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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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オリオル・ロメウ獲得で補強順調サウサンプトン。ヨーロッパリーグを戦える布陣まで、あと2人⁉

選手のパラメーターの足し算引き算では強さが決まらないところがサッカーの複雑性であり、おもしろいところですが、この夏の補強と現有戦力を見る限りでは、昨季プレミアリーグで7位に食い込んだサウサンプトンはさらに上をめざせるのではないかと思います。夏を迎えるたびに主力選手をトップクラブに持っていかれてばかりのセインツは、今季もナサニエル・クライン、シュナイデルランという代表クラスを失い、アルデルヴァイレルトの買い取りをトッテナムに阻まれてしまいました。後ろの選手を、実力がある順番に3つ抜かれたクーマン監督は、1年前よりも激痛と捉えているのではないでしょうか。シュナイデルランがマンチェスター・ユナイテッドでどれだけやれるかはわかりませんが、プレミアリーグの中堅クラブにとっては、彼と同等の仕事ができるMFを獲得するのは相当難易度が高いと思います。GKフレイザー・フォースターの長期離脱も悩ましいところです。先週のニューカッスル戦を観る限りでは、ステケレンブルクにイングランド代表GKの不在を完全に埋める活躍を期待するのは酷だと思われます。

プレーオフを勝てばヨーロッパリーグ本大会出場が決まるセインツは、昨季より確実に忙しくなりそうで、クーマン監督が舵取りを間違えればプレミアリーグで11位に終わったエヴァートンのように停滞してしまう可能性もあります。しかし私は、今シーズンのセインツは、次なるヨーロッパリーグ出場権争いにもしっかり食い込んでくるのではないかとみています。昨年獲得したタディッチ、マネらはなかなかのヒットでしたが、この夏のセインツも、プレミアリーグファンをなるほどと納得させるようなおもしろい補強を続々と決めています。

ナサニエル・クラインの代役を担うセドリック・ソアレスは、さっそくニューカッスル戦で正確なクロスをグラツィアーノ・ペッレに合わせ、その攻撃センスを披露しました。アルデルヴァイレルトの後釜として加入したスティーブン・コーカーは、戦い方に問題があったQPRでの悪戦苦闘から解放され、CBのレギュラーをつかむ可能性は充分です。CBについては、イギリスの複数メディアがセルティックのオランダ代表フィルヒル・ファン・ダイクの獲得間近と報じており、彼が加入すればここ2年で急激な成長を見せた遅咲きのフォンテをベンチに追いやってしまうかもしれません。吉田麻也も大変です。クコ・マルティナまで加入した最終ラインの補強次第では、吉田の立ち位置は「右SBでもCBでも控えの2番手」になってしまうかもしれません。

シュナイデルランの後継者として獲得したヨルディ・クラーシが3週間の離脱となったのは残念ですが、戻ってくれば、すぐに中盤の仕切りをまかされることになるはずです。守備を締めるワニャマ、司令塔タディッチと身体能力の高いマネ、パスセンスのいい20歳のウォード=プラウズは健在。さらに昨日、セインツはチェルシーにいたオリオル・ロメウの獲得を発表しました。スペインの各年代で代表に選ばれていたロメウは、ロンドンオリンピックで日本代表とも戦った選手です。デブライネがブレイクし、ルカクがエヴァートンのエースとなった「安心と信頼のチェルシーブランド」で、プレミアリーグを22試合経験している23歳のMFは、試合数が増えそうなセインツの中盤に選択肢を与えてくれるでしょう。そしてもうひとり、昨季1年を棒に振った選手の復活を忘れてはいけません。イングランド代表として、ワールドカップブラジル大会で活躍するはずだったジェイ・ロドリゲス。彼がトップフォームを取り戻せば、タディッチ、マネと並ぶ2列めは破壊力抜群です。

点取り屋のグラツィアーノ・ペッレがいないときは、シェーン・ロングと新戦力のファンミが起用されることになります。ヨーロッパリーグ予選のフィテッセ戦ではこの2人でゴールを奪っており、小技が冴えるファンミはここぞというときのオプションとして機能すると思われます。ジェイ・ロドリゲスを含む8人の「新戦力」は、いずれも楽しみな選手ばかり。さらにCBひとりと、ワニャマがいなくても守備を落ち着かせられるMFが獲れればクーマン監督は満足でしょう。岡崎慎司のレスター。キャバイェのクリスタル・パレス、シャキリのストークが話題になっていますが、サウサンプトンもおもしろいので、ぜひ試合を観てみてください。今週末のプレミアリーグはエヴァートン、20日のヨーロッパリーグプレーオフではデンマーク王者のミッティランと戦うセインツを、目いっぱい楽しみたいと思います。

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“オリオル・ロメウ獲得で補強順調サウサンプトン。ヨーロッパリーグを戦える布陣まで、あと2人⁉” への2件のフィードバック

  1. furabe より:

    セインツ、若干贔屓目ではありますが、確かに更なる飛躍が期待できると思います。主力を数人抜かれても、組織だった堅い守備と若いタレントの躍動で、昨年同様に上位食いもまたあるのではないでしょうか?

    ちなみに地方ののどかな港町サウサンプトンは、サポーターもいい意味で熱すぎず、でも人懐こくて皆で仲良く楽しく応援する、いい人たちです♪(昨年、現地での印象)

  2. makoto より:

    furabeさん>
    私も、サウサンプトンはいきましたが、とてもいいところですよね!furabeさんと同じく「人がいい」印象が強く残っています。

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