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オタメンディの移籍先はマン・シティ⁉…マンチェスター・ユナイテッドの最終ラインは大丈夫?

先ほど、チェルシーのペドロ・ロドリゲス獲得報道について、若干やせガマン気味ではありながらもジェントルかつスマートに「どぞどぞ。うちは何とか幸せにやってますから」と書いたばかりなのですが、マンチェスター・シティのニコラス・オタメンディ獲得話にはモヤモヤしまくりです。つい1週間前には、「インディペンデント」などイギリスの複数メディアが「マンチェスター・ユナイテッドが3500万ポンド(約68億円)で獲得間近」とやっていた選手です。今回のバレンシアとマン・シティの合意報道は4500万ユーロ(約62億円)で、マンチェスター・ユナイテッドの記事で推測されていた数字を下回っており、これはファン・ハール監督とウッドワードCEOが降りたか、ご本人が水色を熱望したか、いずれかしか考えられません。噂レベルでは両方とも語られておりますが、これ以上踏み込むのはやめておきましょう。結婚できなかった理由を数え続けるより、今後の幸せな人生について考えることに時間を費やしたほうがはるかに建設的です。

8月の頭に、「プレミアリーグ2015-16シーズン優勝クラブ予想」をさせていただいた際には、ミルナーやランパードが去ったペジェグリーニ監督のチームは、スターリングとデルフではプラスマイナスが微妙とみて果敢に5位予想とさせていただいていたのですが、オタメンディ獲得が実現すれば、見直さざるをえません。マンチェスター・シティは最終的にはプレミアリーグ2位で2014-15シーズンを終えたのですが、期中2回もスランプをこじらせており、負傷が増えて全盛期のパフォーマンスが見られなくなったコンパニと、なかなかプレミアリーグの水に慣れないマンガラの「CB問題」が大きいのではないかと思っておりました。ただでさえ今季のコンパニは巻き返しを期して気合いが入っているのに、そこにオタメンディが加入してキャプテンの不在や不振に耐えられる布陣となれば、彼らの最終ラインは格段に安定するでしょう。さらに、CBに競争原理がより働いてチームが活性化するといった効果もあるかもしれません。バレンシアはオタメンディ譲渡の見返りとしてマンガラのレンタルを求めていると報じられていましたが、どうやら単独移籍のようで、これによって守備陣に厚みが生まれて盤石の体制になるのではないでしょうか。

サッカーの世界では、ひとりの選手がチームを大きく変えることが時折あります。「ファン・ペルシ無双」がなければ、2012-13シーズン、香川真司入団1年めだったマンチェスター・ユナイテッドの優勝はなかったでしょう。モウリーニョ監督のプレミアリーグ復帰後最大の功績は、ベニテス監督に半ば肩たたきされていたジョン・テリーの復活だったのではないかと思います。書いていて、モヤモヤの正体が明確になってまいりました。自分の応援するクラブがいい選手を獲れなかったことよりも、秘かに「この弱点が埋まらなければ勝ち目あり」と思っていたライバルが、しっかり穴を塞いでしまったことに対するため息です。オタメンディは、チームを大きく変えたひとりとして、プレミアリーグの歴史にタイトルとともに名前を残すかもしれません。すみません。まだ決まっていない選手に大げさですね。いや、しかし、決まればいい補強だと思います。

と、片やCB強化が暗礁に乗り上げたマンチェスター・ユナイテッドですが、こう考えることにしました。「ファン・ハール監督は、守備戦術の徹底ができれば現有戦力でも強固な最終ラインが実現できると判断した。だから選手の高額をみて胸を張って撤退したのだ」と。マンチェスター・ユナイテッドには、フィル・ジョーンズ、スモーリング、ロホ、ブリント、ジョニー・エヴァンスとCBの頭数は揃っています。ジョニー・エヴァンスにひと皮剥けるイメージはいまのところ持てず、フィル・ジョーンズは負傷を治すことが先決ではあるものの、ロホ、ブリント、スモーリングには期待できます。

私は、マイク…じゃなかった、クリス・スモーリングが今季、一段上のレベルに達してくれると信じています。最近の彼は、いい表情をしています。相棒のブリントは、スペースのカバーリングとボールカットはなかなかのもので、まだまだ危ないシーンはあるものの、こなれてくればさらにクオリティを上げられるでしょう。そしてわれわれには、「プレミアリーグで最も長い距離を走り抜く男」モルガン・シュナイデルランがいるではありませんか。彼の献身的な守備が最終ラインを助け、連携の力で個人力の足し算以上に強固な守備網を形成できれば、プレミアリーグでもチャンピオンズリーグでも予想を超える結果を出せるのではないかと思います。無理筋ですかね?

