません。とはいえ、今のうちにホームグロウン対策と若返りの目処を立てておかないと、マンチェスター・シティは2年後に苦しむのではないかと思われます。

私が注目する、プレミアリーグ2015-16シーズンにおけるマン・シティのチーム力UP要素は、スターリングよりもむしろケレチ・イヘアナチョのトップチーム定着です。そういえば彼は、もう2年もすればホームグロウンの資格を得られるんですよね。U-17ワールドカップMVPの称号はダテではなく、イヘアナチョは1年前のプレシーズンマッチで既に大器の片鱗を見せており、労働許可証さえ発行されていれば昨季のプレミアリーグでも話題になったはずの選手ですので。

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“やっと来たマンチェスター・シティ!「BBC」がスターリングは4900万ポンドで移籍合意と報道” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    やっと決まりますか、、、色々とありましたがシーズン前なのでよかったです。
    金額面は満額とは行きませんでしたが、ここまでくれば満点でしょう。
    我慢に我慢を重ねたレッズの粘り勝ちでしょうかね、FSG good jobです!
    さあ後はFWですね。ベンテケはマンチェスター方面からの噂が浮上してきました。移籍マーケットも中盤戦ですね。

  2. リバファン より:

    この金額ならOKでしょう。
    ユース時代から注目していたので、今回の騒動は残念でした。非常にポテンシャルの高い選手ですから、身を持ち崩さずシティで頑張ってほしいです。

    あとはベンテケ獲得と、フェルミーニョがうまくハマってくれることですね。なんだかんだ新シーズン楽しみです。

  3. グローリーグローリー より:

    シティーなんで焦ってるんですかね
    リバプールがマーケットで派手に動いてる分、有利に交渉できそうなものですが。
    スターリングがやんちゃしたのがシティーにはマイナスだったんですかね

  4. タカシ より:

    更新お疲れ様です。
    スターリングの実力を考えればシティでも活躍出来るでしょうね。ただサッカーに集中出来るように、クラブもサポートしなくてはダメだと思います。
    心配なのはリヴァプールがこの移籍金をベンテケに費やしかねないことですね。彼を獲得するならばクロッサーがチームに必要ですし。というより単純に今のリヴァプールにはサイドに張って仕掛けるタイプが不足しています。フィルミーノよりも優先すべき場所は多かったと思っています。

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    ベンテケにはマンチェスター・ユナイテッドの名前が挙がってきましたね。こればかりはどうなるか、見当がつきません。

    リバファンさん>
    楽しみですね。スターリングの穴は、サイドアタックではジョーダン・アイブが埋め、中央でFWと絡む動きはフィルミーノが担ってくれるでしょう。

    グローリーグローリーさん>
    めぼしいホームグロウン選手がいないからではないでしょうか。イングランド代表選手がアーセナルとリヴァプールに固まっており、他クラブの選手はトップクラブですぐ機能するかという面では微妙な選手が多いので。

    タカシさん>
    ロジャースさんがどういうサッカーを志向するかにもよりますね。アストン・ヴィラのサッカーがサイド攻撃中心だったので、ベンテケは点で合わせる選手というイメージがありますが、よくよく見ているとカウンターでDFをさばく動きにセンスがあり、周囲を使える選手だと評価しています。リヴァプールのサイドプレイヤーは中に入ってくるタイプが多いのは確かですが、クロス中心じゃなくてもベンテケは機能するのではないでしょうか。

    ジョーダン・アイブ、ララナ、コウチーニョ、マルコヴィッチとサイドには4枚いて、いざというときはヘンダーソンやミルナーをサイドに回せるので、中央突破も武器だったスターリングの不在をフィルミーノが埋めてくれれば、昨季よりも迫力のある前線になるのではないかと期待しています。

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