イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

フランスもイギリスも一色…ディ・マリアはパリ・サンジェルマン移籍はほぼ決まり⁉

インターナショナルチャンピオンシップの最終戦、マンチェスター・ユナイテッドVSパリ・サンジェルマンはパリが2-0で完勝し、4試合通算勝ち点10で優勝という結果となりました。マンチェスター・ユナイテッドとしては、8月8日のプレミアリーグ開幕戦に向けて、いい準備ができたのではないでしょうか。シュヴァインシュタイガーがトップチームのフォーメーションに初めて合流したこのゲームでは、相変わらずルーク・ショーはキレキレ。右SBダルミアンの攻め上がりにも迫力が出てきており、複数の選手で素早くサイドを崩す形は、今季のプレミアリーグにおけるベーシックな攻撃となるでしょう。マタ、ルーニー、デパイが織りなすパスワークは、このチームがさまざまな形からゴールを狙えることを証明しています。アンドレアス・ペレイラがトップチームで充分戦えることがわかったのも、パリ戦を含むこのツアーの成果でした。

一方で、中盤センターの連携はまだまだ。読みでパスコースやスペースを消せずにマチュイディとズラタンに決められたフィル・ジョーンズとブリントのCBコンビは物足りず、明らかに見直しや改善が必要。珍しく守護神デ・ヘアにフィードやポジショニングのミスがあり、守備には課題が残りましたが、不安定なCB以外は、試合を重ねればよくなっていくはずです。マンチェスター・ユナイテッドにとって最大の懸念は、ピッチの中ではなく、外に存在していたのだと思います。伝統の背番号7を背負ったアンヘル・ディ・マリアが、結局アメリカに姿を見せなかったことです。

先週までは、この日の対戦相手だったパリ・サンジェルマンと合意間近というニュースは、「レキップ」などフランス側からの配信が主だったのですが、今週になって「デイリー・ミラー」をはじめとするイギリス紙まで報道するようになっています。ファン・ハール監督の、「アメリカで合流する予定だったが、飛行機には乗っていなかったようだ。理由はわからない」などというコメントは、あまりにも不細工ですね。ディ・マリアは今、どこにいるのでしょうか。

イギリス紙の記事によると、移籍金は4400万ポンド(約85億3000万円)。獲得した際に払った額は5970万ポンド(約110億円)といわれているので、5年契約から1年分引いて80%とすると4800万ポンドはほしいところですが、昨季プレミアリーグ27試合3ゴールで成功したとはいえない選手だから、そのぶん引きましょうというニュアンスでしょうか。彼のサラリーはユニフォームやグッズの売上で相殺し、おそらくおつりがもらえているので、移籍金をもう一段上乗せできれば、マンチェスター・ユナイテッドはさほど損はしないはずです。いや、お金の話はいいでしょう。背番号7をつけたエース候補が、スケジュールを反古にするという形でクラブを離れることが決まり、次に姿を見せるのがパリでの記者会見となれば、それがいちばん残念です。強盗に入られるという不幸な事件があり、ご家族の意向がディ・マリアの気持ちを移籍に向かわせたのなら、プレミアリーグを1年で離れてしまう消化不良感については何もいいませんが、せめて最後はきちんとしてほしいなとだけ思います。

ディ・マリアが出ていくとすれば、その根本的な理由は、ファン・ハール監督と信頼関係が築けていないうえに、異国での生活をサポートしてくれる人がいなかったことのような気がしてなりません。ヴェンゲル監督から絶大な信頼を受けているサンティ・カソルラが、「今はアーセナルでのプレイに集中できているし、ロンドンでの生活にとても満足している。選手として価値がある限りは、このクラブで結果を残し続けたい。自宅があるハムステッドは練習場に15分で通える静かなところで、学校に通う子供たちにとっても素晴らしい場所だ。彼らは英語を身に付け、私や妻を助けてくれているよ」と語るのを聞くと、家族の幸せやチーム内での人間関係は、ピッチで自分を表現できることと同じぐらい重要なのだろうなとあらためて思います。

われわれサポーターにできることは、結果を冷静に受け止めることと、アシュリー・ヤングやマタ、ヤヌザイ、エレーラ、フェライニといったクラブに尽くしてくれているMFたちを力いっぱい応援することだけですね。1年後に、「ファン・ハール監督初年度の補強はうまくいかなかったけど、シュヴァイニーやシュナイデルラン、デパイ、ダルミアンに来てもらってほんとうによかった」といえるチームであってもらえればと願っています。パリ・サンジェルマン戦、ゴールは奪えなかったものの、プレミアリーグの優勝争いに食い込めるという期待を感じさせてくれるいいゲームでした。チャンピオンズリーグでパリとリマッチとなったら、ディ・マリアはしっかりストップしましょう。今季もぜひ、よろしくお願いいたします。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“フランスもイギリスも一色…ディ・マリアはパリ・サンジェルマン移籍はほぼ決まり⁉” への4件のフィードバック

  1. パチ より:

    昨シーズン後半からサイドで崩すという形は見えてきてましたが、さらにいい感じに仕上がってきたなという感じがしますね。特に左サイド…、ショーいいですね…。

    後はルーニートップだと空けたPA内のスペースに飛び込んでいく選手が必要なのでヤングだと物足りないかなと。噂のペドロなんて獲れると結構面白そうだし、シュヴァインシュタイガーが慣れてきて飛び出していけるようになると相手チームはつかまえにくくなりそうですね。
    まあそのまえにCBに不安ありまくりですが…。

  2. Uボマー より:

    ディマリアに関しては残念ですが、これもファンハール監督という劇薬とかみ合わなかった故ということなのでしょう。ファンハールは自分に絶対の自信を持っている分、選手とのコミュニケーションをおろそかにしがちというのはバイエルンやバルセロナでも指摘されてきました。これは今季退団したファンペルシの言動からも感じるところです。ただファンハールとしては残り任期でとにかく結果を残せば経営陣もサポーターも納得する訳で、残り2年を見守りしかなさそうです。個人的にはヤヌザイとペレイラが活躍してくれたら3位以内でも納得というところでしょうか。

  3. グローリーグローリー より:

    ダルミアンは良い選手ですね!彼のようにあまり有名でなくても良い選手はたくさんいるんでしょうね。懸念のCBですが名前でばかり選ばないでダルミアン獲得のような視点で候補を探していけば良いんじゃないかなと思います。とりあえずブリントがCBの一番手ってのはマズいですて!

  4. makoto より:

    パチさん>
    ルーク・ショー、凄いです!大枚はたいた甲斐がありそうですね。おっしゃるとおり、シュヴァイニーが攻撃にかむようになると厚みが出ますね。

    Uボマーさん>
    そうですね。若手の成長はぜひお願いしたいところです。

    グローリーグローリーさん>
    ダルミアン、期待ですね。「ダルミアンのような視点で選ぶCB]という意味では、昨季アーセナルが獲ったガブリエウは、やられた!という補強になるかもしれません。20億のお買い得案件でしたからね…。

Uボマー へ返信するコメントをキャンセル