今季のマンチェスター・ユナイテッドにおける「チームを大きく変えるひとりの男」は、シュナイデルランなのかもしれません。

以上、本日の更新は、「マンチェスター・ユナイテッドは意中の選手を2人も取り逃がしたのか?いや、そうではないはずだ!」2連発でした。「俺はモテないんじゃないか」と結婚できなかった理由に思い悩むより、「俺には他にいい人がいるじゃないか」と「結婚しなかった理由」を脳内創造して納得するほうがはるかに建設的です。今後、幸せになれるかどうかは別として。(ニコラス・オタメンディ 写真著作者/Carla Cortés)

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“オタメンディの移籍先はマン・シティ⁉…マンチェスター・ユナイテッドの最終ラインは大丈夫?” への8件のフィードバック

  1. 爪楊枝 より:

    いやー残念。オタメンディはマンユナイテッドで見たかったです。
    個で潰し切れるCBは貴重なので、守備の安定感が増すだろうと思っていましたが…シティの立ち回りがうまかったですね。
    主さんの前向きな姿勢とエスプリが効いた文章素敵です。毎日楽しく読んでます。

  2. 汗かきスター より:

    更新お疲れ様です。
    ペドロより、オタメンディを獲り逃す事の方が痛いと思いました。
    特にデ・ヘアを使わずロメロを使ってる今、足元と守備範囲に不安を覚え、やはり実力者のCBが欲しいですね>_<
    ミュラーの話も出ていますが、大金出すならCBが欲しいですね!
    今のユナイテッド、金額こそ違えど、ヴェンゲルさんの前ばっか獲りたい病みたいです…>_<

  3. 汗かきスター より:

    シティ対チェルシーを観たら、やはりこの2チームの実力は抜きでてるなと感じたので、シティの懸案であったコンパニの相方に実力者が入るのは怖いです。

  4. シティズン より:

    今からでも遅くないのでオタメンディには赤いユニを着て欲しい
    いや もう遅いか
    このままでは必ず1人CBが出て行ってしまう
    折角後一年でHG枠になる期待の新星デナイヤーも昨季大金費やした今年が勝負のマンガラも大ベテランのデミチェリスも出すにはまだ早い
    というかCBに即戦力四人とか何故獲得するのか意味がわからない
    他のポジションならいざ知らず 第4、第5CBで不満を言わない選手なんて今のシティにはいない
    シティの補強ヴィジョンはどうなっているのか
    断固反対‼︎

  5. シティズン より:

    獲得決まりましたね…
    はぁ…

  6. グローリーグローリー より:

    オフェンスはお金をかければなんとかなるけどディフェンスはそうでもない。かっさわれたマンチェスターユナイテッドサポーターの精一杯の強がりです笑

    管理人さんのおっしゃる通りディフェンスってのは組織ありきの話しなんですよね。もし補強で劇的な改善をのぞむなら強烈なリーダーシップを発揮できるような選手に限られるのかもしれませんね。ラモスやフンメルスを獲得できなかった時点で補強でなんとかしようってプランは頓挫していたのかなと。地道にチームとしてのディフェンスを構築していくしかないですね。そういった観点からは最近にマンチェスターユナイテッドのアプローチは理にかなってると思うので選手達には頑張ってもらいたいですね。精一杯の強がりです笑

  7. 実はグーナー より:

    昨シーズンのオタメンディは個の勝負ではことごとく相手に勝って鬼のようでしたね
    とにかく凄かった
    シティまた強くなっちゃうな

  8. makoto より:

    爪楊枝さん>
    ありがとうございます。競合すると負けますね。マン・シティ、天晴れです。

    汗かきスターさん>
    賛成です。CBは、ワールドクラスがいければおさえたいポジションですよね。マスコミの「前ばっか記事にしたい病」のような気もします。

    シティズンさん>
    オタメンディはサイドもできますし、バルサ等とやるときには3CB+アンカーというオプションも増えるのでうらやましい限りです。

    グローリーグローリーさん>
    ありがとうございます。同感です。信じましょう!

    実はグーナーサン>
    ですです。ホントに。

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