偏愛的プレミアリーグ見聞録

来週、プレシーズンのツアーに出発するマンチェスター・シティとしては、この週末に一気に話を詰めたいのでしょう。リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、プレミアリーグと、3つの話をパラレルでまとめにいっているようです。

スペインでは、バルセロナの正守護神クラウディオ・ブラボ。ルイス・エンリケ監督は、リーガ・エスパニョーラはブラボ、チャンピオンズリーグとコパ・デル・レイではテア・シュテーゲンと使い分けながら戦ってきました。この状況は、リーガでは7試合にしか出場できなかったテア・シュテーゲンにとってはおもしろくありません。プレミアリーグでチェルシーのクルトワとチェフが両雄並び立たずとなったように、バルサにもいよいよ交通整理のタイミングがきたようです。スペインメディア「TV3」「ムンド・デポルティボ」は、ルイス・エンリケ監督が移籍先を探し始めたテア・シュテーゲンのほうを引き留め、ブラボを諦めたと報じました。これに目をつけたのが、マン・シティ。2000万ユーロ（約23億4000万円）で33歳のブラボを獲得できれば、ジョー・ハートは売却されるのではないかとも伝えられています。

そしてもうひとり、マンチェスター・シティへの移籍が早晩決まるのではないかといわれているのは、以前からその名前が取り沙汰されていたシャルケ04のレロイ・サネ。イギリスの「デイリー・ミラー」は、マン・シティがサネに4年契約を提示し、個人合意に漕ぎ付けたと報じています。昨季ブンデスリーガで33試合8ゴールと活躍した20歳のアタッカーは、ユーロ2016のドイツ代表にも選ばれました。バルサ、パリ、バイエルン、プレミアリーグではアーセナルも狙っていたといわれるサネに、シャルケがつけたタグは4200万ポンド（約59億円）。GKやCBも獲りたいマン・シティは、ブンデスリーガにおける過去の出場試合数が少ないことを理由に、移籍金を数百万ポンド下げようとしているようですが、クラブ間の綱引きが決着すれば正式に入団が決まります。交渉上手のマン・シティは、他クラブから横槍が入らないよう一気に決めにいくのではないでしょうか。こちらは、スペインのGKよりも早く、週明けには決まるのではないかと思われます。

プレミアリーグで本格的な交渉が始まりそうなのは、ペップが獲得を熱望しているエヴァートンのCBジョン・ストーンズです。イギリスメディア「トークスポーツ」は、マンチェスター・シティが5300万ポンド（約74億7000万円）を用意したと伝えています。昨シーズンはモウリーニョ監督のチェルシーが何度もオファーを断られ、1月には4500万ポンドでもNGだった22歳のCBに対して、マン・シティはその上をいく金額を積んで放出を迫るようです。既に彼らはギュンドアンとノリートで3500万ポンドを使っており、噂になっている話がすべて実現すれば、総額1億5000万ポンド弱、200億円超えの大商い。ルジュンとフォファナの売却益を引いても1億4000万ポンド（約197億円）の出費となります。おそらく、これからは売りに出される選手の名前も話題になると思われますが、放出候補はジョー・ハート、ナスリ、ボニー、フェルナンド、ヘスス・ナバスあたりでしょうか。他国に移籍、プレミアリーグ残留とそれぞれありそうですが、彼らがサウサンプトンやウェストハム、ストーク、エヴァートンなどに流れるようなことがあれば、脅威です。来週以降、ビッグニュース連発となるかもしれません。ペップ・シティの動向に、引き続き注目してまいります。（レロイ・サネ　写真著作者／Thomas Rodenbücher）