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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マッチデーとデッドラインデーが重なって大忙し!?プレミアリーグ・冬の移籍市場振り返りレポート

ミッドウイークのマッチデーと、デッドラインデーが重なるというスケジュールには泣かされました。リヴァプールVSチェルシーというプレミアリーグ屈指の好カードをメインで観つつ、あとでじっくり観ようと決めていたアーセナルVSワトフォードをやっぱり横目で気にしつつ、「BBC」と「スカイスポーツ」の「Transfer deadline day LIVE」をチェックするなどという離れ業はとても無理です。移籍市場締め切り間際の手に汗握るあの興奮を、ライブ仕立てでお届けしたかったのですが、選手の売買をゲームより優先させるという本末転倒はさすがにできませんでした。

しかしまあ、このスケジュールは、現場の監督や選手をも困惑させるのではないでしょうか。突如オファーがあった選手が、キックオフ直前になってスタジアムではなくメディカルチェックに行き先を変える「本能寺の変」的アクロバティックが起こることもあるでしょう。週末なら、プレミアリーグは夕方には終わり、マーケット締め切りまで6時間ほどありますが、ミッドウイークは試合のタイムアップとデッドラインの差は1時間強しかありません。スタジアムに向かうバスに乗って初めて「あれ?いないってことは、ゼニトで決まりっすか!?」みたいなことがそこかしこで…いや、失礼しました。さすがに選手たちには、可能性があることは伝わってますよね。とはいえ、スウォンジーのニール・テイラーとバロウが、試合中に「DONE DEAL!」と報じられる状況がせわしないのは間違いありませんが…。

さて、そんな2016-17シーズンの冬の移籍市場を振り返ってみたいと思います。全体としては、「プレミアリーグ上位は余剰戦力の整理、残留争い組の補強が白熱」でした。オスカル、ミケルを爆買い中国に持っていかれたうえに、イヴァノヴィッチをゼニトに売却したチェルシー。デパイをリヨン、シュナイデルランをエヴァートンに放出したマンチェスター・ユナイテッド。伸び悩みイロリをレディングに売り、ベンチウォーマーとなりそうなマルコヴィッチと構想外のママドゥ・サコをローンで出したリヴァプール。トム・キャロルをスウォンジーに売ったトッテナム。使う可能性が低い選手を出した4クラブは、外からの戦力補強はゼロ。チェルシーがナタン・アケ、ケネディ、ムソンダをレンタルバックで加えたぐらいです。

ファン・ダイク獲得かと騒がれていたマンチェスター・シティは、夏に唾をつけていたガブリエウ・ジェズスを合流させて終了。アーセナルが、ノーザンプレミアリーグ(7部相当)のヘドネスフォードからコーエン・ブラモールを獲得したのは青田買いです。かくしてトップクラブは、静観の構え。おもしろかったのは、中堅・小規模クラブの激しい出し入れのほうでした。

動きが大きかったクラブに絞って、順にお伝えしましょう。最初に挙げるべきは、ディミトリ・パイェをマルセイユに出しつつ、後釜のスノドグラスと最終ラインのジョゼ・フォンテを押さえたウェストハムでしょう。ミラクルなプレイメーカーとプレミアリーグ7ゴールのスノドグラスのプラスマイナスは微妙ですが、フォンテを加えれば明らかにポジティブです。そしてもう1チーム、出入りの激しさではハル・シティがNO.1でした。獲得したのはニアッセ、エラブデラウィ、マルコヴィッチ、エヴァンドロ、エンディアエ、グラシツキ…これだけ獲ったうえで、インテルの元主将ラノッキアまで連れてきたのはびっくりしました。チームのトップスコアラーだったスノドグラスの移籍は激痛で、リヴァモアも手離したものの、ポルトから来たエヴァンドロとオリンピアコスからレンタルのエラブデラウィは早期に機能しそうで、マイナスとするのは早計でしょう。

昨季は絶対的エースだったオディオン・イガロを中国に売ったワトフォードは、ACミランのニアン、エヴァートンからクレヴァリー、さらにマウロ・サラテ加入ならこちらもポジティブ。今シーズンのプレミアリーグでは1ゴールと沈黙していたイガロは、売りどきだったのかもしれません。ゲステデ、バンフォードと前線を強化し、ワトフォードからゲディオラまで獲ったミドルズブラも堅実組。ジョーイ・バートンをフリーエージェントで復帰させ、ノリッジからロビー・ブレディという即戦力ウインガーを獲ったバーンリーと、トム・キャロル&ジョルダン・アイェウをゲットしたスウォンジーも悪くない補強です。

