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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マフレズ、ヴァーディ、カンテ…どこまで引き留められるか、レスターに忍び寄るトップクラブの影!

プレミアリーグに流行語大賞があれば、「夢を見る」という言葉は、今季の受賞候補の大本命でしょう。仕掛け人はもちろん、クラウディオ・ラニエリ監督です。残り6試合となり、バルサやバイエルンよりも2位を引き離しているチームの指揮官は、目の前に姿を現したプレミアリーグ優勝に向けて、いま一度チームを引き締めようとしているようです。「地元の道端でファンに会うと、夢を見ていると声をかけられるよ。でも、私はこう返す。オーケー、君たちは夢を見てくれ。われわれは夢を見ない。ただハードワークをするだけだ、とね」。日本のプレミアリーグファンも、イングランドのど真ん中にある小さなクラブが奇跡的な優勝を遂げるシーンを見たいという方が、増えているのではないでしょうか。夢は現実になろうとしています。しかし、レスター経営陣とラニエリ監督は、3ヵ月後にもうひとつの厳しい現実と向き合うことになるかもしれません。当然のように、主力選手に続々と移籍の噂が流れてきています。

移籍をほのめかす発言をしたエンゴロ・カンテが、ビッグクラブに引き抜かれる最有力候補でしょう。「カンテという男は、とんでもない距離を走り抜く。トレーニング中も走り続けている。私は、彼がパンツの奥にバッテリーを仕込んでいるのではないかと疑ったよ。『カンテ、ペースを落とせ。すべてのボールを追わなくていいからな』とたしなめたら、『ボス、わかりました』というのだけど、10分後にはまた走り続けていた。いつか彼は、自分で上げたクロスをヘディングするんじゃないか」。ラニエリ監督の、床屋でなごんでいるおっさん的ジョークは好きなのですが、残念ながらカンテは、マンチェスターかロンドンか、あるいはスペインまで走っていってしまうかもしれません。

イギリスメディア「ザ・サン」は、マンチェスター・ユナイテッドがシュヴァインシュタイガー、キャリック、フェライニらを放出し、カンテを獲ろうとしていると報道。「デイリー・ミラー」は、チェルシー、アーセナル、ユヴェントスの名前を挙げています。サー・アレックス・ファーガソンが「今季プレミアリーグで最高の選手」と絶賛するセントラルMFには、どんな値段がつくのでしょうか。フランスのカーンからの仕入れ値560万ポンド(約8億6000万円)が5倍に引き上がっても、驚くファンは少ないのではないかと思われます。

そしてもうひとり、移籍市場で主役級の扱いを受けるといわれているのがリヤド・マフレズです。今季プレミアリーグで16ゴール、11アシストと、両部門で2ケタを超えている唯一のプレイヤー。2014年にフランスのルアーヴルから40万ポンド(約6200万円)でレスターにやってきたマフレズの移籍金は、2500万ポンド(約39億円)を軽く超えるといわれています。右サイドのタレントが不足しているマンチェスター・ユナイテッドやバルセロナは、この値段で獲得できるなら何の問題もないでしょう。レアル・マドリードやチェルシーからの関心が伝えられていた最前線のジェイミー・ヴァーディも、夏に一度も名前が出ないわけがありません。イングランド代表に選ばれたドリンクウォーターが、週給8万ポンド(約1300万円) といわれる高額サラリーを受け入れて残ったとしても、プレミアリーグ首位クラブの堅い守備と切れ味鋭いカウンターは、再構築を余儀なくされそうです。

チャンピオンズリーグの出場権は、どこまで効力を発揮するでしょうか。3人のうち2人残せたら大成功でしょう。おお、もうひとり、いちばん出ていってもらったら困る大物を忘れていました。ラニエリ監督が来季も指揮を執ることになり、欧州へいけるという武器を駆使して昨夏の倍となる100億円からの補強をすれば、存外いいところまでいくような気もします。ボスがイタリア代表のポストを受けてしまえば、「プレミアリーグ優勝クラブがCLを戦いながら降格」という2年連続の奇跡の香りが漂ってきます。今季のチームが、欧州でどこまで戦えるのかを見てみたいのですが…。ラニエリ監督の思惑を聞いてみたいところですが、おそらくこういった話には興味を示さないでしょう。彼らは日々、次の試合のことだけを考えて、ハードワークに勤しんでいるのですから。

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“マフレズ、ヴァーディ、カンテ…どこまで引き留められるか、レスターに忍び寄るトップクラブの影!” への4件のフィードバック

  1. por より:

    選手と監督を引き抜かれたサウサンプトンは上手いこと補強しましたが、レスターはどうですかね…

    今のレスターを欧州で観たいです。

  2. レッズサポ より:

    いつも更新お疲れ様です。

    レスターには、
    ”現メンバーのまま”で欧州の強豪クラブと
    ガチンコで戦ってほしいと思いますが、
    その夢は叶わないですかね、、、
    せめて、1年だけ皆残留と頼んでも
    選手からしたらすぐにでもビッグクラブに
    行きたいものなんですかね?

  3. 新参 より:

    レスターには今のメンバーでやって欲しいものの、たぶん引き抜かれるでしょう。
    名前が挙げられた中ではマフレズが一番興味をそそられますね。右利きの技巧派ドリブラーはよく見るものの、左利きの技巧派ドリブラーはあまりいない気がします。それだけで価値がある上に、シーズン最初の独善的なイメージを一新する献身的な守備と味方とのスムーズな連携を見せてますからね。
    アーセナル的にはカンテがきたら万々歳ですが、いつものように攻撃的な選手を狙ってマフレズが妙にありえそうです。

  4. makoto より:

    porさん>
    同感です。セインツは長期的な計画があってのリカバー成功だと思われますが、レスターはどうでしょうね。お金使い過ぎて急降下、はなさそうですが。

    レッズサポさん>
    サラリーの魅力と口説き文句には抵抗できないんじゃないでしょうか。「君がぜひともほしい。10億出そう。オールド・トラフォードで…」などといわれるわけですから。

    新参さん>
    ジョエル・キャンベルがいいので、ガナーズにはいらないのではないでしょうか。現在のガナーズがほしいタイプは、あのなかにはいないなと思います(誰かを放出するならカンテ、ぐらいですね)

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