イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ムヒタリアンがマンチェスター・ユナイテッド入団決定!ベンテケとヴィツェルも移籍間近⁉

「これはわれわれにとって、難しい商談だった。マンチェスター・ユナイテッドから非常に魅力的なオファーがあった。それを拒めば、ムヒタリアンは来年の夏にフリーで去ることになり、その後継者という課題を1年先延ばしにしていただろう」。既にマッツ・フンメルスとイルカイ・ギュンドアンを失っていたドルトムントは、現地メディアの予想通り、アタッカーまでプレミアリーグに送り出すと発表しました。クラブ公式サイトにハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOが残した言葉は、落胆や怒りに肩を落とすであろうクラブサポーターを意識した苦しげなトーンに包まれていました。ヘンリク・ムヒタリアン、マンチェスター・ユナイテッド移籍決定。2012-13シーズンにウクライナ・プレミアリーグの得点王となり、シャフタル・ドネツクからドルトムントに渡ったアルメニア代表MFは、3年を過ごしたブンデスリーガで90試合出場23ゴールという素晴らしい数字を残し、ドイツを去ることになりました。

マルコ・ロイス、ムヒタリアン、オーバメヤン、香川真司。昨夏、トゥヘル監督の下で開幕5連勝の原動力となった攻撃陣は、アメリカンコミックのヒーローになぞらえて「ファンタスティック4」と呼ばれ、国内外で話題となりました。しかし、そこからの3試合を2分1敗としたドルトムントは、ライバルのバイエルン・ミュンヘンに先行を許すと、以来、その影すら踏めず。24勝6分4敗は、決して悪い数字ではありませんが、4連覇を決めたペップのチームとの勝ち点10という絶望的なギャップが、主力選手に移籍という選択肢を考えさせてしまったのかもしれません。

ムヒタリアンが在籍した3年は、ブンデスリーガで2位、7位、2位。DFBポカールは3季連続の準優勝。チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグではベスト4に届かず、獲得したタイトルはDFLスーパーカップ連覇のみでした。契約延長を拒否したアタッカーが望んだものは、名門クラブか、タイトル獲得への期待感か、あるいはプレミアリーグという新しい世界の魅力か。最後まで説得を続けたドルトムントの経営陣は、5年連続でアルメニア年間MVPを受賞した稀代のMFを残留に導くことはできませんでした。

イブラヒモヴィッチ、ムヒタリアン、ルーニー、スモーリング、デ・ヘア。最終ラインにエリック・バイリーを加えたマンチェスター・ユナイテッドの背骨は強固となり、プレミアリーグ優勝を狙える体制が整いました。獲得した選手がすべてユーロ不出場あるいは早期敗退というのも、他クラブに対するアドバンテージとなりうるかもしれません。モウリーニョ監督が目をかけているといわれるフィル・ジョーンズのブレイクや、マルシアルとラシュフォードのさらなる成長まであれば、プレミアリーグだけでなく、ヨーロッパリーグ初優勝まで視野に入ってきます。ライバルのアーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティは、ユーロやコパ・アメリカの影響で準備期間が短くなるシーズンだけに、懸案のポジションを早期に新戦力で埋めたいところです。

補強の早さでいえば、マネ、マティプ、グルイッチ、ロリス・カリウスを既に獲得したリヴァプールも負けておらず、こちらは既に余剰戦力の整理も進めているようです。イギリスメディア「デイリー・メール」は、クリスティアン・ベンテケが2500万ポンド(約34億円)のオファーを出したクリスタル・パレスと個人合意に至ったと報じており、リヴァプールが要求する3000万ポンド(約40億8000万円)とのギャップが埋まれば、商談成立となるとのこと。クロップ戦術への対応に苦しんだストライカーは、それでもプレミアリーグ9ゴールと最低限の数字は残しており、アストン・ヴィラ時代のようなサポートを受けられればゴール数倍増も狙えるでしょう。

イングランド代表FWアンドロス・タウンゼントとフランス代表GKスティーヴ・マンダンダを既に獲得した中堅クラブが、ベルギー代表のストライカーに40億円近いお金を払うと聞くと、プレミアリーグはどうなるのだろうと怖ろしささえ覚えますが、2500~3000万ポンドで売りたい・買いたいという両者のニーズは一致しており、こちらも早々に発表となるのではないでしょうか。

ベルギー代表といえば、ユーロで活躍したゼニトMFアクセル・ヴィツェルとエヴァートンが合意に至ったと報じられました。「エクスプレス」などイギリスの複数紙が一斉に伝えたこのニュースは、クーマン新監督のクラブが移籍金3000万ポンドでチェルシーやユヴェントスを出し抜いたという信じられないお話です。イタリアメディアのインタビューで移籍したいと語っていた選手が動くこと自体に驚きはないのですが、欧州強豪国でレギュラーを張るセントラルMFと、プレミアリーグ11位のクラブという取り合わせがどうしても腹落ちしません。ポグバ、マティッチ、カンテらの決着がつかないとライバルは動けないということなのでしょうか。35歳になったギャレス・バリーの後継者探しがテーマだったエヴァートンにとっては、実現すれば文句なしの補強ではあるのですが…こちらは冷静に続報を待つとしましょう。いや、怖ろしい。(アクセル・ヴィツェル 写真著作者/Кирилл Венедиктов)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ムヒタリアンがマンチェスター・ユナイテッド入団決定!ベンテケとヴィツェルも移籍間近⁉” への4件のフィードバック

  1. グローリーグローリー より:

    マルシャルとムヒタリアンの両翼ですか。華やかですね。ユナイテッドの攻撃はほとんど左サイドからなので、ムヒタリアン加入で右サイドがどれだけ活性化するか楽しみです。彼ほどの選手ならもっと上のクラブにも行けたはずなのに、何故CL権すらないユナイテッドなのか、代理人がかなり影響力を行使して成立させた感のある遺跡である事など疑問や好感が持てない側面も多少ありますが、素晴らしい選手がユナイテッドに来てくれた事を素直に喜びたいです

  2. シティふぁん より:

    上手く補強できたのはモウリーニョがいたからですかね
    ムヒタリアンは万能的な選手でしっかり守備もできて
    モウリーニョのチームに合うのではないでしょうか

  3. K より:

    モウリーニョさんは2年連続で補強費マイナスで失敗しましたが、的確な補強でまた金があるチームなら最高の監督と証明するでしょう。チェルシーは金がないので中堅に逆戻りで油マネーのエヴァートンと立ち位置逆転でしょうか。怖い怖い。
    ベンテケは1年£750万でも、スタリッジのコンディション回復とオリギの成長までは助かりました。レッズへの適正0でもパレスは向いてると思うのでレッズ戦以外で頑張って欲しいです。
    FSGの今年含めてここ3年の補強と放出は費用対効果を除けばスアレスと45番以外はプラスに働いていて、昨季とは一転して今季はトップ4を確実に狙える戦力に期待しています。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ユナイテッド良い補強が続いてますね。モウリーニョ効果もあると思いますが、ムヒタリアンと言う獲得は大きい。両翼がマルシャル&ムヒタリアンと、、、何て贅沢なんでしょう。破壊力はありますね。翻ってレッズは9番の整理の目処がつきそうですね。チームコンセプトが合えば恐ろしいポテンシャルがある事は証明済なので。45番はメルウッドに戻ってトレーニングを積んでましたが、、、このまま転職先がないとカップ戦要員の予感が、、、かつてユーロで魅せた無双状態は帰ってこないのでしょうか、、、。兎に角16-17シーズンは大変な事になりそうですね。楽しみです!

グローリーグローリー へ返信するコメントをキャンセル