シュルップとルイス・エルナンデスを出して、屈強なモラ・ワゲと中盤を締めてくれるエンディディを獲ったレスターも好感が持てますが、彼らの課題は「迷える優勝監督」ラニエリさんが、新戦力をうまく使いこなせるかでしょう。シュルップを獲ったほうのクリスタル・パレスは、リヴァプールのママドゥ・サコとサンダーランドのファン・アーンホルトを押さえており、アラダイス監督が守備のテコ入れを図ったのは明白です。

ここからは、強化されたかどうか微妙なチームの紹介です。デウロフェウ、ニアッセ、ダロン・ギブソン、オビエド、クレヴァリーを出してシュナイデルランとルックマンを獲ったエヴァートンは、シュナイデルランにセインツ時代のクオリティが戻らなければ戦力ダウン。得点力不足解消を目論んでナポリのガッビアディーニ獲得に成功したものの、フォンテの代わりは獲らなかったサウサンプトンは、吉田麻也とファン・ダイクまかせのCBの薄さが不安です。ストークのベラヒーノ獲得とボージャン・クルキッチ放出の天秤も、どちらに傾くかわかりません。ベラヒーノとガードナーを出してリヴァモアを入れたWBAは、チューニングしただけ。ピューリス監督の意向は「現状維持」なのだと思われます。

以上、冬の移籍についてまとめさせていただきました。私の高評価クラブは「Sportie」に寄稿しておりますので、掲載次第そちらに目を通していただくとしまして、ここでは注目選手をピックアップさせていただきます。既に結果を出しているガブリエウ・ジェズスは当確として、ニアン、ルックマン、トム・キャロルのブレイクを楽しみにしております。週末、さっそく現地メディアの見出しになるのは誰でしょうか。いやー、さっそく素晴らしいですよね、ガブリエウ・ジェズス…!

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“マッチデーとデッドラインデーが重なって大忙し!?プレミアリーグ・冬の移籍市場振り返りレポート” への5件のフィードバック

  1. makoto より:

    オビエドが今のタイミングで移籍するのはクラブとしてはマイナスだと思いますが、彼の今後のキャリアや26歳という年齢を考えると放出というクラブの決定も理解できます。
    プレミアリーグでスタメンを張るのに十分な力があると思いますし、重い怪我から復活した彼には移籍先で活躍してほしいという気持ちです。

    —–
    エバートンさん>
    一時は期待していた選手です。トップフォームを取り戻すいいきっかけになればいいですね。

  2. Citizens より:

    いつも楽しく読まさせてもらってます。いま長期出張でイギリスに来ており、今週末はSpursとMan City戦を観戦予定です。先々週Jesusのデビュー戦も観ましたが、早速結果出して嬉しいです。Hammersもこれからどうなるか楽しみですね

  3. K より:

    CLもあるのに、人が余ってるFWを抱え込んで足りないポジションを放出したレスターが心配です
    特にスウォンジーとパレスが残留へ良いカードを積み上げた事を考えると
    サンダーランド、ハルと争うのはミドルスブラとレスターなのではないかと思います

    チェルシーはスカッドの弱点が消えて独走確定でしょうし、レッズには3位を目指して夏の補強に期待したいところです

  4. makoto より:

    Citizensさん>
    ありがとうございます。素晴らしいですね!ジェズスを、というよりあの速い3トップを生で見てみたいです。ハマーズはいずれ上向くでしょうね。キャロルが上がってきたのは大きいと思います。

    Kさん>
    カンテ移籍よりも、スティーヴ・ウォルシュ退職のほうが痛かったかもしれません。エヴァートンのルックマンは、秀逸な補強です。

  5. Citizens より:

    White hart lane 観戦してきました。スタジアム韓国人で溢れかえってました。遅れて来た隣の韓国人カップルの女性は、来て早々Sonが先発なのを見て出てるじゃんみたいなことを言った後ずっと携帯いじり、Sonがチャンスの時だけワーと言うだけ。地元の人にどう映ってるのでしょうか。試合の方はエリクセンが大人しかった代わりにSonが大暴れ。日本にもこんなスターが欲しいですね。しかしムサデンベレは素晴らしかったです。やはりあの二枚のディフェンシブMFは強いですねー。Cityファンからすると羨ましい限りです

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